平成28年度SGH海外研修(米国・ニューヨーク)第5・6日目
いよいよUNIS-UNの会議に臨みました。
会場は国連総会が行われる「General Assembly Hall」です。加盟193ヶ国の座席が並ぶ重厚な空間に足を踏み入れ、緊張は最高潮に達しました。日本政府代表部の座席に座り、今週懇談した別所大使らがこの席に座りながら世界と議論を交わしていることを想像しました。
生徒たちは、移民としての経験を持つ方や、大学の先生など、6名の方によるスピーチを聞きました。通訳が一切居ない環境での数時間のヒアリングは相当ハードで、初日は多くの生徒たちが内容を聞き取れず、夜は真剣に反省会を行いました。二日目は、講師の方の予習を行いつつ、集中力を保つことが大切と十分な睡眠をとって臨み、多くの生徒たちが内容を理解できました。命からがら難民として米国へ渡ってきた方の話や、難民支援を行っている方の話を涙を浮かべて聞く生徒も居ました。
その後、他国の生徒たちとの混合チームで座席に座り、ディベートテーマに沿って議論を行いました。ディベートのテーマは、3/2は「経済的移民と政治的難民は同等に扱うべきか否か」、3/3は「政治的難民は、セキュリティのリスクがある場合は、受け入れを拒否されるべきか否か」という難しいテーマです。生徒たちはこの数ヶ月、自主的に集まって難民問題について学習を重ねてきました。自分たちも原発事故による避難の経験を抱え、例え同じ国の中での避難であってもとても避難民は苦しい境遇に追い込まれてしまうことを知っている生徒たちは、自分たちの経験も交えながら果敢に各国の生徒たちと議論を行いました。
体験を踏まえた深い考えがあっても、英語が話せなければ伝わらないという悔しさを、多くの生徒たちは抱えていましたが、それでも他国の生徒たちに伝わることもあったようです。
そして、全ての日程終了後、日本から参加している他校の生徒たちと「日本語で」日本の移民政策についてのディベートを行いました。言葉の大切さを改めて感じていました。
夜は、アメリカのドラマで観るような打ち上げのダンスパーティーに参加。言葉と身体で各国の生徒たちと打ち解け、盛り上がる体験をして、あんなに難しいと思っていたコミュニケーションが実は簡単なのだと実感していました。
毎回掲載している、担当生徒によるレポートは、研修プログラム毎にA4で1ページ程度となっていますが、UNIS-UNについては簡単にまとめることが出来ない内容で、数ページにわたるレポートを編集中です。生徒のレポートは別途掲載致します。