ふたば未来学園の日々

カテゴリ:中高探究学習

6月20日(水)3年次未来創造探究・メディアコミュニケーション探究班メディア

 双葉郡内の8町村の広報誌は、SNS上で広野町や本校の良質な情報発信を行うことを目的としているチームにとって良いお手本です。そこで、長年にわたって広報誌をはじめとした郷土資料を広く網羅し、収集してきた富岡町文化交流センター「学びの森」を訪ねました。

 「学びの森」は蔵書約8万冊を誇る図書館を中心とした複合型文化施設で、平成16年10月に開館しました。図書館の他、500人収容の大ホール、歴史民俗資料館、茶室などを備えています。東日本大震災では、東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示が出るまで町災害対策本部が設置されました。しかし、その後の町全体の長期避難による劣化で配管から水漏れし、床や天井、壁などが破損してしまいました。

富岡町は昨年4月に町の一部が避難解除となり、さくらモールをはじめとした商業施設や日本原子力研究開発機構(JAEA)国際共同研究棟、ふたば医療センターなどを中心に徐々にではありますが町に活気を取り戻しているところです。そこで、震災前には浪江町、大熊町、双葉町にも配置されていた図書館の中では初の再開として、この4月に開館しました。

対応してくださったのは震災前から勤める富岡町教育委員会の三瓶さんと司書の星さん、東山さんの3人です。

復旧工事や再開に向けた困難の状況を伺ったり、広い館内を案内していただいたりしました。その中でも一番印象的だったのは、それぞれ言葉は違っても「日常」を求めているということでした。震災から7年以上が経ちましたが、メディアコミュニケーション探究班が行う発信も誰かの「日常」のための手助けになればと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月6日(水)未来創造探究について

 今日から関東地方は梅雨入りしました、例年より1~2日ほど早いそうです。そして“東北に春を告げる町”といわれる広野町も夕方から小雨が降る一日でした。また、昨日から考査一週間前となりました。今回の考査は新1年生にとっては高校生活最初の考査であり、3年生にとっては就職活動やAO入試で用いられる3年間の評定が一旦確定する大切な考査です。

 それに伴い、恒例の「放課後学習会」も5日(火)の放課後から始まりました。放課後学習では福島大学生を中心に総勢19名の大学生とカタリバスタッフで生徒の学習指導を2時間程度行います。本校生にとっては“恒例”行事ですが、他校に比べるととても“貴重”な取り組みです。機会を大切にして大事な考査に向けて努力してほしいです。

 

 さて、未来創造探究についてです。メディアコミュニケーション班コミュニケーション・チームはかねてから計画していた広野中学校でのワークショップを開催しました。以前に富岡町・心のケアセンターの渡邊正道さんから教えていただいたアイスブレイクを皮切りに中学生との心の距離を縮め、悩みなどを聞き取り、共に考えました。前述したカタリバさんの手法である大学生と高校生の“ナナメの関係”を中学生と高校生に活かしたわけです。これからの活動で今日のワークショップを分析し、新たなPDCAサイクルを作っていく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月30日(水)3年次未来創造探究

 早いもので今回が5月最後の探究の時間でした。ほんの一か月前には快晴の遠足であったり、ゴールデンウィークであったりしたのに次回行う際には夏の装いです。そして、5月は放課後の時間を利用した担任との面談だけではなく、探究担当者との面談(壁打ち)を行いました。3人の担当者それぞれと

①現在のプロジェクトの進行状況や目的、今後の見通し
②チームの人間関係
③自分自身の進路(未来)
について話し合いました。また、セルフエッセイ作成や進路探究(木3コマ)とも絡み合いながら生徒は探究活動だけではなく、自分自身のことも深められた一か月間だったのではなかったでしょうか。どの生徒との会話をとっても1年次より周囲に対して寛容であったり、自分自身のことを客観的に考え進路を選んでいたり、苦しい探求の展開でも話を弾ませて話ができたりできるようになったことに成長を感じました。

 

 まず、原子力防災探究班です。楢葉町・楢葉遠隔技術開発センターから中井俊郎副所長等をお招きし、施設の紹介、プロジェクトの壁打ちを行いました。最も興味深かったのは、防護服の着用体験です。生徒は初めての体験だったらしく、とても興奮していました。

 

 さて、メディアコミュニケーション探究班ですが、今週も3班3様な活動を行いました。まずは富岡町・さくらモールでインタビューを行った「真ん中チーム」を紹介したいと思います。心配された雨の影響もなく、予定通り5人でインタビューを行うことができました。当初予定していた富岡町役場でのインタビューは先方の都合で行うことができませんでしたが、来店されていたお客様に積極的に声をかけ、貴重な意見を持ち帰ってくることができました。全国からSNSで集めている双葉郡や震災事故についての意見とまとめ、これから分析していくそうです。

 次に、コミュニケーションチームです。来週に行う予定の中学校でのコミュニケーションワ-クショップについての計画と準備を行いました。成功することを期待しています。

 最後に、メディアチームです。更新の頻度や担当者などプロジェクト実施に向けて大枠は固まってきた印象です。しかし、最も大切な記事やその内容について、机上の空論を脱しない状況です。小中学校で学んだ社会科での地域調べや、町や村が行う名所旧跡案内にはない観点とこれまでの学習や独自の取材から得られた“知”を盛り込んだ内容を記事にしていって欲しいです。

未来創造探究生徒探究結果発表会まで、あと7回!

