ふたば未来学園の日々

カテゴリ:中高探究学習

中学校未来創造学・文化祭で中間発表会を実施しました

 10月27日、ふたば未来学園中学校・高等学校として、また本校舎として初めての文化祭が中高合同で行われました。中学校での企画は1年生が「未来創造学中間発表会」、2年生が「表現型探究発表会」、そして3年生は全員がバドミントン部ということもあり、この日はみんなが知りたかった「インドネシア遠征」についての発表と、中学生らしい「学習発表」中心の内容でした。

 高校ではお化け屋敷や模擬店など来場者の心をくすぐる企画が盛りだくさんといった中、果たして中学フロアに足を運んでくださる方がどのくらいおられるのか…との不安を感じながら開場時刻を固唾を飲んで待ちました。

 しかし、期待はよい意味で裏切られました。開場と同時にたくさんの方々においでいただいたからです。

 午前中に行われた中学1年生の未来創造学中間発表の様子を見てみると…。

 完全1人1研究ですから逃げも隠れもできません。すべて自分の力で熱心に発表しています。結果として、着眼点がとても鋭く、また伝え方にも熱意がこもっている生徒が多かったです。当日の発表では保護者の方や地域の方から的確なアドバイスをいただきました。今後の研究に繋げることができそうです。

 午後からはみらいシアターにて、中学2年生、3年生による発表が行われました。

 2,3年生の発表はともに極めてクオリティが高く、中には「ちょっとだけ見て次の場所に移動しようと思っていたら、面白すぎて最後まで見てしまった」とおっしゃる来場者の方も…。

 文化祭の発表で得た大きな経験を今後の活動に生かしていきたいと思います。文化祭へのご来場、本当にありがとうございました。

 

【探究】SGH通信「高校1年次・産業社会と人間・対話劇ワークショップ&フィールドワークに向けた講義」

 10月27日、28日の文化祭を直前に控えての産業社会と人間ですが、今週は10月9日に引き続き、対話劇づくりに向けたワークショップを行いました。2クラスごと計10班に分かれてのワークショップでは台本が配られ、演技も行いました。国際化時代におけるコミュニケーション能力とはなにか、なぜ、演劇や芸術に触れることがコミュニケーションのツールとして重要なのか、じっくりと考え経験していきます。

 演技力や表現力は、一朝一夕で身につくものではありません。今回の講演を活かして12月の発表では聴衆の胸を打ったり、共感を呼んだりするような劇を作り上げてほしいです。

【中学校】未来創造学

 今年度、中学生は、「双葉ふしぎ発見」をテーマに双葉郡をフィールドとして、地域学習を進めています。各自学習課題を設定し、追究活動に取り組んできましたが、文化祭ではその中間発表会を行います。

 中間発表会は、10月27日(日)に迫った文化祭の一般公開で行われます。そのために各学年、準備に取り組んでいます。

広野町グループ、お米やバナナ、童謡などの内容について追究している生徒が多い様子です。

 

楢葉町グループ、木戸川の鮭やここなら笑店街、ならはCANVASの謎などに迫っている様子です。

 

 富岡町グループ、海に関することだけでなく、街の現状そのものや夜ノ森の桜に関心を持ち、その魅力を追究している様子です。

 

 川内村グループ、モリアオガエルや草野心平さん、いわななどに関心を持ち追究している様子です。

 

 2年生は地域のことなどを題材にした英語でのダンス上映を企画。既に収録の大半を終え、ALTのニック先生の協力を得て編集作業に取り組んでいます。3年生は発表準備をみらいシアターで行っていました。準備は非公開で行われました。27日午後から行われる発表を楽しみにしていてください!

中間発表会では追究活動の現状について発表し、お聞き頂いた方々からご意見を頂き、今後の追究に生かしたいと考えています。多くの地域の方々にお越し頂き、アドバイスを頂ければ幸いです。多くの方のお越しをお待ちしています。

SGH通信「1年・産業社会と人間・インタビュー事前調べ

 台風19号の被害に遭われた皆様にお見舞い申しあげます。全力をあげて復旧に努められていると思います。一日も早い再建を願っております。復旧に向けてボランティア活動に参加する生徒も多い中、先週に引き続き演劇に関わる授業が行われました。

