ふたば未来学園の日々

カテゴリ:中高探究学習

第4回ふるさと創造学サミットに参加しました

 12月9日(水)ビックパレットふくしま多目的展示ホールにて、第4回ふるさと創造学サミットが行われました。
ふるさと創造学とは、震災で子どもたちが得た経験を、生きる力に」との思いからはじまった、双葉郡8町村の学校が地域を題材に取り組む、探究的な学習活動の総称です。
子どもたちの実践的な学びが地域を勇気づけ、地域の人びととの出会いが子どもたちの学びを充実させる、教育と地域活性化の相乗効果を生み出そうと作られた「双葉郡教育復興ビジョン」を基に、平成26年度にスタートしました。
このサミットの主催は、福島県双葉郡教育復興ビジョン推進協議会であり、本校と双葉郡の中学校は、連携型中高一貫校ですが、その連携を深める大きな行事となっています。

本校から生徒会役員6名、未来創造探究発表者3名、社会起業部1名の計10名が参加しました。オープニングセレモニーの後のセッションで、本校の未来創造探究で取り組んでいる「原子力防災探究」と「メディア・コミュニケーション探究」の発表をしました。

 ランチタイムには「双葉郡生徒会連合」の企画としてアイスブレイクが行われ、中高生が交流しました。夏に行われた「中高生交流会」で交流した中学生と本校生が話している姿も見られ、これらの会を通して双葉郡の中高生の繋がりが深まっていることを感じました。
 また、会の最後には復興大臣の吉野正芳様もお越しになり、本校生と話をする場面もありました

<原子力防災探究の発表内容>
・ 震災によって大きく変化したことと新しく見えてきた課題
・ 風評被害払拭やコミュニティの場の創生のために取り組んだファーマーズマーケットの取組み
・ 地域と社会に対する提言
<メディア・コミュニケーション探究に発表内容>
 ・ 高校生による根拠ある情報を発信し、全世界に正しい福島県・双葉郡を知ってもらう実践
 ・発信者として気をつけるべきこと
 ・情報の受け手として気をつけるべきこと
 ・全国や世界との課題を照らし合わせた上での提言

<参加者のコメント>
・ 英語で発表していたのがすごいなと思いました。日本人、外国人のどちらにも分かるように工夫されていておどろきました。グラフがたくさん使われていて、どのくらい数値なのかがよく分かりました。(中学生)
・ ふたば未来は、双葉郡が世界のシンボルになるためにいろいろなことを考えているのが分かりました。アンケートなどもやっていてすごいと思いました。(中学生)
・ 非常に分析的に探究しているので、何度もうなずくところがありました。さらに実践を重ね、来年の研究成果も聞かせてほしいと思いました。(一般)

<発表の様子>
 
 
<アイスブレイクの様子>
 
<吉野正芳様と話す様子>
 

【アグリビジネス探究班(2年次)】広野町と楢葉町の農産物の収穫

 平成29年11月22日(水)、2年次アグリビジネス探究班は広野町と楢葉町に分かれて農産物の収穫を行いました。
広野班は、みかん農場(広野町高倉)にて、広野町立広野幼稚園の園児と一緒にミカンの収穫を行いました。また、公民館にて地元町民が行っている食品スクリーニング検査の体験も行い、食品の安全性の確認を行いました。
楢葉班は、ゆず農場(楢葉町:松本さん経営)にて、楢葉町立あおぞらこども園の園児と一緒にゆずの収穫を行いました。
今回収穫した果実は、3年次ビジネス基礎選択者や2年次商品開発選択者によって商品化され、第1次産業を取り巻く環境の重要性について再確認し、地域復興とPRに努めていきます。

<出発前>
☆福島県あったかふくしま観光交流大使のなすびさんから応援の言葉をいただきました
 
<広野班>
☆なすびさんと一緒に、みかん農場まで歩きました
  
☆みかん農場では、地元園児と一緒に収穫しました
   
   
 
☆収穫したみかんを、広野町公民館にてスクリーニング検査を体験しました。
 地元の農産物の安全性を確認しました
     
 

<楢葉班>
☆ゆず農家の松本様よりアドバイスを受けました
 
☆ゆず農場では、地元園児と一緒に収穫しました
   
   
  ☆収穫したゆずを、木戸川沿いの検査場にてスクリーニング検査を体験しました
 地元の農産物の安全性を確認しました
   

国際理解講演会が開かれました

 12月5日(火)1年次生を対象に国際理解講演会が開かれました。
 イラク支援ボランティア、エイドワーカーとして活動している高遠奈穂子さん、NPO法人アースウォーカーズの代表をしている小玉直也さんを講師にお迎えしました。
●高遠さんからのお話
 2003年からのイラクでの活動の様子を話していただいた。戦争から逃げることはとても大変なことで、目の前で爆弾に巻き込まれて家族が殺されたイラク人の話や、住宅地が戦場になること、戦争前までイラクは多民族共生の社会であり、宗教も民族も超えて、家族として生活していたが、戦争で分断されてしまったことを聴くことができました。
●小玉さんからの話
 テレビやインターネットの情報は限定的であるため、多くの正しい情報を得る努力をしないと、真実はわからないということ。英語もスポーツも積み重ねであるため、どんな人でも夢を追い続けていく限り、成長の速度に差はあれ、できるようになることを聴くことができました。
 その後、グループにわかれ、講演内容についてディスカッションを行い、質疑応答をおこない、すべての質問に丁寧に回答していただきました。
 生徒からは、「いかに世界のことを知らないのかがわかった。海外のメディアを見ながら世界の情勢と英語を学んでいきたい。」という感想がありました。