 

「カタリ場」プログラムが行われました

 5月23日(水)の5・6校時、1年次の「産業社会と人間」で、NPO法人カタリバによる出張授業「カタリ場」が行われました。本プログラムは、大学生ボランティア(先輩)とのナナメの関係での対話を通じて、生徒に高校生活や将来に向けて動機づけすることをねらいとして実施されました。

 生徒たちは、これまでの経験を語る先輩の話に真剣に耳を傾けるとともに、現在の自分と向き合い、深く内省しているようでした。授業の最後に、生徒それぞれが今日から取り組む行動目標について、先輩や友人と約束を結びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月23日(水)3年次探究活動

 5月も終盤を迎え、あと10日もすると衣替えです。しかしながら、この日は若干肌寒さを感じる一日でした。

 この日、3年次未来創造探究では、以下のような取り組みをそれぞれ行いました。

① 原子力防災探究班:4チームに分かれて探究を深めました。それぞれのチームが自走していて、

 主体的な活動だと感じまし  た。また、巨大な付箋紙を使用するなどツールの使い方も上手でした。

② メディアコミュニケーション探究班:3チームに分かれて活動をしています。

 (ア)メディアチーム7人はここにきて大きな転換期を迎えています。それというのもこれまで進めてきた「紙芝居プロジェクト」が頓挫してしまったからです。そこで、新たにチームが合併する形でSNSでの情報発信に向けて始動したところです。テーマや役割といった大綱から更新頻度など小さなことまで黒板や思考ツールを用いて話し合っていました。そういった思考ツールの活用も身について来て、頼もしく感じました。


(イ)真ん中チームは先日19日(土)に行った富岡町でのフィールドワークの振り返りを行いました。いつの間にか「富岡町文化交流センター 学びの森」や「茨城大学」と連携して意見交流を行っていて、素直に感嘆しました。引き続き来週30日は富岡町役場でのフィールドワークを実施する予定です。

(ウ)最後に、コミュニケーションチームです。6月6日(水)に予定する広野中学校での「つながりワークショップ」に向けた準備や他の双葉郡内の中学校へのアンケート作成を行いました。安定してプロジェクトが進められているチームです。
 

 今回は2班だけの紹介になってしまいましたが、いずれの探究班でも「知」につながる活動が展開されました。未来創造探究生徒研究成果発表会まであと9回です!

 

5月16日(水)3年次未来創造探究

 先週までのセルフエッセイ作成を引き続き行う探究班があったり、すでに次のプロジェクトに向けてフィールドワークを実施する探究班があったり、プロジェクトに向けた調べ学習をパソコン室で行う班があったりと夏の花畑のように百花斉放な様相を呈していました。

 さて、ふたば未来学園高校では探究班の担当教員同士で情報・ツールの共有を行う機会を設けています。例えば、今週のメディアコミュニケーション探究班では原子力防災探究班が先週行った「担当者との2者面談」を実施しました。主に、現在のプロジェクトの進捗状況とチーム内での人間関係について話しました。何か担当教員から答えを一方的に与えるのではなく、担当者を壁や自分自身の鏡に見立て、頭の中だけにある考えを言語化し外に出すことで、思考を構築していくことを手助けすることが目的です。9月19日の未来創造探究生徒研究成果発表会まであと10回ということでどの生徒も、どの探究班でもまとめに向けて加速度を増してきた印象でした。

最後に、この時間は福島県選出の国会議員 玄葉 光一郎代議士や遠藤 智広野町町長が参観に来てくださいました。こうした外部の大人からの意見がそれぞれのプロジェクトの深みを増していくきっかけになるので、生徒は緊張しながらも自分たちの目指している目標や理想とする将来について説明していました。

 

高崎経済大学附属高校の皆さんと交流会を行いました。

5月14日(月)高崎市立高崎経済大学附属高等学校の

オナークラスの皆さんが、ふたば未来学園に来訪されました。

スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校同士の

交流ということで、双方の学校紹介、活動紹介などを行い、

限られた時間でしたがグループごとのフリートークで

 震災当時の話をするなど内容の濃いひとときを

過ごすことが出来ました。

 オナークラスの皆さんは、1泊2日のプログラムで、

ほかには、富岡町内や、楢葉町遠隔技術開発センターなど

訪問されるそうです。

 お互いの交流を通して、群馬のこと、福島のことを

知り合うこと、繋がることが出来ました。

オナークラスの皆さん、ありがとうございました!

