ふたば未来学園の日々

2018年2月の記事一覧

【メディア・コミュニケーション探究班(2年次)】外部講師講話

 2月21日(水)5・6校時は、2年生が未来創造探究授業を行いました。
 今回のメディア・コミュニケーション班では、福島県広報課とふくしま心のケアセンターから総勢6名の方にお越しいただき、班ごとに自分たちの探究活動に対するインプットやアドバイスをいただきました。
 中学生との交流会を計画している班では、心のケアセンターの渡邊さんより「親しみやすいコミュニケーションのコツ」というテーマでワークショップを開催していただきました。
 生徒の中に大人も一緒に入り、「コミュニケーションとは何を伝えるかだけでなく、(相手からの発信に対して)何を思うかということも含む」ことや、対人コミュニケーションでは言葉の意味だけでやりとりが行われているわけではなく、声のトーンや表情、身振りなどからもたくさんの情報を受信しているということを実際のゲームや活動を通して体感することができました。
 生徒が自分たちで知りたいことを知るために心のケアセンターを探し、アポイントメントをとって心のケアセンターの方をお招きすることができたこともあり、積極的に活動に参加する様子が見られました。
 また、SNSを活用する班や学びの歩みを冊子にまとめながら双葉郡についての理解を広げる活動を行う班では、県の広報課の方より実際に行っている広報活動の紹介を通して、より多くの人に手に取ってもらいやすくするための工夫を教えていただきました。
 生徒からは「これまで自分なりに発信をしてきたのでSNSでどのように発信すればいいか戸惑う部分もあったが、自分の中で方向性が決まった」「活動の中で何度も方向転換をしてきたが、やっと考えがまとまった。今日学んだことを校外活動に活かしていきたい」というような声が聞かれ、今後の探究活動を加速させる足掛かりとなりました。
 次回は中間発表に向けた準備と予行練習を行う予定です。

☆心のケアセンターの渡邊さんとのワークショップの様子
 
 ☆伝え方の難しさを体感するワークの様子
 
☆広報課の方より広報リーフレットを参考に伝え方のコツを伺う様子
 

【スペシャリスト系列農業】2年次生が味噌製造の体験を行いました

 本校の、スペシャリスト系列農業を選択している2年生が、企業組合ひろのの味噌加工場で、味噌製造の体験を行いました。現在、双葉郡の復興に取り組んでいる、企業組合ひろの理事新妻良平さんのご指導のもと、混合・仕込みの作業を行いました。熟成させる前の最後の段階で、大変重要な作業をさせていただきました。

☆茹でた大豆を揉んでいる様子です。米麹を入れて混合させます。婦人会の方と一緒に混合作業を行いました。
  
 

☆麹と大豆をすり込ませます。大豆と麹の破砕・は、菌がタンパク質を分解させやすくし、アミノ酸形成を促します。
  
 
☆野町出身の斎藤くんが、取材に対し、広野町の復興へ想いと味噌製造の奥深さを語っていました。
 

【メディア・コミュニケーション探究班(2年次)】講演のための事前学習

 2月7日(水)5・6校時は、2年生が未来創造探究授業を行いました。
 メディア・コミュニケーション班では、班ごとの探究活動を進めるとともに、次回(2月21日)の授業時にお呼びしている講師の方に質問したい内容を班ごとに洗い出しました。
 中学生との交流会を計画している班では、講師の方への質問事項を考えるにあたって、実際に、中学生役と高校生役に分かれてシミュレーションを行いました。「中学生から見たら高校生ってどんな風に見える?」「こういう席の位置だと、目的に合っていないのでは?」「こういう時、どう声をかけたらよいのか?」というような、生徒同士の活発なやり取りが見受けられ、自分たちの活動に活かすための質問事項を洗い出すことができていました。
 また、SNSを活用して双葉郡やふたば未来学園高校の情報発信を高校生の目線から行う班では、もっとより多くの人にみてもらうために、どんな工夫ができるかということを考え、日々の情報発信の仕方や広報の仕方を検討していました。自分たちで考えが及ばない点については、次回の授業で質問できるように準備をしました。
 ほかにも紙芝居や動画を用いた情報発信を検討している班やアンケートを活用する班などもあり、それぞれの班ごとに探究を進めています。
 次回は福島県広報課の方とふくしま心のケアセンターの方にお越しいただき、お話を伺います。

☆先生と一緒に発信の仕方を考える様子
 
☆生徒がそれぞれ持ってきた紙芝居を読みあう様子
 
☆中学生との交流会のシミュレーションをしている様子
 

県下一斉安全確保行動訓練「シェイクアウトふくしま」を行いました

 2月16日(金)、後期期末考査後のLHRの時間に、「シェイクアウトふくしま」を行いました。
 この取組は、地震発生時に真っ先に行うべき安全行動を学び、身につける機会を設け、福島県民の防災意識の高揚及び自助・共助の取り組みの意識をはかり、福島県民一体となった地域の防災力の向上を推進することを目的としたものです。

