2018年3月の記事一覧
SGH ニューヨーク研修⑦国連関係者意見交換
ついに集大成となる国連本部での、関係者との意見交換の朝を迎えました。
生徒たちは朝6:30からホテルでリハーサルを行い、最後の確認と練習に励んでいました。
今回はUN-DPI(広報局)から4名の職員の方、そしてUN Youth Delegate から5名の方、さらには日本政府代表部から数名の方が出席されます。Chairを務めてくださるのは、Ramu Damodaran 国連広報局副部長です。
国連本部事務棟の上層階の会議室に移動し、冒頭にDamodaran副部長からスピーチをいただきました。この中で、Damodaranさんは、最近本校に関するディスカバリーチャンネルのTV番組を観たと、未来創造探究での取り組み等に詳細に触れながら挨拶をしてくださいました。「未来創造探究の取り組みは素晴らしく、コミュニティでの活動とUNの活動は互いに応用されていく。私たちは何が出来るか互いに質問すべき、教室の中で限界を設けず、UNと福島のブリッジをかけることが重要。今日あなたたちは国連加盟約200か国、70億人に話をすることになる」とおっしゃってくださり、一同感激しました。
☆国連幹部のDamodaran 氏による冒頭スピーチ
その後は、生徒たちからプレゼンテーションとスピーチを行いました。これまでの集大成にふさわしく、スライドをそぎ落とし、内容を磨き、聞き手のことを考えてSDGs(持続可能な開発目標)との繋がりを意識した、素晴らしいプレゼンテーションとなりました。
続いて、3名の生徒がスピーチを行いました。「持続可能な社会を実現する、これからの科学技術への向き合い方」と「誤解やフェイクニュースによる分断を超えるコミュニケーション」の2つのテーマでのスピーチを、皆さんはうなずきながら聞いてくださいました。
☆福島の課題と世界の課題を重ね合わせ、SDGsに言及しながら発表する生徒総括リーダー
☆美しい富岡町の桜のトンネルの下で世界の方々と笑い合う日を目指すとスピーチする生徒
☆避難の体験をもとに、世界の難民問題に自分事として向き合っているとスピーチする生徒
終了後は、「セネガルでも皆さんの経験を共有することで、同じことが起こらないようにすることが出来る。エボラ熱やプエルトリコのハリケーンで苦しんでいる人にも発信したい。皆さんの発表、考えを世界レベルで共有し、またフィードバックを返したい。」「今日をステップとして次のステップへ進もう」等のコメントを頂きました。
その後、日本政府代表部主催の昼食会で、引き続き出席者と生徒たちは議論を行いました。
それぞれの生徒が取り組む探究テーマについての助言を頂いたテーブル、SDGsの17のゴールの中で注目しているものはどれか意見交換をしたテーブル、国連Youth Delegateの方々の移民や被差別等の多様で困難なバックグラウンドについての話を聞いたテーブルなど様々でした。また、この研修で訪問したSchomburg Center(黒人文化の展示館) や 9.11 Memorial の印象をお話ししたところ、「まさに自分はムスリムのアフリカンアメリカンとして、幼少期も9.11後も困難を経験してきた」との体験談を聞かせていただいたテーブルもありました。
それぞれの生徒たちが、自分たちの取り組みに新たな視点を得るとともに、自信を深め、福島と世界のつながりのみならず、自身と国連のつながりについても実感を持って深く理解した一日となりました。
☆昼食会で福島・世界それぞれの場で取り組む課題解決について意見交換
☆昼食会では近い距離でコミュニケーションをとり、福島と国連の間に橋が架けられました
☆国連広報局職員やYouth Delegateの皆さんと
☆別れを惜しみ連絡先を交換
お互いに名残惜しいなか記念撮影をして終了となりましたが、来年もこのような機会を設けていくこと、さらには、Youth Delegate による福島ツアーを検討したい、という話も持ち上がり、まさに福島とUNの間に橋が架けられ、今年度のSGH NY研修は大成功に終わりました。
妥協せずに挑戦し、ハードスケジュールを駆け抜けた渡航生徒たちを誇りに思います。
また、この研修に多大なるご協力をいただいた、国連日本政府代表部、コロンビア大学、国連国際学校、NPOグローバルキッズ、NY市の関係者の皆様に、心から御礼を申し上げます。
