中高海外研修・国際交流
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中高海外研修・国際交流
いよいよ、国連国際学校(UNIS)を訪問しての、世界の同世代との交流がスタートしました。UNIS-UNと呼ばれる、国連本会議場で行われる生徒国際会議に参加し、UNISの他に21か国46校からの参加生徒も加えた計550人の生徒たちと3日間の議論と交流を行います。
初日は文化交流や、今後のディスカッションの素地となる知識の確認をしました。渡航前にも本校生は、今回のUNIS-UNのテーマである「移民問題」について調べ、議論を重ねてきましたが、英語でこのテーマを議論することに苦戦し、全員が挫折と焦りをにじませた表情で宿舎に戻りました。また、UNISの生徒を案内役として、本校生のみで、米国同時多発テロについて展示されている 9.11 Memorial を訪問しました。多くのことを感じた一日でした。
宿舎への帰宅後、今日も振り返りのミーティングを行い、担当の生徒がレポートをまとめました。詳細は生徒のレポートをご覧ください。
<UNIS-UN Cultural Showcase、Work shop、Welcome dinner、9.11 Memorial訪問>
3月1日(水) 文責:K.N
○UNIS(United Nations International school)は1947年設立、もともと国連本部の職員や各国代表部等の子を対象として設立された学校で国際色豊かである。私立/共学/通学制の幼稚園・小学校・中学校・高等学校がある。
○UNIS-UNとは世界中の様々な国の高校生や中学生が集まり毎年決められた議題で国連の本会議場で行われる生徒国際会議である。今年で41回目を迎える。

(UNIS-UN Cultural Showcase)
○UNIS-UNで行われた最初のセッション。それぞれが自国の文化や学校の紹介を歌やダンス、プレゼンなどをした。例えば、中国は国歌斉唱や中国にまつわるクイズ、メキシコはPVなどでShowcaseを盛り上げた。自分たちも日本の伝統的な踊りであるよさこいを披露した。オレンジ色の法被を身にまとい迫力あるパフォーマンスができたと思う。会場からはたくさんの拍手をもらうことができた。
(UNIS-UN Work shop)
○学校や国籍関係なく分けられた数人のグループでディスカッションを行った。それぞれ自己紹介をしたあと、翌日のUNIS-UNのカンファレンスのテーマである「移民問題」をテーマにクイズをして、知識を身につけた。その後、移民の一例の話を聞いた。話の内容はメキシコからアメリカ合衆国に移り住んだ家族が身分を隠し仕事を探し生きている話だった。
○Work shopで学んだことは、移民は仕事にもつけず、見つけたとしても重労働で低賃金だということ、移民は生きることに精いっぱいでとても過酷な境遇だということが分かった。個人的な反省として英語の意味を理解できずについていくことができなかったが、UNISのジャマイカとスウェーデンのハーフで日本語を勉強している生徒に助けてもらい、何とか理解できた。英語で積極的に話し合いに参加できなかった。自分の意見を言えなかった。明日のディスカッションでは自分の意見を述べることが課題だと感じた。
(Welcome dinner)
○グループに分かれての食事会をした。自分のグループにはドイツ人やスペイン人、バミューダ人がいた。誰も話さず重い雰囲気だったが、スペイン人の生徒がうまく話を振ってみんな交流することができた。交流の中ではどこから来たか自分の母国はどんなところかなどについて話しながら交流を深めた。今回感じたことは自分から殻を破り勇気をもって相手に歩み寄ることで相手とより良いコミュニケーションができる。また、他のテーブルでは本校性が手品で場を盛り上げており、何か特技があれば相手を引き付けることができ、相手のコミュニケーションの壁は無くなると感じた。
(9.11Memorial訪問)
○UNISの生徒と2001年9月にアメリカ同時多発テロにあったグラウンドゼロを訪れ、9.11Memorialを見学した。9.11Memorialは事件の追悼施設として2011年に開業した国営の施設。アメリカ同時多発テロとは、ツインタワーと呼ばれる2つの貿易センタービルにハイジャックされた飛行機が激突し、多くの被害者を出した事件。
○へこんだビルの鉄骨や当時の音声や映像など生々しさがとてもあり、事件の残酷さを肌で感じることができた。
○私は高校一年の時に広島の研修に行き原爆資料館を訪れたことがあった。両方とも悲劇を伝える博物館で、博物館の重苦しい雰囲気や事件の残酷さをまざまざと見せつけられ、何とも言えない心の震えを感じさせられた。しかし広島も9.11も被害者側ではあるものの、同時になぜ起きたのかという背景をしっかり考える必要があると思った。9.11事件の背景として世界のグローバル化の中でのイスラム思想の否定がある。文化のすれ違いを象徴するようなこの事件は移民のことを考える上でとても関わりが深いと思う。
○そして、私たちも東日本大震災で経験した負の遺産をどのようにして後世に伝えるのか考える必要があると思った。