 先週行われたオリザ先生による特別講義を受け、自分たちで対話劇をつくるためには地域に飛び出し、地域の人々の思いを知る必要があります。そこで、来月20日、27日には各班で選んだ企業や団体に訪問し、インタビューを実施します。生徒たちはアポ取りから行うので、事前の準備は欠かせません。そこで、今日の授業では訪問する企業・団体を調べ、相手に質問する内容を調べました。

 調べ学習に入る前に斉藤夏菜子先生からインタビューについての事前学習が行われました。映像を用いた分かりやすい説明からはインタビューに大切な3つの要点を学ぶことができました。

①    「知りたい!」と、いう思いを伝える。

②    「何も分からないので、教えてください」と、いう謙虚な姿勢で臨む。

③    「何が知りたいのか!?」を、明確にしたインタビューを行う。

と、いったものでした。

 その後、生徒たちは各班に分かれ、図書館や協働学習スペースでの調べ学習を行いました。

【中学校】 演劇ワークショップ 10月2日

 前・後期制の本校では、本日から後期がスタートしました。後期スタートの日に合わせ、中学校では演劇ワークショップが行われました。

 本日も「Public」から講師の先生方をお招きし、クロスワードをテーマとして、演劇に取り組みました。

 はじめにグループに分かれて、「椅子のベストシェア」を行いました。

 

班によっては7人もの人数が1つの椅子に座らねばなりません。それも、その姿勢で30分以上保つことができるくらいの調和が求められます。

 

それぞれ、見事な「ベストシェア」が実現しています。入学から半年を経て、集団の質が向上しているせいか、どうすればよりよくシェアができるか考え、実践する姿が見られました。活動の後はみんな以前よりもっと仲良くなっているように見えましたよ。

 

さて、これは合格したかな?? 

 続いては本日のメインテーマ「クロスワード」です。まずはシナリオの空白を埋めていきます。

 

 さて、シナリオができた・・・と思ったら!! 講師の先生から「シナリオ交換!」の指示が。生徒たちからは悲鳴が・・・。

 

それでも生徒たちは他の班が作った無関係な言葉をつなぎ合わせたシナリオをもとに、どんどん劇を作り上げていきます。この時間の集中力がすごい。おいそれとは立ち入れない雰囲気で、独自の世界観を表現するための劇づくりに没頭しています。

 そして発表。お客様たちといっしょに劇を見た教頭先生が「すごい成長ぶり」と舌を巻く表現力に富んだ発表でした。

 

 

講師の先生が話されていた「『よくわからないけど面白い。』ということの面白さがわかってきた。」という言葉が、生徒に対する最大の賛辞だと思います。

恥ずかしながら私もやっと、生徒たちの表現したい何かしらが、少しだけわかってきたような気がします。

 

 

 

 

【探究】未来創造探究 生徒研究発表会2019開催しました!

 去る9月21日(土)、新校舎を会場にして初めての「未来創造探究 生徒研究発表会2019」が開催されました。会場だけでなく、初めての週末開催ということで、数多くの教育関係者、地域の方々など外部からの参観もあり、開始前から生徒のやる気も緊張も最高潮でした。分科会に先駆けて行われた開始式ではこれまでの探究の様子を撮りためたmムービーが上映されました。音楽に合わせ、リズミカルにこれまでの探究の道のりや6つの探究ゼミの取り組みを良くとらえて紹介していたので、どの生徒のテンションもさらに上がりました。

その後、午前中に前・後編に分けて開催された分科会では7つの会場で計39本にも及ぶ2年間の探究してきた内容の発表がありました。

各分科会では、

青木 淑子様(NPO法人富岡町3.11を語る会 代表)

伊藤 学司様((公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CFO(最高財務責任者))

佐藤 理夫様(福島大学 共生システム理工学類 教授)

菅波 香織様(未来会議事務局長、いわき法律事務所 弁護士)

半谷 栄寿様(一般社団法人あすびと福島代表理事)

平山 勉様(双葉郡未来会議 代表)

松岡 俊二様(早稲田大学国際学術院(大学院アジア太平洋研究科)教授、早稲田大学レジリエンス研究所(WRRI)所長、早稲田大学ふくしま広野未来創造リサーチセンター長)

といった各界のトップランナーの方々に審査員を務めて頂きました。

 それぞれの分科会では審査員の方々からの感想とアドバイスをいただきました。また、各会場には高校1・2年次生はもちろん、中学生も参加していたので、発表した3年次生の後輩たちの探究に活かして欲しいという思いも伝わりました。さらに、発表後に行われたディスカッションでは会場が一体となってより深い内容についての質疑応答が行われ、互いの思いを共感することができました。例えば、今年度、猪苗代町から広野町に練習拠点を移動したバドミントン部員を中心とする探究発表では、分科会での発表では語られなかった福島への思いや、部活動との両立の苦しさについて率直な感想を聞くことができました。

