部活動紹介

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【社会起業部 本部】 水俣研修

福島の原発事故は核の問題としては広島的であり、

NIMBY施設としては沖縄の米軍基地的であり、

環境問題としては水俣的であるといえる。

社会起業部では冬季に水俣と沖縄を2年かけてフィールドワークを行っており、

2022年末には沖縄研修、2023年の12月20~22日は水俣研修を行った。

参加した11名の生徒は全員はじめての水俣訪問であった。

初日は16時に水俣病資料館を見学した。

生徒は真剣に展示を見学し、事前学習を踏まえて、水俣の歩みや実際の患者さんの思いに心を寄せているようだった。夕食後の振り返りでは明日のフィールドワークに向けての問い出しをした。以下のような問いだ。
「今埋め立てられている水銀が再び流出するなどリスクはないのか?」

「生活の豊かさと命で命が負けてしまうのはなぜか?」

「患者は何を一番に望んでいたか?」

 

二日目は一般財団法人水俣病センター相思社のNさんに同行していただきフィールドワークを行った。

水銀ヘドロを埋め立てたコンクリの耐用年数が迫るなど不安が残るが、海は確実に再生されていること、

慰霊碑の下に名簿があるが、差別があった歴史から名簿に名前を入れるのを嫌がる遺族もいること、

新潟水俣病患者の昭和電工に対する裁判がなければ水俣病も「和解」させられていたこと、

市税の60%以上を収める大企業チッソに対する告訴は市そのものを敵に回すことになったこと、

ということを学んだ。

昼食後は相思社の考証館を見学した。

考証館で伝えたいのは正義ではなく正義との間にある葛藤、という言葉が印象的だった。

夕方は水俣病患者でもあり、福島の処理水にも言及してくださっている杉本肇さんのお話を聞いた。

水俣研修の詳細及び社会起業部の活動は下リンク先Facebookに記載してある。

https://www.facebook.com/groups/241069938598314

ホテルでの振り返りでは生徒は以下のような感想を出した。
「水俣病は終わったものだと思っていたけど、いまだに苦しんでいる人がいることに驚いた」

「水銀含有の土が入っているエコパークと福島の中間貯蔵施設との類似性に気づけた」

「加害者の立場に立つことも重要。分断を避けるためにどうすればよいか考えられた」

「水俣病学習だけでなく、福島の良さを発信したり、熊本の良いところを知れて良かった」。