ふたば未来学園の日々

カテゴリ:中高探究学習

6月20日(水)3年次未来創造探究・メディアコミュニケーション探究班メディア

 双葉郡内の8町村の広報誌は、SNS上で広野町や本校の良質な情報発信を行うことを目的としているチームにとって良いお手本です。そこで、長年にわたって広報誌をはじめとした郷土資料を広く網羅し、収集してきた富岡町文化交流センター「学びの森」を訪ねました。

 「学びの森」は蔵書約8万冊を誇る図書館を中心とした複合型文化施設で、平成16年10月に開館しました。図書館の他、500人収容の大ホール、歴史民俗資料館、茶室などを備えています。東日本大震災では、東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示が出るまで町災害対策本部が設置されました。しかし、その後の町全体の長期避難による劣化で配管から水漏れし、床や天井、壁などが破損してしまいました。

富岡町は昨年4月に町の一部が避難解除となり、さくらモールをはじめとした商業施設や日本原子力研究開発機構(JAEA)国際共同研究棟、ふたば医療センターなどを中心に徐々にではありますが町に活気を取り戻しているところです。そこで、震災前には浪江町、大熊町、双葉町にも配置されていた図書館の中では初の再開として、この4月に開館しました。

対応してくださったのは震災前から勤める富岡町教育委員会の三瓶さんと司書の星さん、東山さんの3人です。

復旧工事や再開に向けた困難の状況を伺ったり、広い館内を案内していただいたりしました。その中でも一番印象的だったのは、それぞれ言葉は違っても「日常」を求めているということでした。震災から7年以上が経ちましたが、メディアコミュニケーション探究班が行う発信も誰かの「日常」のための手助けになればと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月6日(水)未来創造探究について

 今日から関東地方は梅雨入りしました、例年より1~2日ほど早いそうです。そして“東北に春を告げる町”といわれる広野町も夕方から小雨が降る一日でした。また、昨日から考査一週間前となりました。今回の考査は新1年生にとっては高校生活最初の考査であり、3年生にとっては就職活動やAO入試で用いられる3年間の評定が一旦確定する大切な考査です。

 それに伴い、恒例の「放課後学習会」も5日(火)の放課後から始まりました。放課後学習では福島大学生を中心に総勢19名の大学生とカタリバスタッフで生徒の学習指導を2時間程度行います。本校生にとっては“恒例”行事ですが、他校に比べるととても“貴重”な取り組みです。機会を大切にして大事な考査に向けて努力してほしいです。

 

 さて、未来創造探究についてです。メディアコミュニケーション班コミュニケーション・チームはかねてから計画していた広野中学校でのワークショップを開催しました。以前に富岡町・心のケアセンターの渡邊正道さんから教えていただいたアイスブレイクを皮切りに中学生との心の距離を縮め、悩みなどを聞き取り、共に考えました。前述したカタリバさんの手法である大学生と高校生の“ナナメの関係”を中学生と高校生に活かしたわけです。これからの活動で今日のワークショップを分析し、新たなPDCAサイクルを作っていく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月30日(水)3年次未来創造探究

 早いもので今回が5月最後の探究の時間でした。ほんの一か月前には快晴の遠足であったり、ゴールデンウィークであったりしたのに次回行う際には夏の装いです。そして、5月は放課後の時間を利用した担任との面談だけではなく、探究担当者との面談(壁打ち)を行いました。3人の担当者それぞれと

①現在のプロジェクトの進行状況や目的、今後の見通し
②チームの人間関係
③自分自身の進路(未来)
について話し合いました。また、セルフエッセイ作成や進路探究(木3コマ)とも絡み合いながら生徒は探究活動だけではなく、自分自身のことも深められた一か月間だったのではなかったでしょうか。どの生徒との会話をとっても1年次より周囲に対して寛容であったり、自分自身のことを客観的に考え進路を選んでいたり、苦しい探求の展開でも話を弾ませて話ができたりできるようになったことに成長を感じました。

 

 まず、原子力防災探究班です。楢葉町・楢葉遠隔技術開発センターから中井俊郎副所長等をお招きし、施設の紹介、プロジェクトの壁打ちを行いました。最も興味深かったのは、防護服の着用体験です。生徒は初めての体験だったらしく、とても興奮していました。

 

 さて、メディアコミュニケーション探究班ですが、今週も3班3様な活動を行いました。まずは富岡町・さくらモールでインタビューを行った「真ん中チーム」を紹介したいと思います。心配された雨の影響もなく、予定通り5人でインタビューを行うことができました。当初予定していた富岡町役場でのインタビューは先方の都合で行うことができませんでしたが、来店されていたお客様に積極的に声をかけ、貴重な意見を持ち帰ってくることができました。全国からSNSで集めている双葉郡や震災事故についての意見とまとめ、これから分析していくそうです。

 次に、コミュニケーションチームです。来週に行う予定の中学校でのコミュニケーションワ-クショップについての計画と準備を行いました。成功することを期待しています。

 最後に、メディアチームです。更新の頻度や担当者などプロジェクト実施に向けて大枠は固まってきた印象です。しかし、最も大切な記事やその内容について、机上の空論を脱しない状況です。小中学校で学んだ社会科での地域調べや、町や村が行う名所旧跡案内にはない観点とこれまでの学習や独自の取材から得られた“知”を盛り込んだ内容を記事にしていって欲しいです。

未来創造探究生徒探究結果発表会まで、あと7回!

 

「カタリ場」プログラムが行われました

 5月23日(水)の5・6校時、1年次の「産業社会と人間」で、NPO法人カタリバによる出張授業「カタリ場」が行われました。本プログラムは、大学生ボランティア(先輩)とのナナメの関係での対話を通じて、生徒に高校生活や将来に向けて動機づけすることをねらいとして実施されました。

 生徒たちは、これまでの経験を語る先輩の話に真剣に耳を傾けるとともに、現在の自分と向き合い、深く内省しているようでした。授業の最後に、生徒それぞれが今日から取り組む行動目標について、先輩や友人と約束を結びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月23日(水)3年次探究活動

 5月も終盤を迎え、あと10日もすると衣替えです。しかしながら、この日は若干肌寒さを感じる一日でした。

 この日、3年次未来創造探究では、以下のような取り組みをそれぞれ行いました。

① 原子力防災探究班:4チームに分かれて探究を深めました。それぞれのチームが自走していて、

 主体的な活動だと感じまし  た。また、巨大な付箋紙を使用するなどツールの使い方も上手でした。

② メディアコミュニケーション探究班:3チームに分かれて活動をしています。

 (ア)メディアチーム7人はここにきて大きな転換期を迎えています。それというのもこれまで進めてきた「紙芝居プロジェクト」が頓挫してしまったからです。そこで、新たにチームが合併する形でSNSでの情報発信に向けて始動したところです。テーマや役割といった大綱から更新頻度など小さなことまで黒板や思考ツールを用いて話し合っていました。そういった思考ツールの活用も身について来て、頼もしく感じました。


(イ)真ん中チームは先日19日(土)に行った富岡町でのフィールドワークの振り返りを行いました。いつの間にか「富岡町文化交流センター 学びの森」や「茨城大学」と連携して意見交流を行っていて、素直に感嘆しました。引き続き来週30日は富岡町役場でのフィールドワークを実施する予定です。

(ウ)最後に、コミュニケーションチームです。6月6日(水)に予定する広野中学校での「つながりワークショップ」に向けた準備や他の双葉郡内の中学校へのアンケート作成を行いました。安定してプロジェクトが進められているチームです。
 

 今回は2班だけの紹介になってしまいましたが、いずれの探究班でも「知」につながる活動が展開されました。未来創造探究生徒研究成果発表会まであと9回です!