昼食を挟んで、午前中の分科会ごとに選ばれた代表7件について発表が行われました。さすがに午前中の分科会を勝ち抜いてきた発表はいずれも深い考察と献身的な実践に裏打ちされていて大変復興の参考となる研究に溢れていました。

審査員の先生方が審査をまとめている時間には今夏行われたベラルーシ研修についての発表も行われました。こちらは実際研修で行ったダンス・ミュージックの紹介などもあって聴衆の心を虜にするような素晴らしいプレゼンテーションでした。

大幅に協議の時間を超えてまで審査した結果、以下の各個人・探究グループが表彰されました。

最優秀賞

  • 『地域交換留学』
    原子力防災探究ゼミ 渡辺美友

優秀賞

  • 『ひろのニコニコ大作戦~先生はおじいちゃんとおばあちゃん~』
    健康と福祉探究ゼミ 草野くるみ、遠藤未来、遠藤愛莉
  • 『双葉郡のイメチェン』
    メディアコミュニケーション探究ゼミ 志賀瑚々呂、鶴飼夢姫
  • 『美容でいきいきプロジェクト』
    健康と福祉探究ゼミ 田口未来、遠藤聖弥

探究賞

  • 『バイオマス』
    再生可能エネルギー探究ゼミ 鈴木彪雅、森谷友星、五十嵐心咲、西坂まいな
  • 『地域の特産品を使って風評被害を払拭する』
    アグリビジネス探究ゼミ 宇佐美翔太、門馬杏由美、浅野琴美、大和田日南子、遠藤綾那、室原智泰、志賀芙右華、坂本香蓮
  • 『障がいとつながるプロジェクト』
    健康と福祉探究ゼミ    小湊真由、小椋遥花、一ノ倉愛梨、草野まほ
  • 『震災を教訓にする』
    原子力防災探究ゼミ    青田このか、秋山杏由子、猪狩汐理、山崎美涼
  • 『Future Change the Ability(FCA)』
    スポーツと健康探究ゼミ         遠藤匠、髙村諒、宮本皇介、渡部柊斗、鈴木駿太郎、高橋勇登
  • 『人と人がつながるボランティアを通した共助社会の形成』
    原子力防災探究ゼミ       菅野光桜

共感賞

  • 『地域交換留学』
    原子力防災探究ゼミ       渡辺美友

 

 

 

【中学校】 未来創造学 9月25日

 本日の未来創造学も、各学年探究活動に取り組みました。中学1年は双葉地区についての学習課題の追究に取り組んでいます。

 

そのうえで、追究の途中経過発表を行っています。少人数で率直に、現在抱えている追究の悩みについて語り合います。追究活動は個々人で行っていても、学び合いは集団のチカラを存分に生かして進めています。

 

 

 

 

 

生徒相互のアドバイスを聞いていると、その成長に驚きます。

「その事例のデータが無くても、似た事例を探してデータを集めて推測すれば・・・」

「なるほど! すると、この事例ならば・・・」

これまでの取り組みから、生徒は多くのことを蓄積しています。そうした蓄積を生かし、探究活動に取り組んでいる様子が伺えます。

2年生の活動は、表現系探究活動です。双葉地区を紹介したダンスを英語なども用いて文化祭で発表するために、その内容について話し合っています。最後まで粘り強く考える様子から、生徒の資質・能力が高まっていることを感じます。この後早速、具体的な表現活動に取り組んでいました。

 

3年生は、自分たちと地域とのかかわりについて追及しています。自分たちがこのふたば未来学園で競技に取り組む意味。そして学校生活を送る中で大切にしたいことを、率直に話し合っています。

生徒たちは今後も引き続き、双葉地区をフィールドに、自分と、そして世界と向き合っていきます。

【中学校】 未来創造学 9月18日

夏休み明けの未来創造学では、夏休み中に設定した「双葉ふしぎ発見」の学習課題追究活動に入っています。

 

今日は、課題追究の現状から、テーマの再設定なども含めた今後の見通しについて、担当の先生との個別面談を実施。

 各グループごと、一人一人丁寧に面談しています。

 

面談で話を進めるうちに、新しいアイデアが見つかった様子。

話をすることで自分の考えが整理され、自分が本当に疑問に思っていた「ふしぎ」は何なのか、の核心に近づくことができます。

 

 先生方にとっても、生徒の持つ熱い思いを受け止める面談は、大きな学びの場です。

 毎週少しだけ「解決」するふしぎと、調べれば調べるほど「増えていく」ふしぎ。増えていくほうが断然いいのです。

 今後も学習課題を追究することを通し、自分と向き合っていきましょう!