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<コロンビア大学ジェラルド・カーティス教授意見交換、国連日本政府代表部訪問>
ニューヨーク研修の現地での活動2日目は、昨日に引き続きコロンビア大学を訪問しました。政治学部教授で東アジア研究所長も務められた政治学の大家、ジェラルド・カーティス先生との意見交換を行いました。カーティス先生からは、「福島の復興について」「今回のニューヨーク訪問で得たいこと」「世界に自分たちが伝えたいこと」等について、矢継ぎ早に鋭い質問を頂きました。海外の大学の授業スタイルを肌で感じる良い機会となるとともに、生徒たちはそれぞれの言葉で答えながら思考を深める大変良い機会になりました。大きな宿題も頂き、生徒たちは自分たちで答えを出してメールで報告することを約束しました。
その後、世界最高峰のコロンビア大学のキャンパスを見学し、大学での海外留学を少し考え始めた生徒もいたようです。
続いて、いよいよ国連へ。国際連合日本政府代表部(国連に於ける日本大使館)を訪問し、別所大使を表敬訪問するとともに、岸守参事官から「国連と日本・福島」について大変貴重な講義を頂きました。岸守参事官とは夕食もご一緒し、世界に日本や福島を伝えていく際の大切な考え方をたくさん教えて頂きました。
また、偶然同日から始まった、写真家エバレット・ブラウン氏による南相馬のSAMURAI写真展のオープニングにも出席し、アートで日本を発信している様子を体感しました。
詳細は生徒のレポートをご覧下さい。