 

5月16日(水)3年次未来創造探究

 先週までのセルフエッセイ作成を引き続き行う探究班があったり、すでに次のプロジェクトに向けてフィールドワークを実施する探究班があったり、プロジェクトに向けた調べ学習をパソコン室で行う班があったりと夏の花畑のように百花斉放な様相を呈していました。

 さて、ふたば未来学園高校では探究班の担当教員同士で情報・ツールの共有を行う機会を設けています。例えば、今週のメディアコミュニケーション探究班では原子力防災探究班が先週行った「担当者との2者面談」を実施しました。主に、現在のプロジェクトの進捗状況とチーム内での人間関係について話しました。何か担当教員から答えを一方的に与えるのではなく、担当者を壁や自分自身の鏡に見立て、頭の中だけにある考えを言語化し外に出すことで、思考を構築していくことを手助けすることが目的です。9月19日の未来創造探究生徒研究成果発表会まであと10回ということでどの生徒も、どの探究班でもまとめに向けて加速度を増してきた印象でした。

最後に、この時間は福島県選出の国会議員 玄葉 光一郎代議士や遠藤 智広野町町長が参観に来てくださいました。こうした外部の大人からの意見がそれぞれのプロジェクトの深みを増していくきっかけになるので、生徒は緊張しながらも自分たちの目指している目標や理想とする将来について説明していました。

 

高崎経済大学附属高校の皆さんと交流会を行いました。

5月14日(月)高崎市立高崎経済大学附属高等学校の

オナークラスの皆さんが、ふたば未来学園に来訪されました。

スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校同士の

交流ということで、双方の学校紹介、活動紹介などを行い、

限られた時間でしたがグループごとのフリートークで

 震災当時の話をするなど内容の濃いひとときを

過ごすことが出来ました。

 オナークラスの皆さんは、1泊2日のプログラムで、

ほかには、富岡町内や、楢葉町遠隔技術開発センターなど

訪問されるそうです。

 お互いの交流を通して、群馬のこと、福島のことを

知り合うこと、繋がることが出来ました。

オナークラスの皆さん、ありがとうございました!

交流会の様子

 

5月9日(水)ほぼ一月ぶりの3年次未来創造探究

 年度初めの様々な行事やゴールデンウィークの影響で4月18日(水)以来となる未来創造探究を行いました。それではこの期間、探究活動は全く行われていなかったのでしょうか?

実は、この探究空白期間を上手に利用して、生徒たちはウェブ上で各担当の先生とやり取りしながらセルフエッセイ(注1)の深掘りを行っていました。そして、9日(水)はその発表会を行いました。しかし、単なる発表会ではなく、2年次に“未来創造学”で学んだ“輪読”の技法を活用したものでした。

具体的には3~4人のグループを作り、ワークシートと共に自身のセルフエッセイを回します。各自読んだら批判的な視点からの感想と、今後の探究へのアドバイスをワークシートに記載します。最後、戻ってきたワークシートに書かれた内容を読み込み、さらに改善し、セルフエッセイの完成となります。完成したセルフエッセイは今後の探究活動だけでなく、きっと論文や各自の進路にも生かされるはずです。

その後、これまでの探究活動の継続をしました。これから5週間、前期中間考査までは毎週水曜探究活動が絶え間なく行われます。良いアウトプットができることを期待しています。

ふたば未来学園のイメージって??

  「あなたって、悩みなんか無さそう」と、言われ、「実は繊細なのになぁ」と、思ったような経験はありませんか?本校の場合、学校単位でそういったイメージとのギャップがしばしば発生します、「有名人がたくさん来ていそう」とか。

 確かに、平田オリザ先生をはじめ著名なふたばの教育復興応援団の方に来ていただき、貴重な指導を頂ける機会もありますが、そういった特別でない、いわゆる普通の授業も展開しています。それは、普段からの当たり前な学びがあってはじめて特別な学びが活きてくるからです。

 例えば、4月11日(水)に行われた3年・未来創造探究では「セルフエッセイを作成しよう!」を行いました。このセルフエッセイは3年次探究の最後に控える論文制作の核になることは勿論、自分自身のアイデンティテイの確立にもつながる大切な活動です。

これまでの自分自身の震災体験など生い立ちや地域の分断や偏見に関わることをスタートに、本校でのこれまでの学び、そして9月の成果発表会までに実現していきたいことを第三者へ語る形で記載します。目安は1200字程度です。分量の多さや掘り下げていくことの難しさに生徒たちは大変だと言いながらも夢中になって取り組んでいました。そのため、授業後には「先生、明日までもうちょっと書き足してもいいですか?」とか、「昔のことを親にも聞いて来てみたいんですけど」と、言ってくる生徒も大勢いました。気になる内容ですが、小学校での避難先でのいじめの経験を記載する生徒もいました。今後は担当教員と壁打ちをしながら5月はじめまでの期間を使って完成を目指し、それぞれの探究班ごとに発表会を行う予定です。

【メディア・コミュニケーション探究班(2年次)】外部講師講話

 2月21日(水)5・6校時は、2年生が未来創造探究授業を行いました。
 今回のメディア・コミュニケーション班では、福島県広報課とふくしま心のケアセンターから総勢6名の方にお越しいただき、班ごとに自分たちの探究活動に対するインプットやアドバイスをいただきました。
 中学生との交流会を計画している班では、心のケアセンターの渡邊さんより「親しみやすいコミュニケーションのコツ」というテーマでワークショップを開催していただきました。
 生徒の中に大人も一緒に入り、「コミュニケーションとは何を伝えるかだけでなく、(相手からの発信に対して)何を思うかということも含む」ことや、対人コミュニケーションでは言葉の意味だけでやりとりが行われているわけではなく、声のトーンや表情、身振りなどからもたくさんの情報を受信しているということを実際のゲームや活動を通して体感することができました。
 生徒が自分たちで知りたいことを知るために心のケアセンターを探し、アポイントメントをとって心のケアセンターの方をお招きすることができたこともあり、積極的に活動に参加する様子が見られました。
 また、SNSを活用する班や学びの歩みを冊子にまとめながら双葉郡についての理解を広げる活動を行う班では、県の広報課の方より実際に行っている広報活動の紹介を通して、より多くの人に手に取ってもらいやすくするための工夫を教えていただきました。
 生徒からは「これまで自分なりに発信をしてきたのでSNSでどのように発信すればいいか戸惑う部分もあったが、自分の中で方向性が決まった」「活動の中で何度も方向転換をしてきたが、やっと考えがまとまった。今日学んだことを校外活動に活かしていきたい」というような声が聞かれ、今後の探究活動を加速させる足掛かりとなりました。
 次回は中間発表に向けた準備と予行練習を行う予定です。

☆心のケアセンターの渡邊さんとのワークショップの様子
 
 ☆伝え方の難しさを体感するワークの様子
 
☆広報課の方より広報リーフレットを参考に伝え方のコツを伺う様子
 

【メディア・コミュニケーション探究班(2年次)】講演のための事前学習

 2月7日(水)5・6校時は、2年生が未来創造探究授業を行いました。
 メディア・コミュニケーション班では、班ごとの探究活動を進めるとともに、次回(2月21日)の授業時にお呼びしている講師の方に質問したい内容を班ごとに洗い出しました。
 中学生との交流会を計画している班では、講師の方への質問事項を考えるにあたって、実際に、中学生役と高校生役に分かれてシミュレーションを行いました。「中学生から見たら高校生ってどんな風に見える?」「こういう席の位置だと、目的に合っていないのでは?」「こういう時、どう声をかけたらよいのか?」というような、生徒同士の活発なやり取りが見受けられ、自分たちの活動に活かすための質問事項を洗い出すことができていました。
 また、SNSを活用して双葉郡やふたば未来学園高校の情報発信を高校生の目線から行う班では、もっとより多くの人にみてもらうために、どんな工夫ができるかということを考え、日々の情報発信の仕方や広報の仕方を検討していました。自分たちで考えが及ばない点については、次回の授業で質問できるように準備をしました。
 ほかにも紙芝居や動画を用いた情報発信を検討している班やアンケートを活用する班などもあり、それぞれの班ごとに探究を進めています。
 次回は福島県広報課の方とふくしま心のケアセンターの方にお越しいただき、お話を伺います。

☆先生と一緒に発信の仕方を考える様子
 
☆生徒がそれぞれ持ってきた紙芝居を読みあう様子
 
☆中学生との交流会のシミュレーションをしている様子
 

【産業社会と人間(1年次)】庄司秀樹先生のご講演がありました

 1月17日(水)5・6校時に、「産業社会と人間」の授業で、キャリア教育の一環として、東洋システム株式会社代表取締役社長の庄司秀樹先生が授業を行いました。
 「夢の実現、働くこと、学ぶこと」という演題で、夢(目標)をもって生きることの大切さをお話ししていただきました。
 話の中で、庄司氏に降りかかった大きな試練とそれに対して決して逃げずに、逆にチャンスにすることで切り開いた道の話があり、チャレンジすることの大切さをあらためて実感することができました。
 また、今後の未来がどうなっていくのか、電気自動車の時代がどのようになってくるのかなど、2・3年次で行う探究活動にもつながるお話もありました。

【再生エネルギー探究】福島県水素利用シンポジウムへ参加

 2018年2月8日(木)浪江町地域スポーツセンターで開催された「福島県水素利用シンポジウム2018inなみえ」に未来創造探究・再生可能エネルギー探究班に所属している3年次生1名と2年次生3名の計4名の生徒が参加しました。
 パネル及びモビリティ展示が多数ありなしたが、福島工業高等専門学校と福島県立テクノアカデミー浜からは自作ソーラーカーの出展、相馬ガスとトヨタ自動車からは、燃料電池自動車の出展、原町高等学校、小高産業技術高等学校の発表とともに本校からは、3年次生の遠藤健次くんが未来創造探究の授業で行った「パッシブハウス」と「植物による発電」についての発表をしました。