東京都合同防災キャンプ交流会

 8月22日(木)に東京都合同防災キャンプが行われ、防災士の資格を目指している東京都の高校生85名が未来シアターで交流会が行われました。初めに高橋教頭より、震災当時の状況や学校の概要についての説明がありました。その後、社会起業部の生徒が司会をし、交流会が行われました。ふたば未来学園の生徒2~3名に対し東京都の生徒が車座に囲んで質問をするという形式でした。東京都の生徒たちは防災士を目指しているだけあって、ふたば未来学園の生徒たちの話にメモを取りながら真剣に聞いていたのが印象的でした。その後未来ラボに移動し、自由時間。いろいろな高校生と交流し、仲良くなった生徒たちと自撮りをしている姿があちこちで見られました。有意義の交流会でした。

 

震災当時の様子や学校の説明に真剣に聞き入る東京都防災キャンプの生徒たち

 

社会起業部の生徒の司会で交流会開始

 

ふたば未来学園の生徒に聞く質問を考える東京都防災キャンプの生徒たち

 

インタビュー開始 質問に答えるふたば未来の生徒たち

 

ふたば未来生の話にメモを取りながら真剣に聞き入る東京都防災キャンプの生徒たち

 

司会の合間にも質問が

 

フリートークはうって変わって和やか

 

東京都防災キャンプの代表生徒あいさつ

 

自撮りで記念撮影

【中学校】演劇ワークショップ8月23日

 夏休みが明けて2日目。中学1年生は本日午後から、元気に演劇ワークショップに取り組みました。

 今回も東京から、講師としてPublicの皆さんが来てくださいました。

 今日は「台本作り」に挑戦です! ランダムに分けられたグループで、決められた文字数でセリフを考えます!! うまくできるかな・・・

 使って良い文字には制限があります。ポイントは、できるだけ枠にはまらない! こと。そして、わざとズレてぼけること! です。当然、到底うまくいくはずのない台本なのですが・・・。まずは口頭で読み合わせてみると・・・なぜかストーリーができあがってしまい! 面白い。

 2回目は、台本の基本である登場人物や状況設定などを考えています。様々なシチュエーションを想定してのシナリオ作り。様子を見ていると、各班から、枠にはまらない多様な意見が聞こえてきます。

 そして、完成させた台本をもとにして演劇発表。う~ん、深い!

 4月の入学直後に行われたワークショップの時とは比べものにならない成長を感じました。

 すべての班の発表に、何かしらのメッセージが含まれていたからです。生徒たちは短い発表にそれぞれの世界観を表現していました。なんだろう・・・あ! そういうことか! 生徒たちの表情が変わるのがはっきりわかります。

 それにしてもPublicの皆さんのコメントが深い! 今回もプロの仕事ぶりを見せつけられます。

 さて、来週からは全中団体男女ダブル優勝に輝いたバドミントン部の皆さんも登校します。

 そして、明日は小学生の皆さんが本校の体験授業に参加します。皆さん、気をつけてお越しください!

【中学校】未来創造学 フィールドワーク 7月10日

 7月10日、中学校で1日フィールドワークを開催しました。テーマは「双葉ふしぎ発見!」です。

  生徒たちは広野町、楢葉町、富岡町、川内村に分かれ、地域の方々の案内をいただきながら、熱心にフィールドワークに取り組みました。

広野町。みかんの丘に登りました。思った以上に急斜面です。講師の先生のお話をしっかりメモ!