<活動の様子>
 

【未来創造探究授業(2年次)】プレ中間発表会を行いました

 11月27日(月)3校時は、2年次生が未来創造探究授業のプレ中間発表会を行いました。発表会では、6つの探究班の代表者がグループや個人の探究学習の進捗状況を発表しました。
普段は、自分が選んだ探究班の中だけで探究活動を進めているため、生徒同士がほかの探究班ではどんなことを考え、何をテーマにして活動をしているのかを知ることのできる貴重な機会となりました。
原子力防災班では、双葉郡の正しい情報を確実に伝えたいという思いをもとに「五感を使って体感!相双地区を巡るツアー」を企画するグループが代表で発表しました。被災地で行うツアーは、珍しい取り組みではないけれど、ふたば未来学園の高校生である自分たちだからこそ届けられるツアーは何か?ということを語りました。
今後はこのツアーを通してそれぞれがもっている双葉郡に関する課題意識をどのように解決していくかを探り、活動を進めます。

☆原子力防災班の発表の様子
 
☆パワーポイントを使ってスクリーンに内容を映して発表しました
 
☆発表を聞き、メモをとる2年次生の様子
 

【産業社会と人間】クラス内演劇発表のお知らせ

1学年次保護者 各位
取材先関係者 様

 1年次の授業「産業社会と人間」では、劇作家・演出家の平田オリザ先生の指導の下、地域の課題を演劇で表現する活動を実施してきました。
 そのクラス内演劇発表を下記のとおり行いますので、お越しいただき御覧ください。

○日時
12月5日(火)
 8:50~10:20 1年1組
10:30~12:00 1年2組
12:50~14:20 1年3組
14:30~16:00 1年4組
※時間は前後する場合がございます。

○場所
 ふたば未来学園高等学校 武道場
 (体育館の下のフロアになります。武道場南入り口(築地ヶ丘公園方面)
 からお入りください。)

 <変更>
  ふたば未来学園高等学校 B棟3F 総合実践室

○受付
 ふたば未来学園高等学校 正面玄関
 ※校舎へは、こちらからお入りください。

【メディアコミュニケーション探究班(2年次)】講演会を開催しました

 11月8日(水)、メディアコミュニケーション班(2年次)18名を対象に、講演会が開かれました。講師として、福島大学うつくしまふくしま未来支援センターから特任教授 天野 和彦先生にお越しいただきました。先生は、特別支援学校の教員を務め、その後長期に渡り、社会教育や生涯学習の推進に携わってきました。東日本大震災の際には、県内最大規模の避難所である「ビッグパレットふくしま」の責任者として運営に携わってきました。
 今回の講演会では、心の通った“交流”のあり方、本来的な“自治”の大切さについて講演をいただいたり、グループごとにワークショップを行ったりしました。漠然と「人は一人では生きていけない」ことは皆知るところでしたが、避難所やその後の経験を聞くことで生徒はそれを実感することができました。今後の未来創造探究やこれからの学習と成長にぜひ生かしてほしいです。

☆講演会の様子



【原子力防災探究班(2年次)】広野町役場環境防災課へ訪問しました

 11月8日(水)5・6校時、2年次生が未来創造探究の授業を行いました。
 原子力防災班では、広野町役場環境防災課の鯨岡公一さん、今西岳晴さん、横田侑哉さんからのご講義のあと、生徒たちが進めている探究学習の内容に関して、広野町で行政に携わる方の立場からアドバイスをいただきました。
 復興の取り組みについて、鯨岡さんが、3.11以降、一番嬉しかった変化は、「幼小中が再開し、子どもが戻ってきたこと」「ふたば未来学園高校が開校し、高校生世代が広野町に来てくれたこと」「出産等に関わる風評被害がまだあるにも関わらず、多くの女性職員が広野町役場の職員に加わってくれたこと」であるとお話しいただきました。また、3.11当時の、通信も絶たれ「西の方へ避難してください」としかアナウンス出来ないほどの混乱を教訓にした現在の防災体制についてのお話や、震災のみならず台風やミサイルなどの脅威から広野町の人々の安全を守るために、緊急速報メール・防災行政無線・LED表示版等の設備を駆使して日々お仕事をされているということも伺うことができました。
 生徒たちはメモを取りながら熱心に話を聴いていました。特に、防災に強く関心を持つ生徒の1人は、職場見学中も職員の方に、積極的に質問を重ねていました。
 生徒からは、「実際に役場でやっている取り組みを間近で見ることができて良かった。」「自分たちの探究の取り組みを、役場の職員の方に話してみて、質問やフィードバックをもらうことができ、探究が進んで良かった。」「防災ラジオが広野町民に配られている話などを聴き、きちんと対策がされていることに感心した一方、広野町だけなのはもったいないと思った。」というような感想が挙がり、今後の探究学習を進めるにあたってのヒントを得ることができました。