SGH ニューヨーク研修⑤911ミュージアム意見交換
なんと、大雪の警報が出て、今日はUNIS(国連国際学校)が休校になってしまいました。
残念ですが、気を取り直して「災い転じて福となす」ために、午前中はじっくりと時間をかけてプレゼンテーションの改善について話し合いました。
午後は、雪もひどくならなかったため、研修プログラム再開し、9.11 Tribute Museum を見学しました。
テロ発生時にWTCで働いており、生き残ったPieterさんから、当時の状況やその後の復興について、お話をうかがいました。映像や音声による臨場感のある展示と、Pieterさんの語り口から、事件当時の状況について理解を深めました。
☆911テロ事件から生還したPieterさんに当時の話を聞く
☆ポジティブな良い人生を送り、良い世界を作ってほしいと語るPieterさん
夜の振り返りミーティングでは、犠牲となった方への想像力を働かせながら話し合い、伝えていくことの大切さを確認していました。また、生徒たちは、911の背景や、その後の戦争への展開、さらには事故後のイスラム教徒への差別など、関連情報を事前に調べたうえで見学をしていました。「その後のことに触れられておらず違和感がある。日本人ではない人から沖縄の資料館を見たら同じように感じるのだろうか?」「Pieterさんのコアメッセージは何だろう?」「今度出来る原発事故の資料館(アーカイブ施設)で私たちはどう伝えるべきか」と話し合いは展開していきました。たしかに、これは大切な問題だと思います。
日程も終盤に差し掛かり疲れもたまっていますが、移動中の地下鉄では、いつもプレゼンテーションやスピーチを練習する姿が見られます。最後の一瞬までクオリティを上げていく、学校の、福島の、日本の代表としての自覚が感じられます。
☆移動中も寸暇を惜しんでプレゼンの練習
SGH ニューヨーク研修⑥同世代とのディベート・ディスカッション
大雪から一転、快晴の木曜日です。
本来は自主研修で思い思いの所へ赴く予定でしたが、生徒たちは「昨日の休校で実施できなかったディベートやプレゼンテーションを是非行いたい」と強く希望し、急遽この日もUNIS(国連国際学校)を訪問しました。
1時間目は、ディベート。テーマは『Under CTRL:イノベーションを続けていくと持続可能な社会に到達するか』で、一昨日英語で実施したディベートを、日本語を学習している生徒たちと日本語でディベートしました。
生徒たちはUNISの生徒たちをリードしながら、冬から学んできた知識を生かして、活発な議論を行いました。躊躇せずに発言し合い、フォローし合う「チーム」としての姿が見られました。
☆ディベートをリードして意見を述べる生徒
続いて2時間目は、一昨日にディベートを行った12年生(高3)を対象に、プレゼンテーションとスピーチを行いました。中には、シャドウイングでペアになっている生徒も居り、距離が近く親密な雰囲気の中での議論となりました。
なお、プレゼンテーションとスピーチは、渡航している全員に必ず数回の出番が回ってきます。お互いに高め合う気持ちを持って、原稿を見ない、ジェスチャーを交え語り掛ける、アドリブで話す等の姿が見られ、日に日にクオリティは上がってきました。
☆スポーツを通じた街づくりについてスピーチする生徒
☆再生可能エネルギーによる社会の創造についてスピーチする生徒
プレゼンテーション後には少人数のグループに分かれて意見交換を行いましたが、「福島の課題と世界の課題の重なり」について積極的に問いかけていくグループもありました。
UNISの生徒たちから「原子力災害の復興についてこのような取り組みをしているのであれば、その話を聞いてから(一昨日行った)ディベートを行いたかった」「プレゼンテーションにはデータも個人的エピソードも入っていて説得力がある、自分たちではこうは出来ない」等のフィードバックをいただきました。
雪の影響で変則的になってしまいましたが、これで2日間にわたるUNISでの生活は幕を閉じました。
☆意見交換で積極的に問いかける生徒
午後は、本来予定していた自主研修を短時間に圧縮して実施しました。自由の女神を見に行った班、メトロポリタン美術館でアートに刺激を受けた班、昨日の語り部の方の話を深めようと国立9.11Memorial(昨日の施設とは別の展示がある)を訪問した班などそれぞれでした。
