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ふたば未来学園の日々

【演劇】イラクのドホーク大学の先生方が来日しました(4/22,23)

2025年5月10日 17時23分
中高海外研修・国際交流

イラクのドホーク県にあるドホーク大学より、人権学科のジョティアール先生(学科長)と、ジハット先生、そしてイラクで人道支援や子供の教育ボランティアなどに携わっている、一般社団法人Peace Cell Projectの高遠菜穂子さん等が本校を訪問しました。

現在、イラクでは「演劇のファシリテーター(紛争予防を目的としたワークショップを牽引できる人材)育成」を目指したドホーク大学のカリキュラム作成を行っているそうです。そのために、実践的かつ先進的な教育を取り入れている日本の教育機関を訪問・視察するということで、数ある訪問先の中のひとつに、ここふたば未来学園高校を選んでくださいました。

Peace Cell Projectの高遠菜穂子さんは、毎年高校1年次の生徒達に講演をしてくださっています。(過去の講演会の様子はこちらです) 

まず22日(火)は、NPO法人パブリックの皆さんを講師にお迎えしたコミュニケーションWSが行われていたので、そちらを見学していただきました。

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特に、シアターでは、「もめる」をテーマにした演劇WSが行われていました。

とある国の、どこかの街の、小さなアパートの住民会議という設定で

様々な国から来た、文化も宗教も価値観も全く違う役柄になりきって、とある議題について話し合いをするというものでした。

講師の方から「とにかく『もめる』ことが目的だからもめてね。」と言われ、実際にやってみますが、どうしても相手に発言を譲ってしまったり、気が付いたら笑顔で妥協点を見つけようとしてしまいます。

イラクの先生に「もめているように見えましたか?」と尋ねると、

「楽しい話をしているのではないのですか?」と言われ、生徒達は「難しい!」と頭を抱えるシーンもありました。イラクの方たちからすると、普段どのようにもめずにいるかを考えている中で、「もめる」をテーマにしたWSはとても新鮮だったようで、最後まで興味深く見学されていました。

そして、翌日は3年生の「表現コミュニケーション」の授業を見学・参加されました。

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フルーツバスケットや、名前や誕生日順で並ぶ簡単なゲームからはじまり、

最後はちょっとしたお芝居が必要なゲームをしました。

さすが3年生、1年次に演劇創作やコミュニケーションWSを経験しているので、与えられたお題がどんなものでも、グループでその場で話し合い、すぐに合意形成し、実際に動き出すまでが早いと感じます。チームワークもばっちりで、グループで楽しもうとする力、そして観ている人を巻き込んで楽しませようとする力があります。生徒もゲストの皆さんも大笑いで授業が終わりました。

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そして、最後には1年生のトップアスリートの生徒達の英語の時間。

高遠菜穂子さんとドホーク大学の先生方が、イラクについての特別講義をしてくださいました。

戦争や難民について、現地に行かないと分からないような厳しい現状について教えていただきました。

世界には1億1730万人もの難民がいて、戦争や迫害によって家を追われていること。

空爆などで物流が止まってしまうと、食料が足りずに死んでしまう人がいること。

戦争を始めるお金はすぐ集まるのに、戦時下の支援するお金はいつも足りないこと。

入学してすぐにこのような授業を受けた生徒達、刺激が強かったと思いますが、メモ用紙にびっしりと感想を書いてくれました。

長年人道支援をしてきた高遠さんからのお話に、生徒達も真剣に耳を傾けていました。

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また、クルド自治区でもあるドホークには、多くのクルド人が暮らしており、ドホーク大学の先生もクルド人であるため、ジハット先生がクルド人の歴史を話してくださいました。

【生徒の感想】

今も戦争や迫害が続いていると、なんとなくは知っていたけれど、こんなに残酷だとは知らなかったです。赤ちゃんや子供も、無差別に犠牲になるということを想像しただけでとても怖くて鳥肌が立ちました。また、人種で差別を受けることもつらいなと思いました。自分が普通に、幸せに生きていること、アスリートとして競技が普通にできる幸せを、当たり前ではないと肝に銘じておきたいです。(バドミントン・女子)

戦争でケガした人の話を聞いて、心が痛くなった。戦争はなんでなくならないのだろうか?みんなで戦争がない世界をつくっていきたい。戦争は多くの人の命を奪う。自分の言語がしゃべれないのは、どうやって生活していくのだろう。僕はしゃべれないと、生きていけないと思う。(野球・男子)

短い時間でしたが熱い授業となりました。

最後に、ドホーク大学人権学科長のジョティアール先生から

この2日間のお礼にと、本をいただきました。

ドホーク大学の先生が書かれた本だそうで、英語に翻訳されているので

図書館に寄贈しようと思います。

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ドホーク大学の皆さん、Peace Cell Projectの皆さん、2日間ありがとうございました。

演劇、地域創造と人間生活、コミュニケーションWS、表現コミュニケーション、国際交流