<コロンビア大学、ジェラルド・L・カーティス教授 意見交換>
2月28日(火) 09:00-10:15 文責:K.E
○コロンビア大学はアメリカ合衆国前の1754年に設立し、全米で5番目に古い。また、世界屈指の名門大学としてノーベル賞受賞者を101名輩出しており、全世界から多くの優秀な研究者、留学生が集まっている。最近の著名な卒業生は米第44代大統領バラク・オバマ。
○ジェラルド・L・カーティスさんは、現在コロンビア大学政治学部教授であり、コロンビア大学東アジア研究所長や、東京大学法学部客員教授、慶應義塾大学法学部客員教授などを歴任した。専門分野は日本の政治外交、比較政治学、日米関係である。
○訪問では原発事故やふたば未来学園について7分間プレゼンテーションを行った後、K.N、K.Fが各自スピーチを行った。そして、約50分意見交換を行った。意見交換の内容は下記の通り。
○カーティスさんから様々な鋭い質問をされ、考えたり答えたりしている中で、私たちはこのニューヨーク研修に参加する意味を改めて知ることができた。
○このニューヨーク研修に参加して何を学校に持ち帰るかをしっかり考えることが問われ、M.Sは「私たちは福島と世界のために何ができるのか、何をすべきか」、H.Sの意見は「日本の中で日本人だけでもいろいろな考えがある、ましてやニューヨークは様々な人がいるからもっと違う考えがある。だからその考えを知りたい」と答えた。カーティスさんからは「グッドポイント」とコメントがあった。様々なバックグランドがあるニューヨークの人たちから日本は学ぶことができる。ということだ。
○日本社会の強みと弱みを考えなくてはならない。例えば強みの場合、原発事故があり、日本の20~30%を占めていた原子力が失われても日本はここまでやってきた。これは一人ひとりが物事に対して一生懸命に取り組んでいるからであり、海外から見ると驚くべきことだ。
○帰省困難が解除され、故郷に戻ってくるのはほとんどがお年寄り。それで、未来はあるのか?と問いかけられた。
○日本を知らない人たちにとって君たちは先生だ。ニューヨークの人たちに福島のことについて何を学んでほしいか?と問われ、私たちは福島の今の姿を伝えたいと答えた。
○最後に、M.Sが「復興とは何か?」と問いかけた。カーティス先生から「ヘビークエスチョン。私に答えは無い。未来は君たちの手の中にある」「経験を通して未来をどうしていきたいか考えることが大切。6年が経った今、普通に生活できるようになるまでにどれ位かかると思うか。君たちは福島から避難し続けるのでは無くこの学校に集ってきた。2030年、2050年に、君たちの未来をどうしていきたいか。」という重要な問いをいただいた。今回のジェラルド・L・カーティスさんの意見交換で答えられなかった問いが宿題となった。この宿題がこれからの福島の未来に役立つヒントになると思う。
<国連日本政府代表部訪問 「国連と日本・福島」に関する講義>
2月28日(火) 15:00-17:00 文責:H.S
○国連日本政府代表部を訪問し、別所浩郎特命全権大使を表敬訪問し、その後、岸守一(きしもりはじめ)参事官より、国連と日本の関係についての講義をいただいた。
○別所大使表敬訪問では、今回の米国研修を支えてくださっていることについて御礼をお伝えし、ふたば未来学園での6つの探究斑の取り組みなどを話した。高校生の話を熱心に聞いてくださり、とても尊敬のできる方であった。
○また、岸守一参事官より講義をいただいた。岸守さんは99年3月より在ジュネーブ国際機関日本政府代表部に勤務。2001年10月より1年間国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)執行委員会のラポトゥール(本会議への報告の方針を決める担当)を務め、その後UNHCR駐日事務所副代表を務める。2005年より現職。
○講義では 「国際連合という風景」を見つめる“まなざし”~見ているものは、実は見えているものではない~ という題で講義を頂いた後、意見交換を行った。講義と意見交換の内容は以下の通り。
(国連と日本の関係について)
○まず初めに国連と日本の関係について説明を頂いた。「国連の概要」「PKO、持続可能な開発のための2030アジェンダ」等について説明を頂いた。
○国連の決議や選挙などは多数決で決まる。そこで日本の意見を反映させるマルチ外交の場であると言っていた。過半数をとるために国と国の間でいろんな綱引きや貸し借りがある厳しい世界であるとのこと。
○日本が国連にお金を収めている拠出金は国連加盟国の中で第2位である(9.680%)。一方で国連に勤める日本人の職員は4%と少なく1000人未満(全職員25,000人)である。このような状況の中で日本の意見を通していく様々な工夫をされている。
(効果的な発信の方法について)
○次に、効果的な情報発信の仕方を教えて頂いた。相手に興味を持ってもらうためにも共通点を取り込んだ話をする必要がある。自分の話だけをするのではなく、相手の欲しいもの、情報をあげなければ聞いている側はつまらなくなってしまうのだ。
