ふたば未来学園の日々

ふたば未来学園の日々

【海外研修】ニューヨーク研修(2日目)

ニューヨーク2日目、朝から生憎の雨と雪でしたが、今日は黒人文化の原風景が残るハーレムでの研修です。

今回のハーレム研修を調整してくださった、国連ユース代表でNGOを経営されているJadayahさんと合流し、まずはThe Apollo Theaterの見学です。

見学のガイドを務めてくださったのはMr. ApolloことBilly Mitchellさん。(https://www.travelandleisure.com/culture-design/music/on-the-job-billy-mitchell-mr-apollo)

Theater内の一列目を開けて座るように言われ、座って待っていると、Mr. Apolloによるお話が始まりました。

 

The Apollo Theaterは109年の歴史があり、今年中には改修工事のためにいったん閉鎖されること。Mr. Apolloは幼いころはとても貧しかったこと。The Apollo Theaterの前で途方に暮れていたところ「お金が欲しいか」と声をかけられ、飲み物を運んだり靴を磨いたり仕事をするようになったこと。学校でいじめられており、勉強もできなかったところをJames Brownらに助けられたこと。The Apollo Theaterがどういう施設なのか。Harlemはどういう街なのか…

全てを英語で聞き取ることはとても難しかったですが、生徒たちも単語を捉えながら、真剣に話を聞いていました。

質問タイムで、一人の女性が「なぜ、一列目を空けて座るのですか?」と質問。Mr. Apollo曰く、そこにはかつてThe Apollo Theaterのステージに立ち、のちに活躍した故人たちの魂が座っているようです。このステージには、若き日のJames BrownやStevie Wonder、Michael Jackson (The Jackson 5)など名立たるパフォーマーたちが立ち、パフォーマンスをしてきた長い歴史があります。

質問タイムが終わると、空気が一変。「では今回の見学者の中から、何組かステージでパフォーマンスをしてもらいましょう。歌でもダンスでも、なんでもOK。そこの日本人学生グループもよろしく…」

 

後日参加予定のUNISのプログラムで披露するために準備してきたダンスを生徒全員で披露してきました!Stevie WonderやMichael Jacksonがかつて立ったステージです。これ以上ない貴重な体験となりました。

Mr. Apolloは現在も若手パフォーマーにAmateur Nightというステージで活躍の機会を与えたり、出版した本の売り上げのほとんどを寄付したりしています。NY研修チームが準備したプレゼンのテーマの一つである「恩送り」と通じるところがありました。

The Apollo Theaterの後はモスクの外観を一目見てから、マーケットの散策をしました。セネガル出身の方が開いたお店に案内していただき、Africa in Harlemという取り組み・考え方や、黒人やアフリカに住む人々に対する偏見について思っていることをお話しいただきました。

 

午後は黒人文化の歴史のアーカイブが残るSchomburg Centerの見学と、ハーレムの学生たちとの交流を行いました。アイスブレイクのゲームと、生徒が準備したプレゼンテーションを聞いてもらい、フィードバックをいただきました。

プレゼン実施前に学生たちに聞いて回ったところ、「12年前に日本で起きた大きな地震」のことを知っている人が何人かいただけで、「福島」のことはほとんどの学生が知らないようでした。しかし、ハーレムの学生の皆さんは約20分のプレゼンを最初から最後まで、本当に真剣に聞いてくれました。聴衆を意識した発表練習が実を結んだ瞬間でした。そしてなにより、福島が直面している問題とNY・アメリカが抱える問題、黒人差別の歴史を重ねて、共感しながら聞いてくれたのだと思います。発表後もコメントや質問が止む気配はまったくありませんでした。

