ふたば未来学園の日々

【海外研修】ニューヨーク研修(1日目)

3/10(金)より、高校2年次生徒8名による「ニューヨーク研修」が始まりました。

ニューヨーク研修は、3期生の渡航を最後にコロナウイルス感染症の影響で現地での研修が出来なくなっていました。それでも先輩たちは代替研修を実施することで、この学びの機会をつないできました。今回の研修はそんな先輩たちの思いも背負いながらの研修です。生徒たちには、現地だからこそ得られる学びを限界まで吸収してくることが期待されます。

午前4時、生徒・教員を乗せたバスが広野駅を出発。午前4時30分、いわき駅前で全メンバーが揃い、校長先生を始めとする先生方に見送られながら成田空港へと向かいました。

研修初日ですが、今日が一番長い1日になります。

3/10(金)10:05分発の飛行機に乗り、12時間かけてニューヨークへ向かいましたが、到着するとニューヨークは3/10(金)の午前9:00。日本とニューヨークは14時間の時差があります。


ホテル到着後、昼食を終えてひと段落した後は、NY市役所のChisato Shimadaさん、同僚のChristopher Haightさん、Naiyiri Bookerさんをホテルの一室に招き、用意したプレゼンテーションを見ていただき、対話の時間を設けました。

ChristopherさんとNaiyiriさんはNY市役所公園局の水に関わる(川、池、海、湿地等)研究者の方々です。プレゼンテーション内で言及している福島の原発処理水の問題を中心に、生徒の探究活動のヒントになるようなアドバイスをたくさんいただくことができました。

懇談を終え、ホテル近くのHard Rock Cafeで夕食。この頃にはすでに日本は3/11、震災から12年の節目を迎えていました。しかし、この日は我々ニューヨーク研修一同にとってはもう一つの特別な日。渡航メンバーの一人の誕生日です。

スタッフさんに英語で誕生日であることを伝え、店内BGMのDJを特別に体験させてもらったようです。現地での海外研修の機会を全力で「体験」する生徒。多すぎる夕食もまた一つの現地体験です。 

ホテルに戻り、午前0:00。バスが広野駅を出発してから約30時間が経過していますが、このとき日本は3/11(土)14:00。本校では震災追悼式が執り行われており、生徒たちはニューヨークからzoomをつないで式へ参加しました。

日本時間14:46に合わせて、黙祷。

今回の渡航団は、震災当時4~5歳だった生徒たちです。自分たちはこの世代を生きる一人として、福島のために、世界のために、何を考え、どのように行動することができるのか。この研修を通して自分たちの思いを伝え、対話を通してさらに考えを深めていきます。

 

令和4年度 福島県立ふたば未来学園高等学校 地域との協働による高等学校教育改革推進事業【グローカル型】 米国・ニューヨーク研修

1.目的
2015 年9月の国連サミットで、貧しい国も、豊かな国も、中所得の国も、すべての国々が豊かさ を追求しながら地球を守り、持続可能な社会を実現していくことを目指して、世界各国は、「持続可 能な開発のための 2030 アジェンダ」を採択した。
本校の未来創造探究において取り組んでいる原子力災害からの復興や持続可能な地域づくりにつ いての探究内容は、福島のみの課題ではなく、全世界が共有する「持続可能な社会づくり」の課題 として考えられる。
グローカル型事業における2年次海外研修では、 米国・ニューヨークを訪問し、国際機関や世界の同世代と交流を行い、世界に福島を発信するとと もに、世界とともに持続可能な社会づくりを考え、未来を創造していく一歩とする。

2.派遣期間
令和5年3月10日(金)~3月18日(土) 9日間

3.参加人員
生 徒 8名
引率教員 2名

4.研修内容
(1)国際機関関係者との意見交換
国連日本政府代表部による「国連と日本・福島」に関する講義を聞き、福島の私たちが持続 可能な世界の実現に向けて何を為すべきなのかを考える。また、各国の国連関係者に福島復興 に向けた自身の実践について発表を行い、持続可能な世界の実現について意見交換を行う。
(2)UNIS-UN での各国同世代との交流
国連職員の子弟等が通学する UNIS(国連国際学校)が主催し、各国の高校生が参加する生徒
国際会議 UNIS-UN(会場:国連総会会議場)に参加し、各国の同世代とグローバルな課題につ
いて議論を行い、交流する。
(3)現地 NPO と連携した同世代生徒意見交換
現地の NPO と連携し、NY の多様性を包含するコミュニティ形成について学ぶとともに、市内 在住の同世代に福島復興に向けた自身の実践について発表し、グローバルな課題について意見 交換を行い、交流する。
(4)現地行政職員や各国からの留学生との意見交換
NY 市の職員や世界各国から留学している大学院生等に福島復興に向けた自身の実践につい
て発表し、福島と世界の課題解決について意見交換を行う。
(5)シティズンシップに関するフィールドワーク
Schomburg Center for Research in Black Culture や Tenement Museum(移民博物館)で、 NY におけるアフリカン・アメリカンや移民の歴史と、その記憶の伝承等について学ぶ。また、 911 博物館の視察と意見交換を行う。
(6)生徒たちの計画による自由研修
多様性と能動的市民性が息づくニューヨークの文化を体感する。また、異国の地で行き先や移動手段も自分たち自身で計画し行動する経験を積む。