☆シェイクアウトの放送が始まりました
   
☆放送に従って、安全行動を取りました
  

【産業社会と人間(1年次)】庄司秀樹先生のご講演がありました

 1月17日(水)5・6校時に、「産業社会と人間」の授業で、キャリア教育の一環として、東洋システム株式会社代表取締役社長の庄司秀樹先生が授業を行いました。
 「夢の実現、働くこと、学ぶこと」という演題で、夢(目標)をもって生きることの大切さをお話ししていただきました。
 話の中で、庄司氏に降りかかった大きな試練とそれに対して決して逃げずに、逆にチャンスにすることで切り開いた道の話があり、チャレンジすることの大切さをあらためて実感することができました。
 また、今後の未来がどうなっていくのか、電気自動車の時代がどのようになってくるのかなど、2・3年次で行う探究活動にもつながるお話もありました。

グローバルリーダー育成事業における生徒課題研究発表会に参加

 2018年2月9日(金)福島県立会津高等学校で開催された「平成29年度復興と未来を担うグローバルリーダー育成事業における生徒課題研究発表会」に本校教員2名(佐藤教諭(理科)と高橋教諭(福祉))が参加しました。
 会津地区を牽引する生徒たちから洗練された質の高い発表がありました。課題発見能力は高く、自らアンケートを取ってデータにまとめており、発表の構成も自ら行っているなど、独創性があった。
 会津高校は、東北大学グローバルラーニングセンターや福島大学共同教育研究施設うつくしま未来支援センターと連携しており、高い専門性を持った教授から指導を受けています。本校も学術的なアドバイスを受けるため、大学等と更に連携していく必要を感じました。

 成果発表と質疑応答の概要は以下の通りです。

<課題研究成果発表>
 熊本・水俣研修では、海岸に有機水銀が含まれている可能性があるドラム缶が3000本埋まっていて、ドラム缶の耐用年数を迎えていること。60年たった今でも患者に対する差別があること、補償をめぐって被害者間で対立があることなどが報告され、福島で起こっていることと共通点が多くあった。
 南相馬市の牧場にフィールドワークに行った班では、原発事故の避難により置き去りにされた牛が、飢えに耐え切れず噛んだ柱の跡の写真を紹介した。
 最も印象に残ったのは、震災後の辛さを伝えるために震災俳句を続けている発表である。辛い記憶がよみがえるのでやめてほしいという声もあるが、伝えるのが自分たちの義務と信じ活動を継続している。厳しい課題・辛さを乗り越え、今後の防災、後の人に二度と辛い想いをさせないためにも震災俳句を作り続けてほしい。その姿に人々は勇気付けられます。

<質疑応答>
Q.あなたにとって「グローバルリーダー」とはどのような人物か?
A.世界に共通する課題を発見し、共有し、解決するために導く人物。
  今まで得た知識を発信する人物。
  自分の意見を主張しつつ、相手の意見も聞いて、新しいアイデアを創造できる人物。
  リーダーは1人ではなく、皆でできる人物。
Q.どうして差別は存在するのか?
A.人に感情がある限り存在するのではないか。人にはどうしても他を差別する心があり、その不安を解消するために差別をなくそうとするのではないか。

 本校生も更に深い学びを目標に活動してほしいし、福島の復興のために会津高校生と連携して活動していければと思いました。

<活動の様子>
☆発表を聞く会津高校生
 
☆司会進行も生徒が進める
 
☆発表する生徒
 
☆発表する生徒
 

【再生エネルギー探究】福島県水素利用シンポジウムへ参加

 2018年2月8日(木)浪江町地域スポーツセンターで開催された「福島県水素利用シンポジウム2018inなみえ」に未来創造探究・再生可能エネルギー探究班に所属している3年次生1名と2年次生3名の計4名の生徒が参加しました。
 パネル及びモビリティ展示が多数ありなしたが、福島工業高等専門学校と福島県立テクノアカデミー浜からは自作ソーラーカーの出展、相馬ガスとトヨタ自動車からは、燃料電池自動車の出展、原町高等学校、小高産業技術高等学校の発表とともに本校からは、3年次生の遠藤健次くんが未来創造探究の授業で行った「パッシブハウス」と「植物による発電」についての発表をしました。

 当日行われた基調講演及びパネルディスカッションの発表の概要は以下の通りです。

●基調講演「水素社会実現に向けた戦略と課題」
・化石燃料に依存している日本が、パリ協定を守るためには、CO2を排出しない水素
 の導入を進める必要がある。
・水素に関する特許は、日本が世界一多いため、新産業を創出できる。
・水素H2は水H2Oに含まれているため、世界中のどこにでも存在する。
・再生可能エネルギーの余剰電力で水を電解し、水素を生産できるため、水素は再エ
 ネと相性が良い。