 当日行われた基調講演及びパネルディスカッションの発表の概要は以下の通りです。

●基調講演「水素社会実現に向けた戦略と課題」
・化石燃料に依存している日本が、パリ協定を守るためには、CO2を排出しない水素
 の導入を進める必要がある。
・水素に関する特許は、日本が世界一多いため、新産業を創出できる。
・水素H2は水H2Oに含まれているため、世界中のどこにでも存在する。
・再生可能エネルギーの余剰電力で水を電解し、水素を生産できるため、水素は再エ
 ネと相性が良い。

●パネルディスカッション「水素エネルギーがもたらす未来」
・産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター(郡山市)には、水素吸蔵
 合金により水素を運搬する最先端の技術がある。
・浪江町には、世界最大級の水素エネルギーシステム(1万kW級)が、2020年に完成す
 る。1日の水素製造量で、約150世帯の家庭に電力を供給、または560台の燃料自動
 車に水素を充填できる。

 自分たちの探究を丁寧に来場者に説明する生徒の姿と、他高生の発表を積極的に見に行く生徒の姿があり、シンポジウム全体から生徒たちが大きな刺激を受けていることを感じました。
 生徒たちは、新しい中学高校の校舎に本校の名前に入っているトヨタの燃料自動車「MIRAI」と相馬ガスの「水素ステーション」があればいいなと言っていました。
 原発事故で大きな被害を受けた浜通りだからこそ、新しいエネルギーについて考え、実践していくことは大きな意義があることです。今後の生徒たちのさらなる探究に期待したいと思います。

<活動の様子>
☆自分の探究を来場者に説明する3年次、遠藤健次くん
 
☆小高産業技術高校の大掛かりな風力発電装置
 

パネルディスカッション「アップデイトふくしま」に参加してきました

 2月10日(土)、福島の現状に関して、全国・海外の人々の思い込み、さまざまな誤解が存在している状況をふまえ、今後の改善に向けた情報発信・普及に生かすため、それらをアップデイトするための事実、あるいは視点や手法などを明らかにし、共有することを目的に、パネルディスカッション「アップデイトふくしま」が、国連大学のウ・タント国際会議場を会場として、開催されました。
当日は、約300人の方々が来場し、早野龍五氏(東京大学名誉教授)、越智小枝氏(東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座 講師)、ウィリアム・マクマイケル氏(福島大学 経済経営学類 国際地域経済専攻 助教)、開沼博氏(立命館大学 衣笠総合研究機構 准教授)を中心にパネルディスカッションを行う一方、本校の南郷副校長、2年次の遠藤瞭君も登壇し、福島の今や現在の活動について報告しました。
 震災からもうすぐ7年が経過するところで、復興の継続、風評被害、コミュニティの分断など新たな課題が山積する中で改めてふくしまのアップデイトについて考えることができました。

☆パネルディスカッション「アップデイトふくしま」の様子
  
  
  

【原子力防災探究班(2年次)】天野先生がいらっしゃいました

 1月24日(水)5・6校時に、2年次生の未来創造探究授業を行いました。
原子力防災班では、福島大学うつくしまふくしま未来支援センターの天野和彦先生をお招きして授業を行いました。
 授業のはじめには、天野先生が取組まれている活動についてのお話を伺ったあと、原子力防災班の中の活動チームごとに、自分たちの探究活動を天野先生にプレゼンテーションし、フィードバックをもらいました。そして、それを踏まえて、探究班担当の先生やカタリバのスタッフと一緒に、今後の活動の進め方を改めて考えました。
 交流を通して防災意識を高めるイベントがしたいと考えている班の発表に対して、「交流とはそもそも何か?」「交流にはどんな意味があると思うか?」「交流は手段としてだけで有用なのではなく、交流自体にも意味があるのではないか。」というフィードバックをいただき、新しい視点を得ることができました。
 また、相双地区のツアーを企画している班に対しては、「被災地ツアーはほかの自治体や大学生などがたくさんやっている中で、この地区の高校生だからこそ、自分たちの経験を追体験してもらえるようなツアーに意味がある。本当に知ってほしいことを伝えられる手段としてこのツアーを企画できるのではないか」というアドバイスをいただきました。
 さらに、今回の授業では、論文制作を終えた3年次生が2年次生の授業に入り、各班の活動に対して問いを投げかけてくれました。授業に入った3年次生は天野先生や2年次生の探究班の生徒たちに、聞きたいことがたくさんでてきたようでした。
 2年次生からは「次の行動につながるフィードバックをもらえて探究活動を進めやすくなった。」「(アドバイスを受けて)いろいろ考えたけど消化しきれない。」というような発言があり、自分たちの活動の本質を問い直す契機となったようでした。
 次回は、いただいたアドバイスを踏まえて、中間発表に向けたまとめと振り返りを行います。

☆天野先生に自分たちの活動をプレゼンテーションする様子
 
☆3年次生に質問を投げかけられている生徒の様子
 

第2回ふくしま県民公開大学へ参加してきました

 1月20日(土)、福島県立医大主催の「第2回ふくしま県民公開大学」が、とうほう・みんなの文化センターで開催されました。本校2年次の鈴木凪砂さん、松本佳弥さんが、一般の方々576人、生徒・学生123人、計699人に関係者等を加えた800人弱の参加者を前に「再生可能エネルギー」「メディア・コミュニケーション」「健康と福祉」「原子力防災」「スポーツと健康」「アグリビジネス」の6つのテーマに分かれて学んでいる未来創造探究について発表をしてきました。
 発表では、本校生が福島・双葉郡の復興を後押しし、持続可能な地域を創造していくことを目指して、2年間にわたって地域で様々なプロジェクトを実践していることや、風評払拭やコミュニティー再生を目指したイベントの開催していることなど、活発な活動について説明しました。そうした自分たち自身の体験や学習内容も踏まえた発表は、多くの聴衆の心に響きました。
 その後、ふたばの教育復興応援団でもある小泉 進次郎 衆議院議員、山崎 直子 氏、佐々木 宏 氏、宮田 亮平 文化庁長官らパネリストの皆様と福島の魅力などについて他校の生徒や学生も交えて対話し、一般の参加者も含めた多くの方々と学びを共有しました。

☆ふくしま県民公開大学の様子
 
 
 

万葉ふれあいセンターで行われた出前講座で本校生が発表しました

 1月20日(土)、福島県相双農林事務所主催の小泉武夫先生による出前講座「親子で学ぼう!家庭でできる“ごはん学”」が、万葉ふれあいセンターで行われました。
 そこで、この講座の中で、本校の佐藤勇樹くんが「FMふたばプロジェクトの取組について」という題で発表を行いました。
 発表では、双葉郡でファーマーズマーケットを開催したいと考えたきっかけや、開催するまでの経緯、双葉郡の農業に対する思いなどについて発表しました。発表後には、参加者から、取組についての質問や、賞賛の声が寄せられました。
 生徒にとって貴重な経験をさせて頂く場を設けていただいた関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

 <出前講座の講師の先生のご紹介>
  小泉武夫先生は、福島県小野町出身の東京農業大学名誉教授であり、発酵学、
  醸造学、食文化論の第一人者の農学博士です。

☆佐藤くんの発表の様子         ☆小泉先生の講演の様子
  
☆演題の前にて
 

【原子力防災探究班(2年次)】振り返りと計画立てを行いました

 12月13日(水)5・6校時は、2年次生の未来創造探究授業を行いました。
 原子力防災班では、先日のプレ発表やこれまでの外部講師、教員団や同級生からもらったフィードバックを踏まえた反省点を振り返り、対策と今後の見通しを立てることをねらいとした授業を行いました。
 5校時目では、これまでの発表のフィードバックと自分たちで考えた観点を出し合い、フィードバッグの優先順位付けをし、対策を考えました。6校時目では、3月の中間発表会までの活動の見通しを立て、各グループで発表しました。
 生徒は、工夫しながら、フィードバックに優先順位をつけ、今後の対策を考えることができました。また、外部へのプレゼンテーションの機会をどのように活かすか考える様子も見られました。
 生徒からは「頭を使って疲れた。」「9月、10月にもらったフィードバックを思い出すと、忘れてしまっていることが多いことに気が付いた。」「実際に広野の『たんたんぺろぺろ祭り』で使われていたルートを、当時を知る方にお話を聞いて自分たちでたどって調べを進めたい。」というような声が聞かれ、さらに自分たちの探究に磨きをかける契機となったようでした。