プログラム終了後は、まるで有名人かのように写真・漢字でのサイン・SNSの連絡先の交換をせがまれて、もみくちゃになっていました。帰りのバスの時間には明らかに間に合いそうになかったため、バスには帰ってもらい、地下鉄で帰ることにしたほどです。ハーレムの学生の一人は、「日本が好きで以前訪れたが、次は福島に行ってみたい」と言ってくれて、発表前には躊躇っていた日本語を恥ずかしそうにしながらも話してくれました。生徒たちはかすかな達成感を得ながらも、海外の学生の学びに対する積極性、誰かと繋がろうとする積極性に圧倒されていました。

そして地下鉄の移動まで付き添っていただいたJadayahさん、今日は一日本当にありがとうございました。

ホテルに戻ってひと段落した後、今日のプレゼン発表とThe Apollo Theaterでのパフォーマンスを動画で見て振り返りを実施しました。明日は9.11関連中心の研修になります。

【海外研修】ニューヨーク研修(1日目)

3/10(金)より、高校2年次生徒8名による「ニューヨーク研修」が始まりました。

ニューヨーク研修は、3期生の渡航を最後にコロナウイルス感染症の影響で現地での研修が出来なくなっていました。それでも先輩たちは代替研修を実施することで、この学びの機会をつないできました。今回の研修はそんな先輩たちの思いも背負いながらの研修です。生徒たちには、現地だからこそ得られる学びを限界まで吸収してくることが期待されます。

午前4時、生徒・教員を乗せたバスが広野駅を出発。午前4時30分、いわき駅前で全メンバーが揃い、校長先生を始めとする先生方に見送られながら成田空港へと向かいました。

研修初日ですが、今日が一番長い1日になります。

3/10(金)10:05分発の飛行機に乗り、12時間かけてニューヨークへ向かいましたが、到着するとニューヨークは3/10(金)の午前9:00。日本とニューヨークは14時間の時差があります。


ホテル到着後、昼食を終えてひと段落した後は、NY市役所のChisato Shimadaさん、同僚のChristopher Haightさん、Naiyiri Bookerさんをホテルの一室に招き、用意したプレゼンテーションを見ていただき、対話の時間を設けました。

ChristopherさんとNaiyiriさんはNY市役所公園局の水に関わる(川、池、海、湿地等)研究者の方々です。プレゼンテーション内で言及している福島の原発処理水の問題を中心に、生徒の探究活動のヒントになるようなアドバイスをたくさんいただくことができました。

懇談を終え、ホテル近くのHard Rock Cafeで夕食。この頃にはすでに日本は3/11、震災から12年の節目を迎えていました。しかし、この日は我々ニューヨーク研修一同にとってはもう一つの特別な日。渡航メンバーの一人の誕生日です。

スタッフさんに英語で誕生日であることを伝え、店内BGMのDJを特別に体験させてもらったようです。現地での海外研修の機会を全力で「体験」する生徒。多すぎる夕食もまた一つの現地体験です。 

ホテルに戻り、午前0:00。バスが広野駅を出発してから約30時間が経過していますが、このとき日本は3/11(土)14:00。本校では震災追悼式が執り行われており、生徒たちはニューヨークからzoomをつないで式へ参加しました。

日本時間14:46に合わせて、黙祷。

今回の渡航団は、震災当時4~5歳だった生徒たちです。自分たちはこの世代を生きる一人として、福島のために、世界のために、何を考え、どのように行動することができるのか。この研修を通して自分たちの思いを伝え、対話を通してさらに考えを深めていきます。

 

令和4年度 福島県立ふたば未来学園高等学校 地域との協働による高等学校教育改革推進事業【グローカル型】 米国・ニューヨーク研修

1.目的
2015 年9月の国連サミットで、貧しい国も、豊かな国も、中所得の国も、すべての国々が豊かさ を追求しながら地球を守り、持続可能な社会を実現していくことを目指して、世界各国は、「持続可 能な開発のための 2030 アジェンダ」を採択した。
本校の未来創造探究において取り組んでいる原子力災害からの復興や持続可能な地域づくりにつ いての探究内容は、福島のみの課題ではなく、全世界が共有する「持続可能な社会づくり」の課題 として考えられる。
グローカル型事業における2年次海外研修では、 米国・ニューヨークを訪問し、国際機関や世界の同世代と交流を行い、世界に福島を発信するとと もに、世界とともに持続可能な社会づくりを考え、未来を創造していく一歩とする。