 

 

楢葉町。天神岬スポーツ公園内で甕棺を見学後、太平洋を眺める生徒たちの様子です。

 

富岡町。7月26日にオープンする富岡港から、観陽亭跡を確認する生徒たちの様子です。

 

 川内村。天山文庫で管理人の方からお話をいただいています。

 

 富岡町の中央商店街で聞き取りをしている様子です。

 

 この日の活動では、午前中に各地区の概要を掴み、午後からは地域人材の先生方からお話を伺いました。午前中の活動では各地区で突撃取材を敢行。町村のふしぎやよいところについて教えていただきました。生徒たちは各地の道行く方々に、積極的に取材していました。

 突然の取材にも関わらず快く取材を受けていただいた方々に、心から感謝申し上げます。

 生徒たちはこの日発見したさまざまな「ふしぎ」をもとに今後「問いをたてる」活動に進んでいきます。

【探究】1年次生「課題を知る学習」双葉郡8町村バスツアー

本日7/3(水)と来週7/10(水)、1年次生は「課題を知る学習」と銘打った双葉郡8町村のバスツアーを実施しています。

 初回に当たる今回は、富岡町と浪江町です。生徒は約40人ごとに分かれて大型バスに揺られ、巡りました。私が乗車した富岡町①号車は震災前まで富岡高校で校長先生を務め、現在は「富岡町3・11を語る会」代表として、富岡町で演劇を通した地域復興を企画したり、毎月富岡高校校門前で校歌を歌い続けたりといった精力的で興味深い活動を継続してきている青木淑子さんに講師を務めて頂きました。

 本校を出発し、バスの車窓から覗く広野町、楢葉町の田園と造成ラッシュが続く風景や、ここなら笑店街など復興の進む様子を垣間見ながら大型ダンプなどで混雑する6号線を北上し、富岡小中学校と近接する富岡駅を訪れました。バスの中で青木先生から現在の富岡町の様子とともに、震災当時の富岡町のこと、富岡高校のことが語られました。

 

 2011年3月12日、前日の大規模な地震とそれに伴う津波の影響も冷めやらぬ中、早朝7:30、全町民に町外への非難を知らせる警報が鳴ります。そのため、当時富岡町には6,300世帯、約1万6,000人が暮らしていたのですが、同町と川内村を結ぶ県道は西手に避難しようとする沢山の車で大渋滞となります。普段、30分で済む行程を9時間かけて移動したそうです。青木さんにはそうした当時渋滞となった県道も案内していただきました。特に、当時の写真と見比べながら眺める景色には言葉には表せない複雑な感情がありました。因みに、当時避難した住民のうち約90%は数日のうちに帰還出来ると思っていたとのことでした。しかし、現実は8年以上が経過しても帰還することが出来ない人がたくさんいます。

 こうした説明があった後、夜の森の桜並木を見学しました。季節がら葉桜となってしまっていましたが、桜並木を境にたった数mの違いで帰還が許された地域と、未だに帰ることが出来ない地域が混在しています。帰ることの出来ない苦悩はもちろんですが、たった道路一本の違いで帰還が許されたとしても、あなたは戻ってくることが出来ますか?と、青木さんからは度々深く考えさせられる問を数多くいただきました。

 もう一カ所時間をかけて説明してくださった場所があります。帰還困難区域内で牧場を営む松村さんについてです。国から殺処分を命じられても飼育を続けていることを教えていただきました。青木さんの語り口は決して誰かを悪者にするような一方的な決めつけではなく、いずれの課題についても聞き手に考えさせられるものでした。

 最後に訪問したのは富岡高校です。富岡高校の校門付近には現在本校の体育教師である星先生のインターハイ出場をお祝いする看板が掲げてあったり、生徒の中には富岡高校に進学を夢見ていた生徒もいたりしたので生徒たちはとても積極的に見て回ったり、青木先生に質問を寄せたりしていました。震災の夜、学校で一晩を過ごすことになった生徒と、避難してきた住民との出来事を青木先生からお聞きしました。生徒たちは断水になってしまったトイレに水を流すために、プールから水を運んだり、足の不自由な方の体育館への出入りを手伝ったりしてくれた話を聞くことが出来ました。

 

 最後に、本校に向かうバスの中で青木さんがご自身のことを語られた後に、生徒一人一人から感想や質問を発表する形式で、振り返り共有しました。多くの生徒がテレビや人づてに見聞きしていたことと、実際に目にし、感じた事実との違いに大きな揺さぶりを受けていました。そして、これからの学校生活や地震、社会に対して前向きに取り組んでいく気持ちを話してくれました。

【中学校】未来創造学 7月3日

いよいよ来週はフィールドワーク!