☆つかの間の自主研修。彼方に自由の女神が見えます
☆自主研修で9.11 Memorial へ。昨日に続き対立と平和について考えます
夕方には、NPOグローバルキッズを訪問し、アフリカンアメリカンや、環境正義について考えている同世代約20人にプレゼンテーションとスピーチを行い、交流しました。こちらも前日の実施予定であったものを変更しての実施です。
ピザを食べながらのラフな会でしたが、プレゼンテーションとスピーチで引き込みました。
冒頭のクイズ「現在も避難指示が出ている地区の面積は何%?」では、3~4割の子が12%程度と答え、6~7割の子が「55%」と答えました。正解はほぼ手のあがらなかった「2%」です。これまでの認識と実際の福島の復興の間に大きなギャップがあることを知り、驚いていました。
そして、それぞれアドリブを効かせた3人の生徒のスピーチには、涙を流して聞き入る姿が見られ、「経験を共有してくれてありがとう」との言葉も聞かれました。終了後生徒たちはSNSのアカウント交換をするなど、盛り上がっていました。
☆災害後の住民の心のケアの取り組みを世界に適用することについてスピーチをする生徒
☆社会の課題をより深く考えてもらいたいと、演劇の台本創作をしていることをスピーチする生徒
☆終了後は名残惜しそうに連絡先の交換や記念撮影が続きました
SGH ニューヨーク研修④国連国際学校滞在
今日から国連国際学校(UNIS:United Nations International School)での生活が始まりました。国連職員の子弟をはじめとした約120か国から集まっている生徒たちとペアを組み、学校生活を送ります。
1時間目は、いきなり英語でのディベートに臨みました。テーマは『Under CTRL: Technology, Innovation and the Future of Work “Does innovation help in developing and creating a more sustainable future?”(イノベーションを続けていくと持続可能な社会に到達するか)』です。
生徒たちは、福島の原子力発電所の事故というテクノロジーをコントロールできなかった時のリスクを体験し、同時にロボットや再生可能エネルギーなどのテクノロジーによる復興を目指している福島に住む者として、何を主張するべきか、昨年末から輪読や地元のロボット開発拠点の視察を行うなど、準備を重ねてきました。
本校生とUNISの生徒たち混在で肯定側/否定側に別れて、「今のテクノロジーで本当に持続可能な社会が作れるのか?福島の問題を考えるとリニューアブルエナジーを発展させていくべき」「イノベーションの暴走を人間がコントロールできるのか」「AIの発展による雇用の減少にどう向き合うのか」等の意見が出て、ディベートは僅差で否定側の勝利となりました。生徒たちはUNISで日本語を学んでいる生徒たちから時々言語的なサポートをもらいながら、活発な議論を行いました。UNISの生徒たちの活発な英語の議論のスピードに必死で食らいつき、ヒアリングの力は確実に伸びてきています。
☆「イノベーションを続けていくと持続可能な社会に到達するか」英語でディベート
☆肯定側、否定側に別れて作戦会議
また、3時間目には9年生(中学3年生)の生徒たちとディスカッションを行いました。冒頭、プレゼンテーションとスピーチを行いましたが、昨日の国連日本政府代表部の方の助言を踏まえ、即興で相手の興味関心に合わせた話からスピーチに入り、原稿を見ずに堂々と英語で語りかける姿に大きな成長を感じました。
☆即興でTEDのように歩き回りながら自身の未来創造探究の取り組みについてスピーチ
☆即興で聴き手の関心を引き付ける工夫をしながら、自身の考える持続可能な街の実現についてスピーチ
ディスカッションは少人数のグループに分かれて行いました。UNISの9年生の子たちからは強い関心とともにプレゼン内容や未来創造探究での取り組みについての質問が相次ぎ、「メディアコミュニケーション探究班に興味を持った、UNISのSNSを扱っている部活に助言がほしい」「福島に行ってみたい」等のコメントも出て、議論が途切れることはありませんでした。