☆反省点を分析し、カタリバスタッフからのアドバイスもとに、フィードバッグに優先順位をつけています
  
☆活動の見通しを発表します
  

【アグリビジネス探究班(2年次)】広野町と楢葉町の園児との交流

 平成29年12月13日(水)、2年次アグリビジネス探究班は、広野町と楢葉町に分かれて11月22日(水)に収穫した農産物を使ったお菓子をプレゼントするために訪問しました。
園児たちは、クリスマスカードに感謝の気持ちを記入して、お菓子と一緒に保護者へプレゼントする予定です。
 楢葉町立あおぞらこども園の園児には、楢葉町のゆずを使った【のの字】とゆず太郎のクリスマスカードをプレゼントしました。

作品(クリスマスカード)の一部


 広野町立広野幼稚園の園児には、広野町のみかんを使った【ブラウニーサンド】とひろぼーのクリスマスカードをプレゼントしました。

作品(クリスマスカード)の一部


 クリスマスカードの制作では、2年次商業科目「商品開発」の知的財産権の単元にて、「特許情報プラットホーム」にて検索し、使用するキャラクターや開発する商品について調査と確認を行いました。なお、それぞれのキャラクターについては、それぞれ使用申請を行い許可されています。

★広野町立広野幼稚園での交流の様子については、下記のサイトにてご確認いただけます。
FNNローカルTime 福島テレビ「高校生が特別授業で洋菓子を開発」(外部リンクです)

【1年次】JICAグローバルキャンプ2017~未来の変革者たち~に参加!

 12月6日(水)~12月8(金)の二泊三日の日程で、いわき海浜自然の家を会場に、JICAグローバルキャンプが開催されました。この企画は、JICA二本松訓練所とふたば未来学園とのコラボ企画で、今年で3年目を迎えます。

《趣旨》
 これまで1年次は「産業社会と人間」の授業を通して、双葉郡に山積する様々な課題を見つけてきました。しかし、このような「地域課題」は双葉郡に限ったことではなく、世界を見渡せば、難民・移民・途上国における技術支援、エネルギー問題等、様々な課題があります。
 本プログラムで生徒たちは、講師や青年海外協力隊員の方々の話を聞き、世界の「地域課題」について考え、グローバルな視点を養いました。

《開講講座》
 講座A『異文化理解』
 講座B『フィリピンの防災・災害対策について知る』
 講座C『メディアリテラシー ~世界の読み解き方~』
 講座D『エネルギー問題について』
 講座E『貿易ゲーム』
 講座F『途上国におけるビジネスを活用した地域振興事例』
 講座G『ヨルダンにおけるシリア難民キャンプの青年海外協力隊活動』
 講座H『地球のステージ』
 講座I『調査手法~青年海外協力隊の派遣前訓練の模擬体験~』

《参加した生徒の声》
 「どのニュースがどれだけの価値があるのか、我々にとってどれだけの価値があるのか。メディアリテラシーの講義を受けて、私はこれから本や新聞をもっと読んでみようと思った。物事を何でも真に受けないで、疑ってみることも大切だと思った。」(1年次女子生徒)
 「豊かさと貧しさの問題は心の中にあることを知った。不安を興味に変えることができるかどうか、変わりたいと思えるかどうか。地球のステージを観て、涙が出そうになるほど心にしみました。」(1年次男子生徒)

《教員の声》
 「この三日間で、生徒たちは大きく成長することができました。講座を重ねるごとに生徒は世界の課題を自分ごとに考えるようになり、講座の終わりには、生徒から講師へ質問が飛び交うようになりました。また、安達高校や高岡高校の生徒達とも交流を行い、グループワークを通じて多様な価値観を体験的に学ぶことができました。」



第4回ふるさと創造学サミットに参加しました

 12月9日(水)ビックパレットふくしま多目的展示ホールにて、第4回ふるさと創造学サミットが行われました。
ふるさと創造学とは、震災で子どもたちが得た経験を、生きる力に」との思いからはじまった、双葉郡8町村の学校が地域を題材に取り組む、探究的な学習活動の総称です。
子どもたちの実践的な学びが地域を勇気づけ、地域の人びととの出会いが子どもたちの学びを充実させる、教育と地域活性化の相乗効果を生み出そうと作られた「双葉郡教育復興ビジョン」を基に、平成26年度にスタートしました。
このサミットの主催は、福島県双葉郡教育復興ビジョン推進協議会であり、本校と双葉郡の中学校は、連携型中高一貫校ですが、その連携を深める大きな行事となっています。

本校から生徒会役員6名、未来創造探究発表者3名、社会起業部1名の計10名が参加しました。オープニングセレモニーの後のセッションで、本校の未来創造探究で取り組んでいる「原子力防災探究」と「メディア・コミュニケーション探究」の発表をしました。

 ランチタイムには「双葉郡生徒会連合」の企画としてアイスブレイクが行われ、中高生が交流しました。夏に行われた「中高生交流会」で交流した中学生と本校生が話している姿も見られ、これらの会を通して双葉郡の中高生の繋がりが深まっていることを感じました。
 また、会の最後には復興大臣の吉野正芳様もお越しになり、本校生と話をする場面もありました

<原子力防災探究の発表内容>
・ 震災によって大きく変化したことと新しく見えてきた課題
・ 風評被害払拭やコミュニティの場の創生のために取り組んだファーマーズマーケットの取組み
・ 地域と社会に対する提言
<メディア・コミュニケーション探究に発表内容>
 ・ 高校生による根拠ある情報を発信し、全世界に正しい福島県・双葉郡を知ってもらう実践
 ・発信者として気をつけるべきこと
 ・情報の受け手として気をつけるべきこと
 ・全国や世界との課題を照らし合わせた上での提言

<参加者のコメント>
・ 英語で発表していたのがすごいなと思いました。日本人、外国人のどちらにも分かるように工夫されていておどろきました。グラフがたくさん使われていて、どのくらい数値なのかがよく分かりました。(中学生)
・ ふたば未来は、双葉郡が世界のシンボルになるためにいろいろなことを考えているのが分かりました。アンケートなどもやっていてすごいと思いました。(中学生)
・ 非常に分析的に探究しているので、何度もうなずくところがありました。さらに実践を重ね、来年の研究成果も聞かせてほしいと思いました。(一般)

<発表の様子>
 
 
<アイスブレイクの様子>
 
<吉野正芳様と話す様子>
 

【アグリビジネス探究班(2年次)】広野町と楢葉町の農産物の収穫

 平成29年11月22日(水)、2年次アグリビジネス探究班は広野町と楢葉町に分かれて農産物の収穫を行いました。
広野班は、みかん農場(広野町高倉)にて、広野町立広野幼稚園の園児と一緒にミカンの収穫を行いました。また、公民館にて地元町民が行っている食品スクリーニング検査の体験も行い、食品の安全性の確認を行いました。
楢葉班は、ゆず農場(楢葉町:松本さん経営)にて、楢葉町立あおぞらこども園の園児と一緒にゆずの収穫を行いました。
今回収穫した果実は、3年次ビジネス基礎選択者や2年次商品開発選択者によって商品化され、第1次産業を取り巻く環境の重要性について再確認し、地域復興とPRに努めていきます。

<出発前>
☆福島県あったかふくしま観光交流大使のなすびさんから応援の言葉をいただきました
 
<広野班>
☆なすびさんと一緒に、みかん農場まで歩きました
  
☆みかん農場では、地元園児と一緒に収穫しました
   
   
 
☆収穫したみかんを、広野町公民館にてスクリーニング検査を体験しました。
 地元の農産物の安全性を確認しました
     
 

<楢葉班>
☆ゆず農家の松本様よりアドバイスを受けました
 
☆ゆず農場では、地元園児と一緒に収穫しました
   
   
  ☆収穫したゆずを、木戸川沿いの検査場にてスクリーニング検査を体験しました
 地元の農産物の安全性を確認しました
   

国際理解講演会が開かれました

 12月5日(火)1年次生を対象に国際理解講演会が開かれました。
 イラク支援ボランティア、エイドワーカーとして活動している高遠奈穂子さん、NPO法人アースウォーカーズの代表をしている小玉直也さんを講師にお迎えしました。
●高遠さんからのお話
 2003年からのイラクでの活動の様子を話していただいた。戦争から逃げることはとても大変なことで、目の前で爆弾に巻き込まれて家族が殺されたイラク人の話や、住宅地が戦場になること、戦争前までイラクは多民族共生の社会であり、宗教も民族も超えて、家族として生活していたが、戦争で分断されてしまったことを聴くことができました。
●小玉さんからの話
 テレビやインターネットの情報は限定的であるため、多くの正しい情報を得る努力をしないと、真実はわからないということ。英語もスポーツも積み重ねであるため、どんな人でも夢を追い続けていく限り、成長の速度に差はあれ、できるようになることを聴くことができました。
 その後、グループにわかれ、講演内容についてディスカッションを行い、質疑応答をおこない、すべての質問に丁寧に回答していただきました。
 生徒からは、「いかに世界のことを知らないのかがわかった。海外のメディアを見ながら世界の情勢と英語を学んでいきたい。」という感想がありました。