○具体例1:国連は一気に192か国に一気に話を聞いてもらえる効率的な場所である。同時に国連はアピール競争の場でもある。例えば、オランダはテラスに人工芝をひき、フットサルをしたり、タイではタイブレイクと名付けて外交官が楽器を弾いたり、レストランを貸し切りお酒を飲んだりして自国の文化をアピールしている。
○そこで日本は国連加盟60周年について発信するときに一方通行の展示ではなく、国連の中に土壁を作り、土壁にいろんな国の言葉で「平和」と書くことで双方向のやりとりにすることができるようにした。土壁で日本の文化を発信した。とても好評だったようだ。
○具体例2:震災の時に日本政府から福島は安全だと情報を発信しても信じてもらえなかった。そこで、一方的に発信するのをやめ、受信してもらいやすい人に代わりに言ってもらった。シカゴのフードブロガーによる東北食べ歩きブログの形で記事を発信した。聞き手自身の信じている人の言っていることの方が信じてもらえる。聞く耳を持ってくれていないところで大きな音を立てても意味がないから聞く耳を持ってもらえる方の力を借りる方法もある。
○具体例3:ある方が福島のプレゼンをした時に、福島県の話しかせず、相手の興味を持ってもらえるような話し方が出来なかった。
(ナポレオンの靴)
○ナポレオンの靴という逸話を知っていますか。ナポレオンは毎日いろんな場所に出かけ、靴は毎日汚れる。下司官が毎日靴を磨き、ある日、「靴を毎日磨いても汚れる。毎日磨く必要はあるのか」と問いかける。その次の食事で下司官にだけ食事はなかった。食事が出ないのが何回か続き、下司官はナポレオンに謝った。「どうせ食べても明日は腹が減るだろうから、食べても、食べなくても同じではないか」とナポレオンは答えた。前に進むために繰り返す。ナポレオンは非情でありながらもいい教えをしてくれたと思った。
(その他)
○「いい仕事をすればいつか必ず報われるはず(報われて当然だ)」というのは傲慢
「いい仕事をすればいつか報われるだろう(だから何もしない)」というのは怠惰
しかしこれは国連で働き出世するために必要なことであり、誰しもがこうならなければならないということではなかった。
○誰もいない森の中で大木が倒れるとき、はたして木の倒れる音はほんとうにした、と言えるのでしょうか? この言葉に似た歌詞で 届かなかった言葉は言っていないのと同じことで誰も知らないのはいないのと変わらないのかい? とある。私はそんなことはないと思う。誰も知らなくても誰にも聞こえていなくてもその場にはその場の時間が流れていて一つ一つが大切なものでと思う。しかし、伝わらなければ意味がない。
「あなたを動物か植物に例えると何ですか」と最初に聞かれた。その答えに岸守さんは「自分は水である」と答えるそうだ。水は動物でも植物ではない。形も温度も速さも変えられる存在でありたいとのことだった。答えは一つではないから、AかBかを問われた時に、正直にどちらかを選ぶだけではなく、答えは一つではないので、新しい答えがベストアンサーなのかもしれないとのメッセージをいただいた。「自分の求めている答えは自分の中には無く、持っている人から学べばいい」ともおっしゃっていた。
中高海外研修・国際交流
ニューヨーク研修の現地での活動初日は、民間外交の分野で活躍されている日本国際交流センターのジム・ギャノン事務局長や、コロンビア大学の留学生との意見交換を行いました。
コロンビア大学は、これまでに34名の各国大統領・首脳や100名以上のノーベル賞学者を輩出している大学です。今回はアジアやアフリカを含む世界中から持続可能な世界を実現するために国際政策研究大学院へ留学してきている皆さんとの意見交換でした。
訪問先では生徒たちから原発事故や現在のふたば未来学園での取り組みについてのプレゼンテーションと生徒数名のスピーチを行い、その後意見交換を行いました。
スピーチは訪問先毎に持ち回りとなっており、担当となった生徒が自分の震災体験などのバックグラウンドや現在復興に向けて取り組んでいるプロジェクトの紹介、そして地域や世界をどのように変えていきたいかという思いを英語で語りました。
日本国際交流センターやコロンビア大学での意見交換では、「エキサイティングな取り組みを行っている」と高く評価を頂きました。生徒たちにとっては、改めて現在や将来の福島の姿について世界に発信していく必要性を深く考えさせられるとともに、私たちはどのようにしてここニューヨークで現地の方々の意見を深く掘り下げて聞いていくべきかを考える機会となりました。
宿舎への帰宅後、さっそく振り返りのミーティングを行い、担当の生徒がレポートをまとめました。詳細は生徒のレポートをご覧ください。
<米国法人日本国際交流センター(JCIE) ジェームス・ギャノン事務局長 意見交換>
2月27日(火)10:00-11:00 (文責:T.Y)
●日本国際交流センター(JCIE)は、民間の立場から国際的な協力を推進する公益法人。『民間外交のパイオニア』として、「日本の対外関係の強化」「シビル・ソサエティの推進と地域の国際化」などの活動をしている。
●ジェームス・ギャノンさんは、2001年のJCIE参画以前は、国際協力銀行勤務を経てJETプログラムで愛媛の中学校でALTを務めたり、愛媛大学で研究を行うなど日本との関わりが深い。コロンビア大学の国際公共政策大学院(SIPA)も卒業されている。