2.派遣期間
令和5年3月10日(金)~3月18日(土) 9日間

3.参加人員
生 徒 8名
引率教員 2名

4.研修内容
(1)国際機関関係者との意見交換
国連日本政府代表部による「国連と日本・福島」に関する講義を聞き、福島の私たちが持続 可能な世界の実現に向けて何を為すべきなのかを考える。また、各国の国連関係者に福島復興 に向けた自身の実践について発表を行い、持続可能な世界の実現について意見交換を行う。
(2)UNIS-UN での各国同世代との交流
国連職員の子弟等が通学する UNIS(国連国際学校)が主催し、各国の高校生が参加する生徒
国際会議 UNIS-UN(会場:国連総会会議場)に参加し、各国の同世代とグローバルな課題につ
いて議論を行い、交流する。
(3)現地 NPO と連携した同世代生徒意見交換
現地の NPO と連携し、NY の多様性を包含するコミュニティ形成について学ぶとともに、市内 在住の同世代に福島復興に向けた自身の実践について発表し、グローバルな課題について意見 交換を行い、交流する。
(4)現地行政職員や各国からの留学生との意見交換
NY 市の職員や世界各国から留学している大学院生等に福島復興に向けた自身の実践につい
て発表し、福島と世界の課題解決について意見交換を行う。
(5)シティズンシップに関するフィールドワーク
Schomburg Center for Research in Black Culture や Tenement Museum(移民博物館)で、 NY におけるアフリカン・アメリカンや移民の歴史と、その記憶の伝承等について学ぶ。また、 911 博物館の視察と意見交換を行う。
(6)生徒たちの計画による自由研修
多様性と能動的市民性が息づくニューヨークの文化を体感する。また、異国の地で行き先や移動手段も自分たち自身で計画し行動する経験を積む。

【中学校3学年】ニュージーランド研修からの帰着(3/10)

3月10日(金):研修7日目

 7日間の研修を終えて、生徒たちはニュージーランドから無事に帰ってきました。

 生徒は疲れた表情を見せることもなく、元気な姿を見せてくれました。

 研修旅行の実行委員長からは、今回の研修を無事に終えることができた達成感や充実感、支えてくれたすべての方への感謝のあいさつがありました。

 あいさつの中では「異なる価値観・考えにふれることで、普通ってなんだろうと考えさせられた」という言葉がありました。

 自分たちの考えてきた普通が普通ではない。このグローバル社会の中で、自身の常識を疑い、コミュニケーションを通して共感の輪を広げていく大切さを考えるきっかけとなったようです。

 ニュージーランドからは戻ってきましたが、まだまだ研修は続きます。

 今回の研修で感じたこと・体験したこと・得ることのできた知識をこれからの生活にいかしていくためにも、事後研修にも全力で取り組んでいきます。

 

 今回の海外研修にあたり、多くの方々にご支援・ご協力をいただきました。本当にありがとうございました。

 ニュージーランドでは、多くのご家庭にファームステイを受け入れていただき、生活を体験させていただきました。ホストファミリーとの別れを惜しみ、涙を流す生徒の姿から、どれだけ愛情をもって受け入れていただいていたのか感じさせられました。

 Blockhouse bay intermedite校(BHBI)では、生徒の学びの充実のために、2日間の特別なクラス編成をしていただきました。そのおかげで生徒たちは、同世代の生徒とともに、最高に充実した2日間を過ごすことができました。BHBIの仲間として迎え入れていただき、かけがえのない友情を育むことができました。

 

 生徒たちとともに、今回の恩返しができるよう、ふたば未来学園全体で今後の活動に全力取り組んでいきたいと思います。本当に貴重な、素敵な体験をありがとうございました。

 