<活動の様子>
 

【未来創造探究授業(2年次)】プレ中間発表会を行いました

 11月27日(月)3校時は、2年次生が未来創造探究授業のプレ中間発表会を行いました。発表会では、6つの探究班の代表者がグループや個人の探究学習の進捗状況を発表しました。
普段は、自分が選んだ探究班の中だけで探究活動を進めているため、生徒同士がほかの探究班ではどんなことを考え、何をテーマにして活動をしているのかを知ることのできる貴重な機会となりました。
原子力防災班では、双葉郡の正しい情報を確実に伝えたいという思いをもとに「五感を使って体感!相双地区を巡るツアー」を企画するグループが代表で発表しました。被災地で行うツアーは、珍しい取り組みではないけれど、ふたば未来学園の高校生である自分たちだからこそ届けられるツアーは何か?ということを語りました。
今後はこのツアーを通してそれぞれがもっている双葉郡に関する課題意識をどのように解決していくかを探り、活動を進めます。

☆原子力防災班の発表の様子
 
☆パワーポイントを使ってスクリーンに内容を映して発表しました
 
☆発表を聞き、メモをとる2年次生の様子
 

【産業社会と人間】クラス内演劇発表のお知らせ

1学年次保護者 各位
取材先関係者 様

 1年次の授業「産業社会と人間」では、劇作家・演出家の平田オリザ先生の指導の下、地域の課題を演劇で表現する活動を実施してきました。
 そのクラス内演劇発表を下記のとおり行いますので、お越しいただき御覧ください。

○日時
12月5日(火)
 8:50~10:20 1年1組
10:30~12:00 1年2組
12:50~14:20 1年3組
14:30~16:00 1年4組
※時間は前後する場合がございます。

○場所
 ふたば未来学園高等学校 武道場
 (体育館の下のフロアになります。武道場南入り口(築地ヶ丘公園方面)
 からお入りください。)

 <変更>
  ふたば未来学園高等学校 B棟3F 総合実践室

○受付
 ふたば未来学園高等学校 正面玄関
 ※校舎へは、こちらからお入りください。

【メディアコミュニケーション探究班(2年次)】講演会を開催しました

 11月8日(水)、メディアコミュニケーション班(2年次)18名を対象に、講演会が開かれました。講師として、福島大学うつくしまふくしま未来支援センターから特任教授 天野 和彦先生にお越しいただきました。先生は、特別支援学校の教員を務め、その後長期に渡り、社会教育や生涯学習の推進に携わってきました。東日本大震災の際には、県内最大規模の避難所である「ビッグパレットふくしま」の責任者として運営に携わってきました。
 今回の講演会では、心の通った“交流”のあり方、本来的な“自治”の大切さについて講演をいただいたり、グループごとにワークショップを行ったりしました。漠然と「人は一人では生きていけない」ことは皆知るところでしたが、避難所やその後の経験を聞くことで生徒はそれを実感することができました。今後の未来創造探究やこれからの学習と成長にぜひ生かしてほしいです。

☆講演会の様子



【原子力防災探究班(2年次)】広野町役場環境防災課へ訪問しました

 11月8日(水)5・6校時、2年次生が未来創造探究の授業を行いました。
 原子力防災班では、広野町役場環境防災課の鯨岡公一さん、今西岳晴さん、横田侑哉さんからのご講義のあと、生徒たちが進めている探究学習の内容に関して、広野町で行政に携わる方の立場からアドバイスをいただきました。
 復興の取り組みについて、鯨岡さんが、3.11以降、一番嬉しかった変化は、「幼小中が再開し、子どもが戻ってきたこと」「ふたば未来学園高校が開校し、高校生世代が広野町に来てくれたこと」「出産等に関わる風評被害がまだあるにも関わらず、多くの女性職員が広野町役場の職員に加わってくれたこと」であるとお話しいただきました。また、3.11当時の、通信も絶たれ「西の方へ避難してください」としかアナウンス出来ないほどの混乱を教訓にした現在の防災体制についてのお話や、震災のみならず台風やミサイルなどの脅威から広野町の人々の安全を守るために、緊急速報メール・防災行政無線・LED表示版等の設備を駆使して日々お仕事をされているということも伺うことができました。
 生徒たちはメモを取りながら熱心に話を聴いていました。特に、防災に強く関心を持つ生徒の1人は、職場見学中も職員の方に、積極的に質問を重ねていました。
 生徒からは、「実際に役場でやっている取り組みを間近で見ることができて良かった。」「自分たちの探究の取り組みを、役場の職員の方に話してみて、質問やフィードバックをもらうことができ、探究が進んで良かった。」「防災ラジオが広野町民に配られている話などを聴き、きちんと対策がされていることに感心した一方、広野町だけなのはもったいないと思った。」というような感想が挙がり、今後の探究学習を進めるにあたってのヒントを得ることができました。

 次回は、11月27日(月)に行われる未来創造探究授業プレ発表会の準備をする予定です。

☆実際に災害対応時に使われている設備の解説を聞いている様子
 
☆防災に関心の強い生徒が職員の方にインタビューをしている様子
 
☆生徒が自分たちの探究内容に対してアドバイスをもらっている様子
 

【アグリビジネス探究班(2年次)】浅見川へFWに行きました

11月1日(水)5・6校時は、2年次生が未来創造探究の授業を行いました。アグリビジネス探究班では、広野町のシンボルである浅見川へ行き、ひろの防災緑地サポーターズクラブの鈴木正範さんからお話を伺いました。
鈴木さんからは、ひろの防災緑地サポーターズクラブが行っている防災緑地のお話から、竹女物語、高倉城伝説など土地にゆかりのある昔話、姥嶽蛇王神社の歴史など幅広く浅見川や広野町にまつわるお話を伺うことができました。震災当時のお話の際には、生徒から質問が出る場面もありました。
話を聞いた生徒は、「(防災緑地といった)津波への対策が施されていることが知れてよかった。」「広野町は地元でよく浅見川に遊びに行っていたが、姥嶽蛇王神社のできた理由を初めて知って驚いた。」「広野の歴史や自然に改めて触れて、今までよりも広野町が好きになった。」というような感想が挙がりました。
 そして、浅見川は、NPO法人浅見川ゆめ会議の取り組みによってきれいになり、その結果、鮭も遡上するようになり、農作物もおいしくなったことを知りました。
 アグリビジネス探究班としては、第1次産業を取り巻く環境の重要性について再確認することができました。

 次回からは、個人を中心に自分のテーマに関して探究を進める予定です。

<鈴木さんから浅見川に関するお話を伺っている様子>
☆震災時の状況について講話
  
 
☆前回のフィールドワーク後に開通した「日の出橋」にて
 
☆姥嶽蛇王神社・奥州日乃出の松にて、伝説の講話
 
☆浅見川には鮭が遡上していました
 
☆前回のフィールドワークでゴミが多いと気付いた生徒は、ゴミ拾いをしながら参加しました
 

【アグリビジネス探究班(2年次)】最高で最後の梨について

平成29年10月15日(日)、広野町国際フォーラムにて、商業選択者が「保護者と教師の会」の協力で販売実習を行いました。
アグリビジネス探究班(2年次26名)では、双葉郡の農業について調査をしていました。その過程で、震災により大熊町から千葉県香取市で、梨農家を続けていたフルーツガーデン関本さんの訃報を知りました。関本さんが育ててきた大熊の梨をもう食べることができないことを知り、自分たちにできることは何なのかを話し合いました。その結果、関本さんの梨をお菓子に加工して販売し、多くの方に関本さんの最後の梨を食べてもらうことにしました。
関本信行さんが育てた、大熊の梨。アグリビジネス探究班は「最高で最後の梨」と表現しました。この味と思いを忘れずに、双葉郡の農業について探究を続けていきたいと思います。

