【海外研修】ドイツ研修3日目(1/8)
2024年1月9日 15時40分本日からいよいよ環境政策で最も優れた都市、フライブルクでの3日間の研修の始まりです。
今日は、フライブルクの住民が日頃使っている、トラム(路面電車)を使って移動しました。
フライブルクのトラムは、環境保全のための交通政策と切っても切れない関係にあります。70年代に酸性雨による黒い森の枯死が起き、それが自動車交通量の増加による排気ガス汚染が原因だったことから、少しでも自動車排気ガスを減らすために、自動車から徒歩・自転車や公共交通への転換をはかろうという機運が高まりました。フライブルク市は都心への自動車乗り入れを規制し、トラムとバスを強化し、公共交通中心の都市交通体系への転換を遂げました。郊外から来たクルマは、トラムの駅に隣接したパークアンドライド駐車場に停めて、トラムに乗り換えて都心に向かいます。
路面電車の線路には、騒音防止のために芝生が植えられています。
トラムでの移動は歴代のドイツ研修でもなかったことです。生徒たちも現地の人たちに混じってトラムから見える街の景色を楽しみました。
まずはフライブルクの中心地を案内していただきました。
現地に住む日本人の篠崎さん、田中さんと、去年もお世話になった独日協会のマティウスさんが同行してくださいました。
街並みが素敵で、生徒たちからは感嘆の声が出ます。
2日前の1月6日は「Drei Könige(ドライケーニゲ)」という三人の賢者の日でした。
新約聖書の一節、東方から3人の賢者がキリスト生誕を祝い参拝を記念した日 ということで
街中はまだクリスマスの名残が残っていました。
フライブルク大学でドイツ文学を学ぶ、田中さんにガイドをしていただき、フライブルク大学を訪れることもできました。
フライブルクは中世より大学都市として知られています。哲学科の建物には、ドイツの哲学者ハイデガーの言葉
「DIE WAHRHEIT WIRD EVCH FREI MACHEN(真実が私たちを自由にする)」が書かれていました。
フライブルクの街の歴史や、フライブルク大聖堂、マルティンの門、シュバーベンの門など、歴史的建造物にまつわる話を詳しく教えていただき、一生懸命メモを取りながら話を聞きました。
その後、大聖堂前で昼食を取りました。フライブルクといえば、ホットドックスタンド。
鳩に囲まれながらみんなでホットドックを頬張りました。
普段はマーケットがぎっしり立ち並び賑わっているのですが、この日は農家のストライキの影響でお店がほとんどありませんでした。
何千人もの農民がトラクターを持って集まり、連邦政府の農業政策に対する抗議デモが行われていました。彼らは税金の優遇措置の計画的な削除に抗議していました。それにより、フライブルク大聖堂前のマーケットがボイコットされ、農具と空の箱がディスプレイされていました。
貴重なものを見たあとは、エコステーションへ移動しました。
エコステーションは、様々な世代が恒久的環境教育について学ぶことができる環境教育機関です。
年間15,000人以上が訪問し、エネルギーや栄養学、生態環境保護について様々なプログラムを通して学びます。
スタッフのユータ・シューマッハさんに畑を案内していただきました。
2016年に1期生の先輩が植えた木も、立派に育っていました。
その後、屋内に戻り、環境保護についての講義を受けました。
地球が1年間に生み出す生物資源を、年初から数えて人類が使い果たしてしまう日を示す「アースオーバーシュートデー」について知り、限りある資源をどう使うかについて考えました。
その後、3つのワークショップを体験しました。
・オーツ麦などの自然素材を使ったスキンケア製品をつくる
・市販の化粧品やクリームなどに入った液体プラスチックを調べる
・自然素材だけでオリジナルの石鹸をつくる
環境を守るためには、自分たちが購入する商品を厳正にチェックするべきだということを学びました。
その後は地域の方々が続々と集まり、みなさんにプレゼンテーションと演劇を披露しました。
プレゼンテーションは、前日までより伝わるようにブラッシュアップを続けていた成果もあり、その後のフィードバックの時間にはとても有意義な対話をすることができました。
生徒によるコメント(Y.Sくん)
初めてのドイツでの朝を迎えました。まず驚いたことは外がとても暗いことです。ドイツではこの時期の日の出が8時15分くらいだそうです。朝食はホテルで食べました。珍しいものが多く、特にクロワッサンが美味しかったです。今日は、フライブルク市街の観光とエコステーションの見学、そこでのプレゼン・演劇の発表を行いました。フライブルク市街の観光で特に印象に残ったことは、フライブルク大聖堂がとても綺麗ということと、あちこちには落書きがありそれらがアート感覚で行われ、悪いことだと思われていないことです。落書きがアート感覚というのはとても新鮮で衝撃を受けました。次にエコステーションについてです。見学ではまず座学での説明を受け、その後に実践的なことをしました。特に印象深かったことは日本でも有名な企業のピーリングにマイクロプラスチックやホルモンに影響を与える物質が入っていたことです。しかし、その企業の全ての製品が環境や体に悪いわけではなく、いい製品も出しているとのことでした。そこから当たり前のことを疑うこと、主語を大きくして批判しないことの大切さを学びました。次にプレゼン・演劇の発表についてです。昨日の夜まで修正することがあり、ギリギリな状況での発表でしたが本番ではそれぞれが自分の役割をしっかりこなすことができたので良かったです。発表後の質疑応答では、様々な貴重な意見を頂いたので記憶が新鮮なうちにまとめていきたいです。今日1日みんなでトラブルなく過ごせたことに感謝して寝たいと思います。
生徒によるコメント(M.Kくん)
Guten Tag !
私は今日の演劇活動で、聞きに来て下さったドイツの皆さんが漁師の苦悩や東電の方の葛藤などを理解してくれたことがとても嬉しかったです。エコステーションの方々は環境に厳しいと聞いていたので、もしかしたら伝わらない部分もあるのではないかと心配していましたが、発表が終わった後に何人かの方々から感想やお褒めの言葉をいただけて安心しました。まだ、演劇の発表はあるのでそれに向けて調整を頑張っていきたいです!
Danke Schoen