交流会の様子

 

5月9日(水)ほぼ一月ぶりの3年次未来創造探究

 年度初めの様々な行事やゴールデンウィークの影響で4月18日(水)以来となる未来創造探究を行いました。それではこの期間、探究活動は全く行われていなかったのでしょうか?

実は、この探究空白期間を上手に利用して、生徒たちはウェブ上で各担当の先生とやり取りしながらセルフエッセイ(注1)の深掘りを行っていました。そして、9日(水)はその発表会を行いました。しかし、単なる発表会ではなく、2年次に“未来創造学”で学んだ“輪読”の技法を活用したものでした。

具体的には3~4人のグループを作り、ワークシートと共に自身のセルフエッセイを回します。各自読んだら批判的な視点からの感想と、今後の探究へのアドバイスをワークシートに記載します。最後、戻ってきたワークシートに書かれた内容を読み込み、さらに改善し、セルフエッセイの完成となります。完成したセルフエッセイは今後の探究活動だけでなく、きっと論文や各自の進路にも生かされるはずです。

その後、これまでの探究活動の継続をしました。これから5週間、前期中間考査までは毎週水曜探究活動が絶え間なく行われます。良いアウトプットができることを期待しています。

ふたば未来学園のイメージって??

  「あなたって、悩みなんか無さそう」と、言われ、「実は繊細なのになぁ」と、思ったような経験はありませんか?本校の場合、学校単位でそういったイメージとのギャップがしばしば発生します、「有名人がたくさん来ていそう」とか。

 確かに、平田オリザ先生をはじめ著名なふたばの教育復興応援団の方に来ていただき、貴重な指導を頂ける機会もありますが、そういった特別でない、いわゆる普通の授業も展開しています。それは、普段からの当たり前な学びがあってはじめて特別な学びが活きてくるからです。

 例えば、4月11日(水)に行われた3年・未来創造探究では「セルフエッセイを作成しよう!」を行いました。このセルフエッセイは3年次探究の最後に控える論文制作の核になることは勿論、自分自身のアイデンティテイの確立にもつながる大切な活動です。

これまでの自分自身の震災体験など生い立ちや地域の分断や偏見に関わることをスタートに、本校でのこれまでの学び、そして9月の成果発表会までに実現していきたいことを第三者へ語る形で記載します。目安は1200字程度です。分量の多さや掘り下げていくことの難しさに生徒たちは大変だと言いながらも夢中になって取り組んでいました。そのため、授業後には「先生、明日までもうちょっと書き足してもいいですか?」とか、「昔のことを親にも聞いて来てみたいんですけど」と、言ってくる生徒も大勢いました。気になる内容ですが、小学校での避難先でのいじめの経験を記載する生徒もいました。今後は担当教員と壁打ちをしながら5月はじめまでの期間を使って完成を目指し、それぞれの探究班ごとに発表会を行う予定です。

【メディア・コミュニケーション探究班(2年次)】外部講師講話

 2月21日(水)5・6校時は、2年生が未来創造探究授業を行いました。
 今回のメディア・コミュニケーション班では、福島県広報課とふくしま心のケアセンターから総勢6名の方にお越しいただき、班ごとに自分たちの探究活動に対するインプットやアドバイスをいただきました。
 中学生との交流会を計画している班では、心のケアセンターの渡邊さんより「親しみやすいコミュニケーションのコツ」というテーマでワークショップを開催していただきました。
 生徒の中に大人も一緒に入り、「コミュニケーションとは何を伝えるかだけでなく、(相手からの発信に対して)何を思うかということも含む」ことや、対人コミュニケーションでは言葉の意味だけでやりとりが行われているわけではなく、声のトーンや表情、身振りなどからもたくさんの情報を受信しているということを実際のゲームや活動を通して体感することができました。
 生徒が自分たちで知りたいことを知るために心のケアセンターを探し、アポイントメントをとって心のケアセンターの方をお招きすることができたこともあり、積極的に活動に参加する様子が見られました。
 また、SNSを活用する班や学びの歩みを冊子にまとめながら双葉郡についての理解を広げる活動を行う班では、県の広報課の方より実際に行っている広報活動の紹介を通して、より多くの人に手に取ってもらいやすくするための工夫を教えていただきました。
 生徒からは「これまで自分なりに発信をしてきたのでSNSでどのように発信すればいいか戸惑う部分もあったが、自分の中で方向性が決まった」「活動の中で何度も方向転換をしてきたが、やっと考えがまとまった。今日学んだことを校外活動に活かしていきたい」というような声が聞かれ、今後の探究活動を加速させる足掛かりとなりました。
 次回は中間発表に向けた準備と予行練習を行う予定です。

☆心のケアセンターの渡邊さんとのワークショップの様子
 
 ☆伝え方の難しさを体感するワークの様子
 
☆広報課の方より広報リーフレットを参考に伝え方のコツを伺う様子