<大熊の梨をみんなに伝えるには?>
☆フルーツガーデン関本さんの梨を試食
 
☆梨をコンポートに加工
 
☆パウンドケーキに加工
  
☆おいしく焼きあげました
 
☆一切れずつ包装
   
☆製造ラベル貼り             ☆商品POP作成
   
☆作成した大熊の梨POP
 
☆商業選択者が販売したフルーツガーデン関本さんの最後の梨
 
<フルーツガーデン関本さん>
☆平成29年11月3日(金)に感謝祭ファイナルが行われました。
  

日本大学工学部「ロハスの家」見学ツアーに参加しました

10月29日(日)、本校の再生可能エネルギー探究班、社会起業部、1年次生希望者の計8名で、日本大学工学部「ロハスの家」見学ツアーに参加しました。
<日本大学工学部 伊藤耕祐准教授の講義内容>
・経済成長には限界があり、健康で持続可能な生活をするためには再生可能エネルギーは不可欠であること。
・勉強は大切であり、勉強しないとAIに使われる仕事しかなく、勉強すればAIを使う仕事になる。
・エネルギー自立、材料自立、水自立、快適健康空間の4つを達成することで、産業・コミュニティ・社会基盤が構築できる。

 <ワークショップ>
 須賀川高校、原町高校、小高産業技術高校の生徒とディスカッションを行い、福島県の中小企業でも、部品の特許を多く持っていることから、競争ではなく協力により大きな仕事を成し遂げられることを学びました。また、現場で実験することによって、理論だけではわからない詳細がわかることに気づかされました。

<活動の様子>
 
 

【健康と福祉探究班(2年次)】3年生との交流会を行いました

 10月25日(水)5・6校時は、2年次生が未来創造探究の授業を行いました。健康と福祉班では、同じ健康と福祉班の3年次生と交流会を行いました。
 交流会では、すでに班の探究活動を終え論文作成に入っている3年次生が、自分たちの進めた探究活動について2年次生に紹介しました。また、経験を踏まえた探究活動の進め方や テーマに対する新しい観点をアドバイスする場面も見られ、2年次生は自身の探究活動をさらに進める良い機会となりました。
 次回は、各自のテーマに合わせていわき市の特別養護老人ホーム翠松園を訪問する予定です。

☆3年生との交流会の様子
  
☆個人探究を進める様子
 

【再生可能エネルギー班(2年次)】ソーラーパネルを作りました

 10月25日(水)5・6校時の2年次生の「未来創造探究」、再生可能エネルギー班では、いわき明星大学教養学部・科学技術学部の中尾剛教授を講師にお迎えし、授業を行いました。
 今回は、「再エネ×プログラミング」。2020年から小学校でプログラミングが必修となるため、高校生や教職員も小学生に負けていられないという意気込みで、授業に取組みました。
 休み時間でも、誰一人休むことなく、黙々と作業を継続していました。
 内容は、基盤に抵抗やクリスタル(水晶の圧電効果を利用して高い周波数精度の発振を起こす際に用いられる受動素子)など様々な部品をはんだ付けし、どの順番で部品を取り付けるのがより効率的かを考えながら回路を作成し、コンデンサーの仕組みも学習することができた。
 基盤に取り付けたマイコンに、プログラムを入力し、LED照明を点灯させたり、消灯させたりしました。さらに、基盤とキーボードとつなぎ、タイピングゲームのプログラムを作り、先生方も生徒と一緒に盛り上がりました。
 その後、プログラムを改良して、もっと面白いゲームを作る生徒もおり、これからの情報化社会に対応する生徒が育つ予感がする授業でした。
 次回は、作成したソーラーパネルを電源にして、プログラムでロボットを動かす実習を行います。

<活動の様子>
   
   
 

【スポーツと健康探究班(2年次)】Jヴィレッジを訪問しました

 10月11日(水)5・6校時は、2年生が未来創造探究の授業を行いました。スポーツと健康班では、双葉郡楢葉町にあるJヴィレッジを訪問し、猪狩安博さんからお話を伺いました。
 普段の授業では、講師の方をお招きしてお話を伺うことが多いスポーツと健康探求班ですが、実際にその地に足を運んでみることで、感じること、考えることに広がりを見せる様子がうかがえました。
 また、身近にある施設ということもあり、生徒からは積極的に質問が飛び、熱心に猪狩さんのお話を書き留める姿が見られました。今回の授業の振り返りでは、「高校生がJヴィレッジに対して力を出せることは何なのか?」「Jヴィレッジと連携してできることをやっていきたい。」などという声があがっていました。
 次回は、富岡町にある、総合型スポーツクラブ富岡さくらSCを見学する予定です。

☆猪狩さんより講義を受けている様子
  

☆施設見学後、全員で集合写真
  

【再生可能エネルギー班(2年次)】ソーラーパネルを作りました

 10月11日(水)5・6時限目は、2年生が未来創造探究の授業を行いました。再生可能エネルギー班では、先週に引き続き、いわきおてんとSUN企業組合の島村守彦さん、磯辺吉彦さんを講師にお迎えして授業を行いました。
 先週は、実際にソーラーパネル作りに挑戦し、発電ができるかどうかの確認をしました。今週は、回路を作って、明るいときはソーラーパネルから充電池に充電して、暗くなると、充電池に貯めた電気を利用して、照明を点灯させる回路を作りました。
 再生エネルギーの弱点は、不安定であり、太陽光発電は日が沈むと発電しなくなると言われています。しかし、この回路を完成させれば、日中、余剰電力を充電器に貯めておき、夜間はこの貯めた電気で、LED照明を点灯させることができます。つまり太陽光で24時間電気を使うことができるようになります。
 さらにスイッチを取り付け、夜間でも無駄な照明を点灯させずに、必要な時だけ照明が点灯するように回路を改良しました。
 生徒からは「回路の仕組みは難しかったが、すごいことをやっているのは分かった。」「毎週水曜日の探究の時間が、楽しみでしょうがない。」などの感想がありました。
今後は、再生可能エネルギーとプログラミングを掛け合わせ、ロボットを動かしてみる予定です。

☆島村さんから講義を受ける様子。
 
☆自分たちで回路を作っている様子。
  
☆接続がうまくいった。ソーラーパネルを隠して暗くするとLED照明が点灯する。
 

第4回広野町国際フォーラムに参加しました

 10月15日(日)広野町公民館で行われた、第4回広野町国際フォーラムに参加しました。
 午前中は、実習販売を行い、農業実習では焼きたてのバーガーを販売したり、自分たちが育てたヤマユリ(広野町の町花)の球根を無料配布したりしました。
商業実習では、大熊町の農家さんが育てた梨や浜通りの高校生が作った焼き菓子を販売しました。
 午後からは、未来創造探究研究発表が行われ、それぞれの探究班の成果を英語を交えながら発表しました。

○健康と福祉探究
 「介護士の人材育成」「東日本大震災による双葉郡の孤独死」

3年次 関根 麗楠

○スポーツと健康探究
 「再生可能エネルギーの発電によるアリーナを中心とした街作り」

3年次 草野 陸世、前田 篤

○アグリビジネス探究
 「町をやまゆりでいっぱいにする活動」

3年次 高野 桃夏、横澤 奈央

 「地元食材で作る給食で楢葉の子供たちに笑顔を」

3年次 太田 湧慎、鈴木 勝也

○再生可能エネルギー探究
  「振動発電、パッシブハウス、植物発電を通して、望ましい人間社会と持続可能な地球環境やエネルギーの関連性について探究する」

 3年次 木村 知宙、高橋 彩花

○メディア・コミュニケーション探究
 「Twitterによる情報の分析と発信・動画による情報発信を通して、情報が社会に与える影響、風評や風化のメカニズムを研究する。」

3年次 根本 陽大

○原子力防災探究
 「FM(ファーマーズマーケット)ふたばプロジェクト~農業を用いた街づくり、新たな社会システムの創造、失われたコミュニティの再構築などを模索する。~」

 3年次 松本 彩華


来場された福島県教育委員会 鈴木 淳一 教育長から
「ふたば未来学園の発表を聞けて良かった。物事は、個人的な意見の積み重ねである。専門家に任せたり誰かに頼ったりするのではなく、ふたば未来学園の高校生のように自分で動くことが大切だ。」という言葉をいただきました。

 その後、演劇部の演劇「あの日、隠れた日」は、完成したばかりの新作で初公演であったが、震災いじめをリアルに表現したものであり、差別や偏見を真剣に考えさせられる作品もありました。

<活動の様子>
 

【産業社会と人間(1年次)】平田オリザ先生にご指導頂きました

 10月4日(水)、1年次生の産業社会と人間の授業において、平田オリザ先生より演劇のプロット作成についてご指導をいただき、実際にプロットの作成に入りました。
 生徒は次々と挙手をし、積極的にオリザ先生にご指導をいただいていました。
 次回からは各班に分かれ、オリザ先生と一緒に来校される青年団の方々にもご協力いただき、ご指導をいただく予定です。