●訪問では原発事故やふたば未来学園について7分間プレゼンテーションを行った後、Y.K、T.Y、Y.Sが各自のスピーチを行った。そして、約40分意見交換を行った。意見交換の内容は下記の通り。
●地域の発展には、持続可能性が大切である。その中で「強く、多くの繋がりを持った民間セクターやNGO」、「国際的な繋がり」が必要であると言っていた。
●実際に東日本大震災時の民間からの援助額は750億円、トモダチ作戦などの米国政府からの援助額は90億円で民間からの援助額が政府からの援助額を大きく上回っていたという話を聞き、私たちが多くの繋がりによって助けられていたということが分かった。そして、強いネットワーク構築の重要性を感じた。
●具体的なJCIEが実施した例として、東日本大震災の時にニューヨークの日系アメリカ人のママの会による募金活動を教えて頂いた。街頭での2時間の募金活動でのべ400人の方が約130万円もの募金をしてくれた。中には被災地のことを思って泣きながらまた、ハグをしながら募金してくれる人もいた。
●これだけ募金が集まったのは、ニューヨークが多文化社会でそれぞれの文化を尊重する地域であり、日本を近く感じているからという話もあった。自分たちは「福島のことについて他人事にならないで」と発信しているのに、「もし私たちのトモダチの国が困っていたとき、私たちは自分事と捉えて同じことをできるだろうか」と考えさせられた。
●マンハッタンは島であり、9.11の際に橋や航路が封鎖されるとどこへも避難できないという経験をした。そして福島第一原発事故の経験を踏まえ、マンハッタンの北およそ40キロにあるインディアン・ポイント原子力発電所が事故が起きたとき避難ができないという理由で2021年までに閉鎖されることが決まったという説明があった。
●福島第一原発事故がニューヨークの原子力発電所の教訓になっていることに対して、客観的に見たらいいことなのかもしれないが、自分の地域のことが反面教師になっているのがつらいという意見もあった。
●こちらから「米国の人の福島に対するネガティブなイメージはどのようなものか」質問したところ、ニューヨークの人は、そんなに福島に対する悪いイメージを持っていないと思うということもおっしゃっていた。
●では福島に対しての悪いイメージは収まったのかと言えば「原発事故=福島」「福島=東北」というイメージがあるのも確かということも言っていて、今日話しを聞いただけでは、判断できないという意見になった。また原発事故のことだけでなく、将来の福島の姿についても発信したほうがいいというアドバイスも頂いた。これからも私たちから情報を積極的に発信していかなければならないと感じた。
●また、質問した時に「私たちに好感があるから」、「私たちが高校生だから」という理由で、相手からの質問の答えが励ましや一般論になりがちだが、いかに励ましや一般論ではなくその人の本音をえぐって聞き出すことができるかについても議論を深めた。
●今回のジェームス・ギャノンさんとの意見交換は、
私たちは強靭な繋がりを構築しながら、原発事故について、現在の福島の姿、そして将来の福島の姿について世界にもっと発信していく必要があると感じた貴重な機会となった。
<コロンビア大学国際政策大学院 留学生意見交換>
2月27日(火)14:30-16:00 (文責:Y.S)
●本校から、福島・双葉郡の現状と、本校で取り組んでいる未来創造探究での活動に関するプレゼンテーションと、M.S・K.E・H.Sの3人によるスピーチを合わせて約30分ほど行った。そのプレゼンテーションとスピーチに対して、質疑応答が行われた。質問の内容として、下記があがった。
・SNSなどを使わない高齢者に対してどのように取り組みを伝えていくのか。
・多くの人の前で発表する機会は設けられているのか
など活動をした後にどのように周りの人に伝えていくのかを聞く質問が多かった。
●質疑応答が終わると、3つのグループに別れて、大体10分から15分の間で自己紹介や質問、意見交換などを行った。意見交換の中で出た主な意見は下記の通り。
・とてもエキサイティングなプロジェクトを行っていると感じた。
・一方的ではなく、双方向でのやり取りが必要になってくる
・震災から6年が経とうとしている中で、人々は毎日この問題を考えているわけではない。人々の記憶は薄れてきているから、福島の原発事故を経験し毎日考えている私たちが、取り組みや経験などを共有し、伝えていかなければならない
・今取り組んでいる探究班での活動では、将来のことを考えて活動している。しかし、将来のことを考える上で、現状はどうなっているのか。周りはどう考えているのかなどをしっかりと理解して取り組んでいかなければいけない
●今回の交流会の後に行ったミーティングでは次のような反省が出た。
・質問に答えるときに、周りの人に頼ってしまった。
・自分の取り組みをまとめきれていなかった。
・英語で話すためには、まず日本語で話せるようにしなければならないため、日本語で文章を作れるようにする。
・自分の取り組みと自分のストーリーのバランス
・何か事例などを質問する時に、日本ではどうなのか(今回は福祉制度)を知っていなければ、比較もできず、さらに相手から聞かれても答えられない
・6つの探究班での活動では、専門的な言葉も出てくる。全ての探究班の単語を理解出来ないとしても、自分がやっている活動の中で出てくる言葉はしっかりと覚える必要がある。


