ふたば未来学園の日々

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【海外研修】ドイツ研修(最終日)

現地の研修は最終日です。

午前中は、ダッハウ強制収容所での研修です。

Arbeit macht frei(=働けば、自由になれる)が刻まれた門から敷地に入ります。敷地内を歩くにつれて、これがどれだけ残酷な言葉だったのかがわかります。自由などありません、ここにあったのは搾取だけです。

ここはナチス・ドイツの強制収容所でした。ナチスの強制収容所の中では最も古いものの一つで、後の強制収容所のモデルとなったものです。

戦時中、ドイツ国内から20万人以上がここに送られました。その内の6万人以上がユダヤ人、この収容所の劣悪な環境や、残忍な行為により、3万人以上が亡くなったと言われています。

このようなことが二度とあってはならないということは明確です。しかしながら、似たような構造に思える物事は、世界中至るところで今もなお起こっています。普段の生活のなかで我々が思考停止に陥り、想像力を働かせることができなければ、戦争の始まりにさえ気付けないのだと学びました。

午後はEMGのパートナーたちと待ち合わせをし、最後のショッピングを楽しみました。現地の生徒に案内されながら、昼食をとったり家族へのお土産を買ったりして楽しんでいたようでした。

学校に戻ると今回の交流最後のあいさつです。はじめはお互いに緊張していたものの、ホームステイを通して、一生の友人になり、別れを惜しみました。

EMGの皆さんは、全力で我々を迎え入れ、本研修生はその優しさを全身で感じて帰ってきました。

ニュージーランド、ドイツ、ニューヨーク…海外で我々を受け入れてくれる学校は、交流を心待ちにしてくれていました。そしていつでも優しく私達を受け入れてくれます。

私達が受け入れる番になれば精一杯のもてなしをするのはもちろんのこと、受けた恩を次の誰かに送る、Paying Forwardもしていかなければなりません。それが地域と世界で生きるということ、そして研修参加生に限らず、この地に生きる我々のミッションなのだと思います。

研修参加生が帰国後たくさんの仲間と協働し、様々な文化の橋渡しをし、地域•世界で活躍してくれることを大いに期待します。

全員無事に帰国しました。関係各位のお力添えに感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 

【海外研修】ドイツ研修(7日目)

それぞれのホームステイ先からパートナーと一緒に登校し、今日の活動がスタートです。

午前はEMG校の生徒のガイドでマリエン広場のフィールドワークをしました。現地の生徒が自分たちでルートを考え、案内をしてくれました。

過去に探究活動等で双葉郡ツアーを行った生徒たちの苦労を知っているので、同じくらいの年齢の生徒が丁寧に案内してくれたことに驚きを隠せませんでした。

午後は一旦ステイ先に帰宅し、交流会の準備をしました。

夕方に公民館のような建物に集合し、互いの料理を振る舞いました。

普段の生活で食事を準備してもらえるありがたさも噛みしめていたようです。

現地研修は明日が最後です。ダッハウ強制収容所での研修の後、班別自主研修です。

 

【海外研修】ドイツ研修(6日目)

午前中は翌日の交流のための食材を買い出しました。

交流に参加してくれる現地の生徒はその日に大事なテストがあるということでした。EMG校は定期テストがありませんが、落第も多くあります。不定期に行われる大事なテストと授業内での取り組みで評価をされています。

午前中は保護者会長の方がドイツミュージアムを案内してくださいました。あらゆる分野の学問をまたいだ展示に、参加生は午前中だけでは時間が足りない様子でした。

昼食は各自でとりましたが、もう注文に困る様子はありませんでした。(分量の多さにはなかなか慣れません...)

午後にはニュンフェンブルグ城を訪れました。ミュンヘンにある、バイエルン選帝侯の夏の居所だったと言われています。

バロック建築の建物と、調度品の展示それぞれに日本語のオーディオガイドがついていました。

こちらに来てから、英語での補足がついていることに安堵することが多くなりました。知っているドイツ語も増えています。

おそらく今日1日に歩いた距離も10kmを超え、日に日にたくましくなっていることを感じます。

明日は教育や歴史についてお話をしたあとに、EMGの生徒がマリエン広場の案内をしてくれるとのことです。午後は文化交流の準備をし、夕方には食文化などの披露をします。

【海外研修】ドイツ研修(5日目)

5日目はErnst-Mach-Gymnasium校(以下EMG)との交流のスタートです。

コロナ禍では現地渡航がかなわず、先輩たちの代ではバーチャルホームステイなどを行って交流を続けてきました。これまでの先輩方がつなぎ続けてくれた縁に感謝して交流に臨みます。

渡航生は研修参加が決まってから、Zoomを活用して事前交流をしてきました。今日、初めて対面するパートナーの生徒を前に、感動でドキドキが止まらない様子の渡航生たち。引率団としても3年ぶりの対面での再会です。

すぐに打ち解け、本校生のプレゼンテーションと演劇を見ていただきました。

その後、EMG側もプレゼンテーションをしてくださいました。あらゆるアプリを活用して現地の文化をわかりやすく伝えてくれまました。(Canvaはプレゼンテーションにも事前のオンラインでの自己紹介にも便利でした。本校の留学生も使いこなしています。探究活動等でも大いに活用できるかと思います。)

昼食後はミュンヘンの中心部、マリエン広場に電車で向かいました。EMGの生徒とグループを作り、「脱出ゲーム」に参加しました。これは、街中で与えられたミッションを達成しながらゴールに向かうゲームで、取り組んでいる間にミュンヘンの地理に詳しくなり、自然と会話が弾む面白いゲームでした。

脱出ゲームの後は、学校に戻り、パートナー家族に対面しました。各家庭にこれから数日間滞在させていただきます。

各家庭では家族の一員として迎え入れてくださり、一緒に料理をしたり、兄弟とゲームをして過ごしたりとリラックスして過ごせているようです。

【海外研修】ドイツ研修(4日目)

フライブルクで再びフィールドワークです。本日は、渡航生の中から候補地に挙がったボーバン地区内で、我々人間と環境の共存の仕方を学びました。

ボーバン地区の住宅はすべて集合住宅です。集合住宅の方がエネルギー効率がよいと考えてのことです。建築は市に申請して土地を購入し、共同で建設するそうです。

この地区は私有車の乗り入れがし難い構造になっており、実質的に車の利用を制限されたような作りになっています。路面電車へのアクセスなども住宅建設の際には考慮され、街中に自然を感じさせる公園や、小さな牧場などが設置されています。

そのような中で子どもが遊びます。路上遊びの道路標識があったり、アパートとアパートの間に公園を設置し、アパートの居室の配置では、公園が見える位置にキッチンを置くそうです。そうすることで遊んでいる子たちが死角に入らず、住民皆から子どもの姿が見えるのです。アパートの住民が静かに過ごしたい部屋は、公園の反対側に置き、遊んでよい時間や静かに過ごすべき時間などの約束事を決めるそうです。そのため、住民からのクレームなどもなく過ごしているのだそうです。

街づくりの中に、積極的に議論に参加して自分の意見を表明し、合意形成を図る市民性が見て取れました。同時に、環境と人間が「共存」しようとしたときに、自然とお年寄りや小さな子どもへの配慮がなされていく様に感銘を受けました。

午後は陸路バスで5時間ほど、ミュンヘンに向かいました。翌日からはいよいよErnst Mach校との交流です。