☆全体指導                 ☆班ごとにご指導をいただきました。
   

埼玉県の高校生と交流しました

 10月7日(土)、埼玉県の高校生11校32名(春日部5名、不動岡4名、超谷北3名、川越1名、川越女子1名、浦和第一女子4名、浦和西3名、大宮3名、蕨2名、熊谷3名、熊谷女子3名)が来校しました。不動岡高校と浦和第一女子高校は、本校と同じくSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されています。
本校からは、社会起業部と吹奏楽部の合計18名が参加し、学校概要説明、社会起業部の活動紹介の後、グループに分かれて、東日本大震災の被害の実態や復興の状況等を知ることで、自らの社会貢献の在り方や、学ぶことの意義について考えました。

<各グループから出された意見>
●福島で生活している場所の放射線量は、埼玉と同じように健康に影響を与えない程度であることを共有した。
●埼玉から見て福島はマイナスのイメージが強かったが、実際に来て、見て、現状を知って、周囲に伝えていくことによりプラスのイメージに変えていくことが大切である。
●自ら動いて、地域の人と積極的に関わっていくことにより、信頼感が生まれ、世界の問題につながっていく。
●震災の経験から、それを乗り越えるために新しいカリキュラムの新しい学校(ふたば未来学園)が出来たことが分かった。

<活動の様子>
 

【再生可能エネルギー探究班(2年次)】ソーラーパネルを作りました

 10月4日(水)5・6校時に、未来創造探究(2年次)の再生可能エネルギー探究班では、いわきおてんとSUN企業組合の島村守彦さん、磯辺吉彦さんを講師にお迎えして授業を行いました。
 今回の授業では、実際に電気を起こす実感を持つことをねらいに、実際にソーラーパネル作りに挑戦し、発電ができるかどうかの確認をしました。
 講師の先生方のご指導で作業を進める中、ものづくりが得意な生徒が、苦手な生徒をフォローする姿や、NPO法人カタリバのスタッフからの「太陽光パネルはなぜ発電できるの?」「仕組みはどうなってるのだろう?」「どの素材だと発電することができるのだろう?」という問いかけに対して、自分の意見で答えようとする姿や自らの学びを深める姿が見られました。
 生徒から、「本を読むよりも実際にやってみるほうが楽しい!」「こういう作るっていうことが好き。」というような声が上がりました。
再生可能エネルギー探究班(2年次)では、これから3週間をかけて、このソーラーパネルを完成させ、ソーラーパネルで発電した電気を使って、ロボットを動かす予定です。

☆島守さんから講義を受ける様子
 
☆自分たちでソーラーパネルづくり
 
☆難しいポイントは磯辺さんのアドバイスをいただきました
 
☆いざ、完成したソーラーパネルでの発電チェック。電気は起きるかな?
 
☆先生方やカタリバのスタッフと対話しながら進めていきました
 

未来創造探究生徒研究発表会2017(第1回)が開催されました

 9月20日(水)、第1回平成29年度「未来創造探究」生徒研究発表会を開催し、現在の3年次生が1年半にわたって取り組んできた授業「未来創造探究」の研究成果発表を行いました。
 「未来創造探究」は、2年次に週4時間、3年次では週3時間実施しており、探究の過程を通じて様々な学びを行っています。書物やインターネットからの知識に加えて、地元や大学、企業の方にアドバイスをいただきながら、現実社会の中から学習します。
 研究テーマは、東日本大震災後の様々な困難や課題を解決しようとする取組で、大人でも解決が難しい答えのない内容に向き合いながら深い学びを目指しています。3年次生全員が6つの探究班に分かれ、さらに探究班毎にグループ・個人ごとに実践してきました。
 発表会の形式は、2年間におよぶ研究内容は多岐にわたるため、分科会・全体会の2部構成とし、それらの発表を2年次生・1年次生が見て質疑応答を行いました。こうして、3年次生の学習成果が引き継がれ、本校の「未来創造型教育」の伝統が築かれていくことになります。
 当日は、これまでの研究でお世話になった方や大学、行政機関、地元広野町・楢葉町のみなさん、保護者のみなさんにご来校いただきました。また、発表内容に対してアドバイスをいただくために、文部科学大臣補佐官鈴木 寛様、復興庁参事官田中 徹様、双葉郡未来会議代表平山 勉様に御来校いただき、指導助言をいただきました。
 全体会での総評で御三方からは、励ましやレベルアップのための様々な御示唆をいただき、盛会のもとに終えることができました。その後、鈴木 寛様のFacebookには、「超高校級の大学生完全顔負けの発表が6班続きました。教員と生徒が一緒になって二年半で、日本一のアクティブラーニングのリーディング高校になりました。」というコメントを頂戴しました。
 これからは、3年次生は卒業に向けて探究内容をまとめる「論文作成」、2年次生は「未来創造探究」の本格的な活動、1年次生は次年度のための準備学習を行っていきます。これまで、探究班担当の教員はもちろん、全生徒と全教職員が試行錯誤で創ってきた新しい学びの形を具現化することができました。今後も学校全体で力を合わせて「深い学び」の実現に努めていきます。

〇原子力防災探究班
 
〇メディア・コミュニケーション探究班
 
〇再生可能エネルギー探究班
 
〇アグリ・ビジネス探究班
 
〇スポーツと健康探究班
 
〇福祉と健康探究班
 
<全大会の様子>
 

未来創造探究(2年次)で輪読会を実施しました

 2年次、再生可能エネルギー探究班では、本校国語科の矢沢先生がSGHの水戸二高で研修してきたことを生かし、9月の3週間にわたって、図書館教育&輪読会を実施しました。

〇目的
(1)読書を通して、再生可能エネルギーの知識レベルを高める。
(2)他者の意見を聞くことによって、広い視野を身に付け、新しいアイデアの発想のきっかけにする。
(3)「探究ノート」へのアウトプットによって、読書を通して得た知識や情報を整理し、定着させる。
〇活動
 1週目は、図書室で高橋司書教諭から図書館での本の検索の仕方、図書館の歴史等を講義していただき、再生可能エネルギーに関連し、自分の興味のある本を借りました。
 2週目は、借りた本を読み、探究ノートのブックトークのページ(別紙1)をまとめました。
 3週目は、一人ひとり発表(本の紹介)をし、質問や議論を行いました。
 探究班担当の田坂先生も「全員が、しっかり本を読み、よくまとめることができており驚いた。」と言っていました。
 また、NPO法人カタリバの佐々木さんからは、「質問を考えることで、もっと理解が深まるので、どんどん質問する習慣をつけていこう。」とアドバイスをいただきました。
〇省察
 再生可能エネルギーに対する知識・理解が深まり、社会を取り巻く課題を発見することができた15名の今後の探究が楽しみになる輪読会となりました。また、担当教諭だけではなく、司書教諭や科目を問わず、職員とNPO法人が協力しながらおこなったプロジェクトであったことが、成功につながった要因であると考えられます。

<活動の様子>
 

 

 

メディア・コミュニケーション班(2年次)で講話が行われました

  9月6日(水)、物理学者で東京大学大学院理学部名誉教授の早野龍五氏をお迎えし、2エ年次、メディア・コミュニケーション班の生徒と教員に向けての講話が行われました。
早野氏は東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故の直後、様々な情報や意見が錯綜し、多くの人々が信頼できる情報を求めていたころから、Twitter上で確かなデータに裏打ちされた情報発信を行ってきました。また、福島の高校生徒の活動も多く、これまで氏が行ってきてくれたことを大変わかりやすく講演してくださいました。
講演後も「活発な質疑応答が行われ、生徒たちは多くのことを吸収していました。

☆講話の様子
   
 

産業社会と人間(1年次)「フィールドワーク活動」

 1年生は引き続き、双葉郡の震災前後の課題を取材して演劇にする授業を行っています。
9月上旬に新聞記者の方を講師にお招き、取材の極意をご指導いただきました。
 9月27日に広野町・富岡町・楢葉町・大熊町に分かれ、フィールドワーク・取材活動を行いました。取材の極意を活かして、真剣に活動に取り組みました。

<取材の極意>
☆道場で極意を伝授していただきました。   ☆教室でもご指導いただきました。
 
<フィールドワーク当日>



産業社会と人間(1年次)「平田オリザ先生の授業」

 1年次生の授業「産業社会と人間」では、双葉郡の復興や世界に貢献する「変革者」の育成を目指し、双葉郡の震災前後の課題を取材して、演劇にする授業を行っています。
 演劇の作成に向けて、平田オリザ先生をお招きしてご指導をいただいています。

☆アイスブレイクの様子
   

生徒国際イノベーションフォーラム2017に参加しました

 8月2日(水)~4日(金)にかけて、東京の国立オリンピック記念青少年センターで実施された「生徒国際イノベーションフォーラム2017」に参加しました。
 「生徒国際イノベーションフォーラム2017」とは、「地方創生イノベーションスクール2030」の集大成として、東北、福井、和歌山、広島、島根の各クラスターが海外の連携校とともに、2030年に予想される地域の課題(少子高齢化、移民社会、環境問題など)や地方創生について学び、活動した報告を行う国際会議です。
当日は、15の国や地域から、200名を超える中高生が参加し、本校からは12名(1年次生3名、2年次生7名、3年次生3名)が参加しました。