●パネルディスカッション「水素エネルギーがもたらす未来」
・産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター(郡山市)には、水素吸蔵
 合金により水素を運搬する最先端の技術がある。
・浪江町には、世界最大級の水素エネルギーシステム(1万kW級)が、2020年に完成す
 る。1日の水素製造量で、約150世帯の家庭に電力を供給、または560台の燃料自動
 車に水素を充填できる。

 自分たちの探究を丁寧に来場者に説明する生徒の姿と、他高生の発表を積極的に見に行く生徒の姿があり、シンポジウム全体から生徒たちが大きな刺激を受けていることを感じました。
 生徒たちは、新しい中学高校の校舎に本校の名前に入っているトヨタの燃料自動車「MIRAI」と相馬ガスの「水素ステーション」があればいいなと言っていました。
 原発事故で大きな被害を受けた浜通りだからこそ、新しいエネルギーについて考え、実践していくことは大きな意義があることです。今後の生徒たちのさらなる探究に期待したいと思います。

<活動の様子>
☆自分の探究を来場者に説明する3年次、遠藤健次くん
 
☆小高産業技術高校の大掛かりな風力発電装置
 

パネルディスカッション「アップデイトふくしま」に参加してきました

 2月10日(土)、福島の現状に関して、全国・海外の人々の思い込み、さまざまな誤解が存在している状況をふまえ、今後の改善に向けた情報発信・普及に生かすため、それらをアップデイトするための事実、あるいは視点や手法などを明らかにし、共有することを目的に、パネルディスカッション「アップデイトふくしま」が、国連大学のウ・タント国際会議場を会場として、開催されました。
当日は、約300人の方々が来場し、早野龍五氏(東京大学名誉教授)、越智小枝氏(東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座 講師)、ウィリアム・マクマイケル氏(福島大学 経済経営学類 国際地域経済専攻 助教)、開沼博氏(立命館大学 衣笠総合研究機構 准教授)を中心にパネルディスカッションを行う一方、本校の南郷副校長、2年次の遠藤瞭君も登壇し、福島の今や現在の活動について報告しました。
 震災からもうすぐ7年が経過するところで、復興の継続、風評被害、コミュニティの分断など新たな課題が山積する中で改めてふくしまのアップデイトについて考えることができました。

☆パネルディスカッション「アップデイトふくしま」の様子
  
  
  

【海外研修】楢葉遠隔技術開発センターを訪問しました

 3月にアメリカ・ニューヨーク研修に参加する2年次生12名が、国立研究開発法人日本原子力開発機構(JAEA)楢葉遠隔技術開発センターを訪問しました。
 同センターは、福島第一原子力発電所廃止措置の支援のために、離れた場所から操作するための試験装置があり、ロボットの試験や開発、訓練ができる施設です。
 生徒たちは、3D用のメガネをかけて、原子炉建屋内の映像を見たり、コントローラーを使って、小型ロボットやドローンを操縦したりしました。
 その後、生徒と施設の技術者4人と質疑応答が行われました。今年のニューヨーク国連研修のテーマUnder CTRL:Technology,Innovation and the Future of Workに関連して、遠藤瞭(2年次4組)からは、「ロボット開発に伴うリスクやデメリットはあるのか?」という質問がありました。技術者からは、「原発事故があったようにシステムは完全にはなり得ない。しかし、完全に近づけることはできる。人間の仕事を奪うというデメリットがあるかもしれないが、ロボット開発に伴って、なくなる職業もあればそれに応じる職業も増える。」という回答をいただきました。
 また、中島蓮(2年次2組)が、「ロボット開発のメリットは?」という質問をしたところ、「どんなにロボットを開発しても必ず人間がやらなければならないことがある。少子高齢化により、労働人口が減少しているため、ロボットがそれを補う。AIは得意分野と苦手分野があり、ビックデータから傾向をつかむのは、AIは得意で人間は到底及ばない。しかし、議論して結論を出すことやクリエイティブな作業は、人間ができる。人とロボットが共存する延長線上に何かがある。」という回答をいただきました。
 上遠野成純(2年次4組)からの「研究者としての心構え」についての質問には、「周りの人に助けを求めることを恥じないこと、チームでやる重要性」といった回答をいただきました。
 今日の訪問を活かして、さらに生徒たちで議論をし、積極的に議論に参加するチャレンジ精神とテクノロジー及びイノベーションに対する思考を深めて、3月のニューヨーク研修にのぞみたいと考えています。

☆訪問の様子