一方で、本校生たちは夜の振り返りミーティングで、今日は福島と世界共通の課題として「Realizing a sustainable town that will leave no one behind(誰も置き去りにしない持続可能な町とコミュニティを実現する)」という点についてディスカッションをすることを想定していたが、その点について自分から質問はしてみたが上手くいかず、議論が出来ず悔しかった、等の反省が出ていました。伝えるだけで終わるのではなく、お互いが共鳴し合って新たな知を生み出そうと、上を目指す姿勢で貪欲に取り組んでいます。
☆少人数のグループに分かれて意見交換
☆今回の会場は「シアター」と呼ばれる教室。本校演劇部員はその設備の充実ぶりに感動
その他の時間は、それぞれがパートナーの子と授業に出席しました。インターナショナルバカロレアの核となる科目である「TOK(Theory of knowledge)」は、自動運転車の設計を行う際に乗員と歩行者の安全のどちらを優先すべきか、判断の原則は何か、それぞれが思考する授業でした。また、アートの授業でも日本とは異なる取り組みが行われていました。
☆TOKの授業で各自が自動運転車の安全設計をデザインしていく
☆積極的な議論が途切れない授業に参加
生徒たちは夜の振り返りミーティングで、「英語のディスカッションの授業でインプットの資料が40ページ位あり、しっかり読み込んだ上で自分の意見を言っている」「自分の番が回ってくるまでずっと(先生が話をしていた時でさえも)手をあげるなど、議論が活発」「他者の発言に対してのリアクションが大きい」「グループ分けの際も人付き合いの苦手さがまったく見えずスピーディー」等の感想を共有した上で、「UNISの授業形態は先生も生徒と一緒に学ぶ、アクティブラーニングであった(意見を言う事をためらっていない、先生と生徒の距離が近い、発言することに意義がある)。こういうことは私達SGHのふたば未来学園でも参考にすべきではないだろうか」と考察していました。
UNIS下校後は、国連本部を見学しました。安全保障理事会会議場や総会議場等を見て回りながら、国連の役割や取り組みについてお話をうかがいました。
特に、世界の軍事費の大きさを表現した展示を見て、世界の軍事費($1747BILLION)の2割のお金で全世界の子供達に平等に教育が行きわたるという説明に言葉を失っていました。同時に、長崎の原爆で被爆した聖アグネス像の実物を間近で見て、唯一の被爆国日本が発信する平和に対するメッセージのインパクトを感じていました。
また、世界人権宣言についての説明において、難民キャンプの平均居住期間は17年にも及び、世界では国籍を持たない人が1000万人居り、基本的人権を奪われていることを聞きました。当然であると思っていた人権でさえもこのような問題があると知り、驚いたとのコメントが生徒から聞かれました。
案内頂いた国連のスタッフの方からは、金曜日の国連関係者意見交換に向け「若者の意見を国連は重視しており、高校生として思うことを率直に伝えるよう」助言をいただきました。
☆説明内容を詳細にメモを取りながら思考を深める
☆いつの日かこの場に戻ってくることを考え始めた生徒も
SGH ニューヨーク研修③国連日本政府代表部、コロンビア大意見交換
午前中はいよいよ国連日本政府代表部への訪問です。
ホテルから初めて、地下鉄を乗り継いでの移動です。研修中の移動は全て研修プログラム担当の生徒が引率します。初めての乗り継ぎは四苦八苦しましたが、弱音を吐かずにみんなを引っ張っていこうとする姿は立派でした。
☆研修中の移動は担当が経路を決め引率します
日本政府代表部では、多忙な中、別所浩郎 特命全権大使・国際連合日本政府常駐代表へ表敬訪問しました。大使からは、生徒たちが金曜日に予定している各国の国連関係者との意見交換に向け、国連の空気を吸って学んでほしいとお言葉をいただきました。また、今日大使が出席を予定されている様々な会議の予定を教えてくださり、その範囲の広さと多忙さに生徒たちはうなっていました。
生徒たちからは、先輩の3年生が地元の和菓子屋「菓匠庵」と協働して商品開発した「のの字」を御礼にお渡ししました。「のの字」は、楢葉町の園児と一緒に収穫した町の特産物のゆずを使ったお菓子です。