中高海外研修・国際交流
SGHにおける2学年次海外研修では米国・ニューヨークを訪問し、国際機関や世界の同世代と交流を行い、世界に福島を発信するとともに、世界とともに持続可能な社会づくりを考え、未来を創造していく一歩とします。
平成28年度SGH海外研修(アメリカ・ニューヨーク)実施目的は、2015年9月の国連サミットで、貧しい国も、豊かな国も、中所得国も、すべての国々が豊かさを追求しながら地球を守り、持続可能な社会を実現していくことを目指して、世界各国は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しました。未来創造探究において取り組んでいる原子力災害からの復興や、持続可能な地域づくりについての探究内容は、福島のみの課題ではなく、全世界が共有する「持続可能な社会づくり」の課題として考えることもできます。
2年次生9名からなるニューヨーク研修参加者は、元気に現地に到着しました。
宿泊先は、コロンビア大学等への留学生が滞在するインターナショナルハウスです。ダイニングで食事をしながらミーティングをしたり、ロビーで資料を読み込んだりする大学生に囲まれ、学びの息吹あふれる生活がスタートしました。
夕食後には、さっそくミーティングを行いました。今回は、2年次生が取り組む「未来創造探究」の各班の代表者による渡航です。コロンビア大学や国連の関係者、さらには世界中から集まった同世代と、福島と世界の課題について議論し、双葉郡・福島を発信するとともに学びを深め、福島で待つ学校の仲間たちにも共有していくことが目的です。
今日のミーティングでは、明日意見交換を行う民間外交のキーマンであるジェームス・ギャノン国際交流センターエグゼクティブディレクターや、世界中から集まってきているコロンビア大学公共政策大学院の留学生向けのプレゼンテーションの進め方を確認しました。
その後、各自部屋に戻って、明日のプレゼンテーションや個人スピーチの準備を行っています。
なお、今回の研修は生徒主体で進めています。渡航前の事前学習も自分たちで日程を決め、学習やプレゼンテーションの準備を重ねてきました。生徒たちが自分で決めた係分担に「研修係」というものがあります。研修係は、今回の滞在中のすべての移動手段や時間を決め、みんなを導く係です。
研修係の二人はミーティング後、最寄りの地下鉄の駅で明日の移動方法や、全員が購入するメトロカードの購入方法を確認していました。無事に研修日程をこなすことが出来るかは、この二人にかかっています。
明日からいよいよ研修スタート、みんな高いモチベーションで準備に取り組んでいますが、長旅の疲れもあるので、早めに休んでくれますよう。
明日からは、各訪問先の担当生徒がまとめたレポートを掲載いたします。
☆部活中の多くのみんなに見送られて学校を出発。今日は渡航団の生徒の誕生日。ハッピーバースデイの合唱もありました。時差の関係で長い長い充実の誕生日です。