 ということで、この日はフィールドワークで行う「地域のふしぎ発見!」を行うための準備をしています。

 

 広野町、楢葉町、富岡町、川内村の4町村に分かれて活動します。

 まずは先入観を持たず、素朴な疑問を出し合うことからはじめ、多面的・多角的な視点で地域をとらえる方法を学びます。

 

 ここからがふたば未来学園中生の本領発揮! 地域の人への突撃インタビューを演劇の手法も援用してシミュレーションしています。

この日、本校を訪れたお客様にもお手伝いいただきました。突然の依頼を快諾いただき、ありがとうございました!

 来週のフィールドワーク、がんばるぞ!

【探究】ASIAN ELEVEN 国際交流

  U-18東南アジア選抜チーム「ASIAN ELEVEN」vs U-18東北選抜 の国際親善試合が6月22日(土)に開催されます。19日(水)の未来創造探究の時間に、「ASIAN ELEVEN」が来校し、交流を行いました。未来創造探究の原子力防災班に所属する3年佐藤君のツアー企画を通しての交流です。当日はあいにくの雨となってしまいましたが、双葉郡の課題と魅力、ふたば未来学園の取り組みを一生懸命英語で伝えることができました。2年生のスポーツ探究班の生徒も、英語での意思疎通に臨みました。帰校後に地域協働スペースでグループトークを行いました。「ASIAN ELEVEN」vs U-18東北選抜の試合が実り多い物になるよう、応援のメッセージを伝えてお別れしました。

 

 An international match “the U-18 Southeast Asian Selection Team ASIAN ELEVEN vs. U-18 Tohoku Selection Team” is going to be held on June 22nd (Sat). On June 19th (Wednesday), ASIAN ELEVEN came to our school for the cultural exchange. This exchange was conducted by the tour project of, a high school third grader, Mr. Sato. He currently belongs to the Nuclear Disaster Prevention Team of Future Creating Education. Unfortunately, it rained on the day of the tour, but he was able to convey in English the challenges and attractions of Futaba-Area and the efforts of Futaba Mirai Gakuen. The students from the sports research team for sophomores also joined his program and communicated in English. After returning to school, they held a group talk in the community cooperation space. They concluded with a message of encouragement so that the ASIAN ELEVEN vs. U-18 Tohoku selection match would be fruitful. Their project was successful.

 

[In front of the Tanbo-Art.]

 

[On the bus during the tour]

 

[At school]

 

【探究】3年次スポーツと健康ゼミプロジェクト企画フィールドワーク

 先週は前期中間考査でしたので、2週間ぶりの探究となりました。今回は、3年・スポーツと健康探究ゼミに所属する内田 淑人君、成田 聖太君が行ったフィールドワークを取材してみました。

 本来は前述した二人に加え、酒井 彪我君を加えた3人で活動しています。本日、酒井君はサッカーの合宿のためフィールドワークには参加できませんでした。そのため、2人は酒井君の分までプロジェクトを前進させようと初めからトップアスリート系列らしく軽快なフットワークで頑張りました。

 さて、3人で進めるプロジェクトは「広野町の観光施設を子どもたちとお年寄りが一緒になってウォークラリーを行うことで、お年寄りはより一層元気に、子どもたちはこれまで知らなかった地域のことを学び取る」と、いった互いの良いところを生かしたWin‐Winなイベントの実現です。

 そこで、これまで彼らは広野町役場の方とアポイントを取り、地元の観光地について学んできました。今日は役場の方から紹介していただいた鈴木 正範さんから広野町に残る自然や歴史資源をレクチャーしていただくことになりました。驚いたことに、町役場を経由することになってしまいましたが、鈴木さんはふたば未来学園高等学校を支援する会 会長です。とても遠回りしてしまった印象ですが、鈴木さんは自作のプリントも含め、2人に沢山のことを教えてくださいました。

 鈴木さんは広野町観光協会の会長をこれまでの4年間勤めています。「地元には目立った良いところがない」ではなく、まず地元を好きになることを皮切りに、人に紹介できるようになることで地元の資源を生かした観光ができるようになることをコンセプトに現職に就いていらっしゃるとのことでした。

 さて、鈴木さんの自宅でのレクチャーや休耕田を利用して植栽しようとお庭で育てている蓮の苗を見せていただいた後は鈴木さんの運転する車で広野町をフィールドワークしました。

 

 初めに訪れたのは海岸線にある「奥州日之出の松」です。生憎の雨でしたが、3代目となる松の由来などについて教えていただけました。

 