☆激務の中、別所浩郎特命全権大使がお時間を下さり、表敬訪問しました
撮影:国連日本政府代表部
その後、国連日本政府代表部の岸守参事官に金曜日の国連関係者意見交換のプレゼンテーションのリハーサルをご覧いただき、貴重なアドバイスを多数いただきました。
また、国際連合で日本がプレゼンスを発揮していくために心掛けられている考え方や、具体的な取り組みについて、分かりやすく、深く考えさせられる講義をいただきました。
特に、国連加盟193か国の間のコミュニケーションでは、日本固有の「沈黙は金」という姿勢は通用しない、という話に生徒たちは深く考えさせられたようです。それは、黙って良い仕事をしていればいつか報われて当然だという「傲慢」であり、良い仕事をしていれば伝える努力は何もしないという「怠慢」だ、世界の中で日本・自分自身固有の特技を持ちエッジを効かせなければいけないとのお話でした。
また、「平和」とは紛争解決のみならず開発や人権確保なども含めた平和な状態を持続させることであるという考え方や、シリアやロヒンギャなどの大きな問題が多数ある中で、国連で「福島」を発信することの意義と難しさなど、大きなヒントをたくさんいただきました。
☆岸守参事官から貴重な講義をいただきました
さらには、「国連」という立派な人が何かを決めているわけではなく、良く見てみるとA国やB国が決めていることもあり、日本の立場で自分たちが決めていることもある、私たちが「国連」の一部であり、あなたたちも「国連」の一部であるかもしれない、というメッセージに奮い立たされました。岸守参事官からは、自分たちの思う社会を実現するために、国連という場を生かしていくことが重要だと教えていただきました。帰路では、歩きながらお互いに「私が国連です」と言い合う姿が見られました。
今回の海外研修でも国連日本政府代表部に多大なるお力添えをいただき、貴重な機会に一同深く感謝をしていました。
午後には、アイビーリーグの1校であり、ノーベル賞学者を100名以上輩出している名門コロンビア大学を訪問しました。今回は、日本から国際公共政策大学院に留学されている方のお力添えにより、25名の各国の大学院生の方々に、プレゼンテーションとスピーチを行い、意見交換を行う機会を頂きました。
プレゼンテーションとスピーチでは、発信したかったことはお伝え出来、終了後に「素晴らしい取り組みだ」「福島の状況が良く分かった」「NYから福島を支援するためにはどうしたらよいか」といったお言葉をかけていただきました。
☆避難からの帰還時の分断や、風評についてスピーチする生徒
☆風評と様々なメディアの在り方についてスピーチする生徒
☆震災後に絆という言葉が多用された反面、地域に生まれた様々な対立と、その解決についてスピーチする生徒
☆コロンビア大学をキャンパスツアーしながら留学について助言をいただきました
しかし、意見交換の時間は、生徒たちは英語での応答への躊躇もあって譲り合う姿が見られ、受け身の姿勢で大きな反省の残る時間となってしまいました。そもそも今回は、生徒たちは事前にこの場でのテーマについて議論し「風評被害について海外の視点からご意見をうかがい、世界においても深刻な差別の問題について、自身の体験を踏まえて、話し合いたい」というリクエストを出していました。しかしながら、関連する質問にも十分に答えられず、考えていることの極めて一部しか返すことが出来ず、議論は発展しませんでした。
挫折感から始まった夜の振り返りミーティングでは、国連日本政府代表部の岸守参事官から助言いただいた「傲慢」「怠慢」という姿勢は、午後の自分たちにこそ当てはまる、国際社会で黙っていることは、何もこの人から学ぶことはないと思われてしまうし、関心を持って話を聞いてくださった方に申し訳ない、との反省が多数出ていました。プレゼンテーションで伝えることに精いっぱいとなってしまい、その場の目的まで考えて臨めていなかったことが原因だと自分たちで 分析していました。
この日の学びと反省を踏まえ、明日からの国連国際学校(United Nations International School)や、国連関係者との意見交換に臨んでいく姿勢を確認し、就寝となりました。
大きな挫折を経験して、渡米している12名がひとつのチームになるきっかけをいただいた、大きな一日となりました。