☆ニューヨークに到着。バスから見えた摩天楼に歓声があがりました。

☆コロンビア大学のインターナショナルハウスに元気にチェックインしました。

☆夕食後にはさっそく短時間のミーティングを行いました。

☆研修係の二人は、地下鉄の駅へ。明日の移動やメトロカードの購入方法を確認していました。

中高海外研修・国際交流
ドイツ研修4日目に引き続き、Think Greenの授業へ参加した。
その授業で、EMGのプレゼンテーションを聴きました。
1 Agriculture(農業)について
<発表内容>
・ グローバリゼーションにより、スーパーマーケットで多くの品物が安く購入できるようになった。
・ バイオエタノールの生産量は、年々増加している。
・ 発電所を地下に作れば、土地が有効利用できるのではないか。
・ チェルノブイリ原発事故により、農作物が汚染された。
発表後に実施したドイツの生徒と本校研修生に、震災後に日本で食べられなくなった食べ物があるかなどの質問があり、困りながら回答をしている様子がありました。
2 Recycling and reuse(リサイクル)について
<発表内容>
・ 日本もドイツもゴミを大量に出している。それは、水の汚染につながる。
・ マイクロプラスチックは、海洋生物に蓄積されている。
・ ゴミの投棄は、希少なレアアース(レアメタル)をますます少なくする。
・ 2025年までにミュンヘンでは、すべての公共交通機関を再生可能エネルギーで走らせる。
<EMGでの取り組み>
・ 不要になった家具、自転車、コンピュータ、おもちゃ、本などを集めて、より良く直して1700アイテム、1000トンを売った。UPCYCLINGと呼ぶ。
・ すべてのクラスでゴミを分別している。
・ 問題集と宿題にリサイクルペーパーを使用している。
・ <発表後に実施したドイツの生徒と本校研修生のやりとり>
Q 日本では、どのように分別していますか?
A ペットボトルのキャップを集めている。それは、アフリカのこどもたちのワクチンを買う資金になったりする。
Q ペットボトルのボトルはどうなるのか?
A もちろん分類している。
Q パッシブハウスとは何か?
A 屋根の角度や窓の構造を研究した光熱費が節約できる家。
Q あなたの学校は、パッシブハウスなのか?
A 違います。
Q 学校の食堂で、地元の食材は使われているのか?
A 分かりません。
Q 本当に?地元食材の地産地消の発表をしているのに、知らないのか?
A 地元の直売所では、地元の野菜を見かけます。
今回の授業では、同年代から質問されておろおろする本校生の姿が見られ、自分たちのことをよく知り、自分のことをアピールできる大切さを知ることができました。
日々の生活をどのように過ごせば、彼らと対等に議論できるようになるか、という大きな課題が残りました。
明日(1/13)の早朝、いよいよ日本へ向けて出発します。
<活動の様子>
☆発表するEMGの生徒の様子

☆発表を聞く生徒たち

今日の出来事
中高海外研修・国際交流
Ernst Mach Gymnasium(EMG)の2日目は、Think Greenの授業を中心に交流しました。
そこで、3つのプレゼンテーションを聴きました。
1 Catastrophes(災害)について
ドイツでも気候変動の影響により、洪水などの災害が増えており、災害に備えるためのガイドブックを活用しながら、ミュンヘンの洪水の原因とそれを考えた防ぐ方法についての発表でした。
2 Nuclear Phase-out and solar energy(原発から太陽エネルギーへ)
チェルノブイリと福島の事故を教訓にエネルギーシフトの意識が高まっており、日本との共通点としては、海での波力発電、洋上風力発電が可能なっこと、また、日本との相違点として、山が多く、ソーラーパネルの設置場所が少ないということや、原子力発電所が、テロリストの標的になるリスクなどについての発表でした。
法律で義務付けられ、学校に設置してあるソーラーパネルを見学しました。
3 Water the base of life(水)について
イザール川を利用した小水力発電の紹介や、ドイツでは地下水の水位が上がり、家の地下室に水が流れ込む問題が発生していることについて、また、その問題に対して自分たちがすべきことが何かを紹介する発表でした。
本校研修生からは、プレゼンテーションと演劇の発表をしました。
プレゼンテーションでは、「福島、双葉郡の現状」「学校設立の経緯」「演劇制作の説明」「未来創造探究の6つの探究班の活動報告」をしました。
演劇では、「富岡土木事務所」を舞台にした、震災後の故郷に対する世代間の意識の相違や、地方と都会の意識の違い、職員と作業員の葛藤などを演じました。
フィールドワークでは、1箇所目のイザール川で、小水力発電と洪水を防ぐ工夫について、2箇所目のミュンヘン中心街では、教会の歴史や市役所と広場について、EMGの生徒から説明を受けました。広場では、EMGの生徒たちと本校研修生は雪合戦をやって大いに楽しみました。
☆プレゼンテーションの様子

☆演劇の様子

☆イザール川のフィールドワークの様子

☆ミュンヘン中心街での記念撮影