 次に訪れたのは浅見川の水源である五社山です。ここでは浅見川の水位の低下の原因や広野町の水道水がきれいな理由など自然に関することを学びました。さらに、五社山の登山道入り口を超え、山間に車を進めると箒平(ほうきだいら)地区があります。ここはいわゆる限界集落で、空き家となってしまった住居は多く残っているのですが、実際の人口は5人ほどとのことでした。思いがけず社会的な課題にも触れたことで、二人のフィールドワークは意義深いものとなりました。

 鈴木さんが熱心に教えてくださったり、二人が積極的に質問したりしたので予定以上に時間はかかってしまいましたがとても良いフィールドワークになりました。

学校に戻ってからは振り返りを行いました。自分たちのこれまでの想定をこえる地元の観光資源や課題に触れたことで、二人の頭の中はぐちゃぐちゃな状況になってしまいました。さらに時間をかけ、課題を整理し、実践や論文での発表に向けて邁進してほしいところです、がんばれ!

【中学校】 未来創造学 6月19日

 この日はまず、先週行った高校の先生方へのインタビューで聞き取った内容を、「他己紹介」の形で発表しました。

どのように発表すれば、高校の先生の人となりがうまく伝わるのか、研究しています。

 

そして「他己紹介」の開始です。

 

 聞いている生徒たちも聞き取りの仕方や秘密情報の引き出し方など、興味津々です。

 

 2,3年生はカフェの奥にある「地域協働スペース」で、地域調査のための事前確認を行っています。このスペースでは、3画面で視覚的に様々な情報を取り入れ、探究活動につなげることができます。

広野町、楢葉町、川内村、富岡町の様子を見ていきます・・・広野町を拡大すると・・・まだ本校がありません!

 後半は1年生も地域の様子を見ています。この時間で、双葉の地域調査に向けて探究意欲を大いに高めることができました。

【中学校】未来創造学 6月12日

 この日のミッションは、今後行われる地域の方々へのインタビューを想定した、高校の先生方へのインタビューです。インタビューした内容は「他己紹介」の形で発表する予定です。

 生徒たちは普段接することの少ない高校の先生方へのインタビューを前に、緊張感をもって事前の活動に取り組みました。

 はじめに生徒相互でインタビューを行い、「他己紹介」するための方法を学びます。

お互いに「他己紹介」した内容を発表して相互評価する中で、適切に情報を得るためにどのようにインタビューしたらよいのか話し合っています。

 そしていよいよ高校の先生方にインタビュー。緊張感が漂っています。

 しかし高校の先生方の興味深いお話を聞く中で質問が増え、当初15分程度の予定だったインタビューの時間が伸びに伸び、授業終了ぎりぎりに戻ってきた班も多く見られました。

来週は共有したインタビュー内容をより分かりやすく伝えるためにどうしたらよいか話し合い、発表します。こうしてインタビュースキルを高めていきます。来週の活動も楽しみです。

【探究】高校探究の様子と、探究担当教員月次ミーティング

 新学期からの学校生活も2ヶ月が過ぎ、夏休みまでの折り返し地点といったところでしょうか。来週には前期中間考査があり、生徒たちも学習に力を入れ始めています。いつもはリラックスした雰囲気の地域協働スペースも、勉強している生徒達で若干の緊張感が感じられます。

 さて、今週の探究の授業の様子です。今回は番外編もありますので最後までお付き合いください。

 1年生は外部講師として石ヶ森久恵先生をお呼びしました。石ヶ森先生はマインドマップ、フォトリーディング等の「知識創造メソッド」と言われる各種コンテンツの開発等を手がけられており、ビジネス界、教育界で活躍されておられます。今回は希望の未来への地図を描く「フューチャーマッピング講座」を実施していただきました。私たちは通常、未来を小ステップで、努力できそうな範囲で考えることが多いですが、遠い未来のあるべき姿から考えていくことを教えていただきました。その未来を実現するために必要な状況をどう作るか、それを考えることが重要とのこと、実際に自分のフューチャーマッピングを描き、その手法を学びました。石ヶ森先生の軽快な語り口に乗って生徒たちもどんどんマップを作っていきました。描いた未来を本気で実現するよう頑張ってほしいものです。

 

 2,3年生はゼミに分かれての探究活動です。2年生はゼミ配属後3回目の授業であり、ほとんどのゼミはテーマ探索や知識のインプット活動でした。唯一、再生可能エネルギー探究ゼミは早くもテーマを決めている生徒が多く、実験をどんどん進めています。これまで先輩が行ってきた電池系のテーマを考えている生徒がおり、担当教員のアドバイスのもと、いくつかの電池を製作しました。