 次回は、11月27日(月)に行われる未来創造探究授業プレ発表会の準備をする予定です。

☆実際に災害対応時に使われている設備の解説を聞いている様子
 
☆防災に関心の強い生徒が職員の方にインタビューをしている様子
 
☆生徒が自分たちの探究内容に対してアドバイスをもらっている様子
 

【アグリビジネス探究班(2年次)】浅見川へFWに行きました

11月1日(水)5・6校時は、2年次生が未来創造探究の授業を行いました。アグリビジネス探究班では、広野町のシンボルである浅見川へ行き、ひろの防災緑地サポーターズクラブの鈴木正範さんからお話を伺いました。
鈴木さんからは、ひろの防災緑地サポーターズクラブが行っている防災緑地のお話から、竹女物語、高倉城伝説など土地にゆかりのある昔話、姥嶽蛇王神社の歴史など幅広く浅見川や広野町にまつわるお話を伺うことができました。震災当時のお話の際には、生徒から質問が出る場面もありました。
話を聞いた生徒は、「(防災緑地といった)津波への対策が施されていることが知れてよかった。」「広野町は地元でよく浅見川に遊びに行っていたが、姥嶽蛇王神社のできた理由を初めて知って驚いた。」「広野の歴史や自然に改めて触れて、今までよりも広野町が好きになった。」というような感想が挙がりました。
 そして、浅見川は、NPO法人浅見川ゆめ会議の取り組みによってきれいになり、その結果、鮭も遡上するようになり、農作物もおいしくなったことを知りました。
 アグリビジネス探究班としては、第1次産業を取り巻く環境の重要性について再確認することができました。

 次回からは、個人を中心に自分のテーマに関して探究を進める予定です。

<鈴木さんから浅見川に関するお話を伺っている様子>
☆震災時の状況について講話
  
 
☆前回のフィールドワーク後に開通した「日の出橋」にて
 
☆姥嶽蛇王神社・奥州日乃出の松にて、伝説の講話
 
☆浅見川には鮭が遡上していました
 
☆前回のフィールドワークでゴミが多いと気付いた生徒は、ゴミ拾いをしながら参加しました
 

【アグリビジネス探究班(2年次)】最高で最後の梨について

平成29年10月15日(日)、広野町国際フォーラムにて、商業選択者が「保護者と教師の会」の協力で販売実習を行いました。
アグリビジネス探究班(2年次26名)では、双葉郡の農業について調査をしていました。その過程で、震災により大熊町から千葉県香取市で、梨農家を続けていたフルーツガーデン関本さんの訃報を知りました。関本さんが育ててきた大熊の梨をもう食べることができないことを知り、自分たちにできることは何なのかを話し合いました。その結果、関本さんの梨をお菓子に加工して販売し、多くの方に関本さんの最後の梨を食べてもらうことにしました。
関本信行さんが育てた、大熊の梨。アグリビジネス探究班は「最高で最後の梨」と表現しました。この味と思いを忘れずに、双葉郡の農業について探究を続けていきたいと思います。

<大熊の梨をみんなに伝えるには?>
☆フルーツガーデン関本さんの梨を試食
 
☆梨をコンポートに加工
 
☆パウンドケーキに加工
  
☆おいしく焼きあげました
 
☆一切れずつ包装
   
☆製造ラベル貼り             ☆商品POP作成
   
☆作成した大熊の梨POP
 
☆商業選択者が販売したフルーツガーデン関本さんの最後の梨
 
<フルーツガーデン関本さん>
☆平成29年11月3日(金)に感謝祭ファイナルが行われました。
  

日本大学工学部「ロハスの家」見学ツアーに参加しました

10月29日(日)、本校の再生可能エネルギー探究班、社会起業部、1年次生希望者の計8名で、日本大学工学部「ロハスの家」見学ツアーに参加しました。
<日本大学工学部 伊藤耕祐准教授の講義内容>
・経済成長には限界があり、健康で持続可能な生活をするためには再生可能エネルギーは不可欠であること。
・勉強は大切であり、勉強しないとAIに使われる仕事しかなく、勉強すればAIを使う仕事になる。
・エネルギー自立、材料自立、水自立、快適健康空間の4つを達成することで、産業・コミュニティ・社会基盤が構築できる。

 <ワークショップ>
 須賀川高校、原町高校、小高産業技術高校の生徒とディスカッションを行い、福島県の中小企業でも、部品の特許を多く持っていることから、競争ではなく協力により大きな仕事を成し遂げられることを学びました。また、現場で実験することによって、理論だけではわからない詳細がわかることに気づかされました。

<活動の様子>