●1日目
 開会式で、各クラスターの紹介と文化交流を行いました。

●2日目
 クラスターごとにポスターセッションを実施。
 ラウンドテーブルにて、
1. MIGRATION TOPICS  移民の権利について
2. Economic migrants/Inclusive growth 経済成長は誰が分け合うのか
3.Climate change  温暖化をストップするために
4.Job security  世界の将来の仕事
5.Media and Technology 報道のあり方
6.De-population/Aging issue どうやって地域を守っていくのか。
  などのテーマについて議論しました。

●3日目
 閉会式で「国際協働をすすめ、課題解決方法を見つけ、世界を創造していく。」という共同宣言を発表しました。

<発表したポスター>
      
        


<参加生徒の感想>
・自分じゃ出てこない意見を違う人からの考えだとまったく違ったものなどの意見を出してもらって、「なるほど」などの共感や「そういう考えもあるのか」ということが体験できてとてもタメになったと思いました。

(2年次 I)


・肌の色とか言語が違うと自分と全く違うような気がしてしまうが話してみると通じる点が多くあり、何よりもリラックスして話すことが大切。

(2年次 M)


・一方的な視点ではなく、多方的に幅広い知識を学ぶことで、海外の問題にもついていきやすくなると感じました。

(3年次 S)


・本当に重要なこと(難民問題や地球温暖化、貧困問題など)は世界の人たちと話し合わなければ解決できない。だからこそ、まずは国際交流をし、お互いの文化などを知ることが大切なのだと思う。

(1年次 S)

・自分の意見を伝え、それに海外の人がうなずいてくれた事がとてもうれしかった。

(2年次 M)


・この活動を通して、まとめる能力が成長したと周りの人から言われた。私はあまり周りの人と話すのは得意な方ではなかったが、この活動を通して、いろいろな面で成長したと思う。この成長してきたことを生かしていきたい。

(2年次 H)


・もっとうまく英語が話せればなと思いました。なので、これから英語での会話がうまく、自然にできるようになりたいと思います。もっと英語を練習していこうと思いました。

(1年次 S)

「ご当地!絶品!うまいもん甲子園福島県選抜大会」へ参加しました

 8月21日(月)に郡山女子大学において、「ご当地!絶品!うまいもん甲子園福島県選抜大会」が行われました。この大会は、全国の高校生が地域の食材を活かした食品のオリジナルレシピを開発し、その商品力を競い合う大会です。第一次選考で応募総数64校の中から5校の1つに選ばれ、今大会に参加してきました。

 参加した生徒は、未来創造探究アグリビジネス探究班川内チームの3年次生の3人です。3人は昨年度から未来創造探究の授業で、川内村を広くアピールするために、川内村の方々と一緒に交流するイベント等を企画し、村の特産品である「いわな」を使ったおにぎりの開発を行ってきました。

  

 大会では、30分間で6人分の調理をします。多くのマスコミの方や審査員が見守る中、3人で力を合わせておにぎりをつくりあげます。完成後は、作った商品を審査員の方々に食べていただきながら、商品のプレゼンテーションを行います。審査員の方々からは、貴重なアドバイスをいただきました。

  
  

 結果は5位という成績でしたが、生徒にとって、とても有意義で、よい経験となった一日でした。
 今回の大会参加にご尽力頂いた皆様に、厚く御礼申し上げます。

未来創造探究班SNSについて

 本校は、平成27年度に文部科学省よりスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)に指定されました。未来創造学や課題研究では、SGHの大きなテーマ「原子力災害からの復興を果たすグローバル・リーダーの育成」に沿った6つの研究班に分かれて実施しています。
 この6つの探究班の中の、メディア・コミュニケーション探究班では、SNSを利用して情報発信を行っておりますので、ご覧ください。

   葉っぱ隊 ( @FFHS_media )
   ふたば未来学園高校メディア・コミュニケーション探究班
  • それぞれの探究班の取り組みについては、 >>こちら<< から閲覧できます。

アグリビジネス探求班(2年次)がFWに出かけました

 平成29年6月28日(水) 未来創造探究のアグリビジネス班(2年次26名)は、震災前に広野町にあったウォーキングマップを頼りに、4班に分かれてフィールドワークを行いました。震災後は、大きく変わってしまった場所もあり、マップのとおりには歩けないことを確認することができました。
実際にウォーキングしたことで、一部の場所で道端にゴミが散乱しているためゴミ拾いの必要性を感じた生徒や、海岸部ではすれ違う人がいないことへの寂しさを感じる生徒もいました。逆に、昔ながらのトンネルは良い観光資源になるかもしれないと考えた生徒や、田植えをしてある田んぼが多くてうれしい気持ちになった生徒もいました。
アグリビジネス班では、フィールドワークを通して気付いた課題を通して、探究活動への一歩目を踏み出しました。

☆海岸線のコースをフィールドワークした様子です。
    
    

第2回福島第一廃炉国際フォーラムに参加しました

平成29年7月2・3日に広野町中央体育館といわきワシントンホテルで行われた「第2回福島第一廃炉国際フォーラム」に、本校の石田敦也、遠藤瞭、佐藤勇樹の3名が参加しました。
一日目は、「地元の皆さんと考える1F廃炉」というテーマで、立命館大学衣笠総合研究機構准教授の開沼博先生から講義をいただきました。遠藤瞭もパネルディスカッションのパネラーとして参加し、安心と安全について議論をしました。
二日目は、「技術専門家と考える1F廃炉」というテーマで、燃料デブリ取出しや廃棄物処理について学習しました。廃炉について関係機関や大学、産業界の多方面で研究されていることがわかりました。

<生徒の感想>
・いろいろ質問をして、新たに疑問ができた。廃炉のゴールがあいまいであったのに、どうして30~40年と言えるのか疑問に思った。(佐藤)
・知らないことがたくさんあったが、新しいことを知ることができた。(石田)
・せっかくステージに登壇したのにあまり発言できず、悔しかった。質問に対して真摯に答えてもらい、うれしかった。(遠藤)

<フォーラムの様子>
   
   

【未来創造探究】北陸新幹線サミットに参加してきました

 6月17日(土)に、長野県上田高等学校主催の「北陸新幹線サミット」に参加してきました。会場には全12校が集まり、本校からは、未来創造探究「健康と福祉」班の生徒2名(3年次)が参加しまし。
サミットは4つの分科会に分かれており、本校は、第Ⅰ分科会「信州発いのち・健康フォーラム」において、「介護職員不足」をテーマにした発表を行いました。震災後に地域が抱える課題について発表し、その後のディスカッションにおいては、高校生同士が自分の考えを率直に伝え合う様子が見られました。各校の参加者からさまざまな視点での意見をいただき、有意義な時間を過ごすことができました。
 帰りの車内では、「他校生の姿を見て大きな刺激を受けた。」、「私達ももっと頑張らないといけないと感じた。」と話す姿があり、このサミットへの参加は大きな意味があったと実感することができました。

  

【未来創造探究】再生可能エネルギー探究班で講話が行われました

平成29年6月21日(水)、5・6校時の『未来創造探究』の、2年次生再生可能エネルギー探究班で、たまエンパワー株式会社代表取締役の山川勇一郎氏を講師に迎え、「ほしい未来は自分でつくる」~自然エネルギー100%の社会へ~の演題でお話していただきました。
山川氏は、東日本大震災とそれに伴う原発事故後に、いわき市へボランティアに来た時、「どうやったら原発に頼らなくてすむ状態を作れるか?」から「自然エネルギー100%の社会を作ればいい」そして、「どうやったらその状態を作れるか?」と考え、会社を設立されました。
講話の中で、

  • まず小さなことからでも実行することが、大きなことにつながる。
  • デンマークやドイツの例から、エネルギーは自分たちで作ることができる。国が考えることではなくて、自分たちがどんな未来にしたいかで決まる。
  • 小さい発電は、いろいろな人が関われて強い(1つ壊れても全体に影響が少ない)。
    多様である。(地域の特性に合わせて電源を組合せことができる。)
  • 新しいことを始めると、困難の連続があった。社会課題を乗り越えていかなければならない。
  • softbank、テスラモーターズなど、世界の主な企業は、自然エネルギー100%を目指している。

 などの、大変貴重なメッセージをいただき、これからの生徒の活動意欲となりました。

お忙しい中にもかかわらず、本当にありがとうございました。
この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

<活動の様子>