 

 3年生では今回、健康と福祉探究ゼミを取り上げます。協働学習ルームでは生徒と地域の方が相談事をしていました。生徒の発案で、地域の方と料理教室を行いたいとのこと。学校の近くにお年寄りがよく集まっている集会所があるとの情報を聞きつけ、そこの会長さんにきていただき、どんな会にするのか、どういうメニューがいいのか等々、実践に向けて多くのことを相談できたようです。3年生にとっては探究活動の時間も徐々に少なくなってきています。実践を重ねて自分の納得のいく成果を出していきましょう。

 

 さて、最後に番外編として教員の活動も紹介します。各学年の担当教員の情報交換の場として、月に一度、担当者ミーティングを実施しています。本日は上記の探究の時間の後に、2年生の担当教員20名ほどで実施しました。これまでは情報伝達がメインの会でしたが、今回から情報共有をもとに研修のようなスタイルとしました。生徒との関わり方等について、Keep, Problem, Try の観点から小グループで協議し、全体で共有しました。探究活動の指導手法についてはどこの学校でも手探りの状態だと思いますが、こういった会により手法を蓄積していけるとよいと思います。

【中学校】 演劇ワークショップ 5/31

 今年度2回目となる演劇ワークショップが1年生を対象に行われました。今回もPublicから4人の講師の先生がお越しくださいました。

 今回のテーマは「インプロビゼーション(即興)」です。

 座って本を読んでいる講師の先生が立たざるを得なくなるシチュエーションを生徒が演劇で考えるという内容です。ポイントは講師の先生が、90秒の制限時間内に、「自分から立ちたくなる」という条件付きで演じていること。生徒たちは3~4人一組になって作戦を考え、演劇のシナリオを作りました。監督、シナリオライターなどの裏方と実際に演じる俳優役を決めて練習しました。

 

 本場に先立ってまずは先生方が挑戦! 結果は…秘密です(笑)

 そしていよいよ本番・・・。本を読む人を演じる講師の先生は手強く、生徒たちが考えたシナリオを論じ返して、なかなか立たせることができません。

 1、2組とも、迫真の演技が繰り広げられました。生徒たちの意外な側面も次々に飛び出しましたが、結果は全チーム惜敗。

 今回の演劇ワークショップは、前日の哲学対話と連結させて行いました。哲学対話では「なんだかイヤな人、苦手な人」との付き合い方を哲学しましたが、それを踏まえて自分の思うように動いてくれない相手とどのように関わればよいのか、動いてもらうためにはどうしたらよいのか、今回の演劇ワークショップでは、実際に頭ではなく、心と身体を使って活動しました。私と違う相手とどう向き合っていくのか、人の心は何によって動くのか、価値観の違う人との付き合い方を考える、とても意義あるワークショップになりました。

SGH通信①

 先週末からの30℃を超える季節外れの暑さも一段落し、午前中は冷たい雨が降りしきる一日でした。そうした大きな気温の変化のせいか、生徒たちの服装もブレザーを着てみたり、既に半袖であったり、ベストを着用してみたりと様々です。

 さて、本日の探究の時間の報告です。1年生はスタディサプリ適性検査を行いました。残念ながら写真はないのですが、検査後には「自分のなりたかった職業についての適性が高かったので嬉しかった。」といったような生徒の感想を聞くことができました。これからのキャリア形成に生かしてほしいですね。

 次に2年生です。再生可能エネルギー探究ゼミは2・3年生合同で実験を重ねていましたが、その他のゼミではゼミの特長ごとに必要な事項のインプット学習を行いました。例えば、原子力防災ゼミでは「地域・社会の理解を深める~知らないことを知る~」と、題して課題を見出し、探究テーマを探し出す活動を行いました。ワールド・カフェを採用しながら、ブレインストーミングの中で出てきたワードについて次々に共有していました。とても活発な活動で、深い対話ができていることが見て取れました。

 

 最後に3年生です。引き続き探究活動をそれぞれのゼミやチームで進めました。今週クロ-ズ・アップするのは、スポーツと健康ゼミでミニ・ゴルフを通した人口交流を目標にしている8人組チームです。「誰を対象にするのか?」,「どこで行うのか?」など具体的になっている項目もあるのですが、サッカー部員と野球部員から構成されるこのチームにはこの時期如何せん、時間がありません。うまく部活・勉強・探究をマネジメントして欲しいものです。