 今回の研修の様子を、後日学校ホームページ等でご紹介させていただきます。

【中学校3学年】ニュージーランド研修の様子(3/9)

3月9日(木):研修6日目

昨日に引き続き Blockhouse bay intermedite校(BHBI)との交流2日目です。

朝のフィットネスタイムを終えた生徒たちは、昨日に引き続き特別プログラムのクラスへ移動。

本日も、楽しく授業に参加します。

スペシャルクラス(実技・技能教科)では、専門の先生から指導を受けています!

授業の合間には、BHBIの生徒と一緒に楽しむ姿が!

どこをみても、全員が笑顔です!

我々もうれしい気持ちでいっぱいになります。

生徒たちは、国境や言語を越えて確かな友情を築き、充実した2日間となりました。

帰り際には、生徒たちはバディやホームルームの先生との別れを惜しみ、涙ながらにハグしていました。

最後は、お世話になった先生との集合写真。

生徒たちのためにスペシャルクラスを編成し、多くの学びのチャンスを作り出していただきました。

本当に多くの先生方にお世話になりました。

ありがとうございました。

生徒たちの笑顔を見るたびに、BHBIの先生方のご配慮に感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。

 

生徒たちはBHBIでの楽しく、充実した2日間に別れを。

最高の2日間を過ごすことができました!

 

生徒は明日のフライトに向けて英気を養います。

 

いよいよ明日は、帰国。充実した7日間に別れを告げる1日となります。

今夜はニュージーランドでの最後の夜です。

大きな学びをくれた7日間に感謝の気持ちを持って、大切に時間を過ごしています。

明日、学校に戻るまでがニュージーランド研修です。

最後まで研修を楽しんでいきます。

【中学校3年】ニュージーランド研修の様子(3/8)

3月8日(水):研修5日目

本日からの2日間は、Blockhouse bay intermedite校(BHBI)との交流です。

 

 

BHBIの生徒・先生方に温かく迎え入れていただきました。

オープニングセレモニー後に、生徒たちは2~4人一組でそれぞれ準備された教室へ。

全生徒がBHBIでの学びを満喫できるよう、スペシャルクラス(実技・技能教科)・通常授業を組み合わせた特別プログラムを組んでいただきました。

編成していただいたクラスは、なんと15クラス!

引率の教員がすべてのクラスを訪れることができないほどのクラス数です。

少人数でクラスに入ることで、会話・発言やコミュニケーションのチャンスがあふれています!

BHBIの先生方には、感謝の気持ちでいっぱいです。

ほんとうにありがとうございます。

生徒たちもこの気持ちに応えようと、全力で授業に取り組んでいます。

 

ふたば未来学園の学校紹介をしている様子です。

緊張しながらも、笑顔で伝えていきます!

アイスブレイクでは、習字を披露する生徒の姿も!

日本文化を発信しています。

 

未来創造学の学びを発表。

双葉郡の魅力を世界に発信!今までの学びの集大成です!!!

 

グループでの話し合い。

はたして話し合いが成立するのかと不安を感じていたのは教員だけのようでした。

生徒たちは、自信を持って対話をしていきます。

Nice Smile !

 

 

BHBIの授業にも参加。

美術や家庭科、体育などのスペシャルクラスや屋外での授業にも参加しています。

 

 

授業に参加する様子は、すっかりBHBIの生徒の一員のようです。

まだ一日を共にしただけですが、まるで親友のような笑顔も見られます。

素晴らしいコミュニケーション力!学びを楽しむ姿があちこちに!

 

楽しい一日はあっという間に過ぎてしまいました。

生徒は学校からバスでホテルへ戻り、コマーシャルベイ付近での夕食の時間を楽しみました。

研修も残すところあと2日となりました。

この研修を最高の形で終えるためにも、最終日まで気を抜くことなく取り組んでいきます。